小料理屋「和膳」へようこそ!

彩世幻夜

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修羅の闇鍋

日本男児と書いて張り子の虎と読む

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    「……私は拓海コレの父親だ」
    彼の言葉にぴくりと拓海が反応し、睨み付ける。
    「会社の為にな粉骨砕身尽くしてきたのに会社に裏切られ、そのせいで妻に逃げられた男だ」
    「おいおい、パソコンもまともに使えねぇで怒鳴り散らすしか能のない無能が何言ってるんだ?」
    苦々しい表情で語った拓海の父を、茉莉の夫が嘲笑する。
    「……会社での仕事の良し悪しは分からないけど、家庭内での振る舞いがどちらも五十歩百歩な最低評価で間違いないと思うわよ」
    それを茉莉が絶対零度の冷笑で突き放す。
    「いや俺の親父も勿論ひでぇけどさ、まだ世代的に仕方ない部分はあったと思うんだ。でも、えーと、旭さん……でいい?    旭さんのダンナはの人だろ?    なのに家事育児放棄どころか我が子の病気に気付かず殺人未遂。……それ考えたら、親父は少なくとも犯罪行為まではしなかったからな」
    「……茉莉でいいわ。もうこの男の名字なんて名乗りたくないもの。でもそうね、時代が味方してくれる分私は恵まれてるわ。きっと君のお母様はとても苦労をなさってきたんでしょうから」
    「ああ、専門家に頼めば間違いなく有責がどちらの側か明らかになるし、そうなれば慰謝料きっちり払わせて縁切り・損切り出来るんだ。……お偉い〝お殿様〟、これまでやらかしてきた事の結果を思い知るといい」
    「仕事もできない、家の事も何もできない人が、他に何ができるのか。……よく考えて見るといいわ」
    一方的に責められ、反論も正論で押し込められる男達。
    「まあ。珍しくない話だな。親なんて……大人なんて皆自分勝手で狡くて、自分で拵えた子供すら平気で痛め付けて放り出す」
    ああ、本当に。人間なんてクダラナイ。
    「そうやって放り出したくせに自分の生活が上手くいかなくなると途端にすり寄ってくるんだぞ、そういう輩は」
    クツクツと笑いが漏れる。
    「後顧の憂いを晴らすなら。――手を、貸してやろうか……?」
    かつて俺を厭い捨てた母親を。和華を苦しめた彼女の父親を。この厭わしい〝力〟で遠ざけた様に。
    「……俺の料理を食いに来る客は歓迎するが。和華の平穏を脅かす者は俺の敵だ」
    そもそもこの料理の腕は和華のために磨いたモンだ。
    「さあ、どうする?    人間共」
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