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念願の旅路で
海に沈む夕日
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「あー! 着いたー!」
途中ちょっとしたトラブルはあったけど、無事一週間の船旅を終えた私達は、目的地である海の港町、ベネシーに到着した。
「おおー、海だ!」
青くすみ渡る空と、深い紺碧の水面にキラキラ反射する日の光の粒が瞬く水平線。
この世界にもカモメはいるようで、甲高い鳴き声が波音と共に耳に届く。
この世界で始めて嗅ぐ潮の香りを乗せた海風が髪を弄び、少し暑いくらいの気温に肌が少しペタつく。
そして。船着き場を離れ町へと一歩踏み出せば、港沿いにずらりと並ぶ露店では威勢の良い掛け声が飛び交っている。
鮮魚は勿論、干物や漬けたもの、燻製した物などの加工品や調理済みの惣菜が豊富に並んでいる。
これまで川の港で見てきた川魚とはサイズも太りかたもまるで違う、色鮮やかな海の魚。
魚卵や貝、海藻もある。
そして。
しつこいようだけど、ここは日本で発売された乙女ゲームの世界。
当然、ここにはアレを売る店がある。
「お寿司! 今日は回らないお寿司を食べるのよ!」
「……寿司、ですか。食べた事はありませんが、知識としては存じておりますが……お嬢様、回らない寿司とはどういう事です? 寿司が回る、とは……?」
……何と。寿司はあっても回転寿司屋が無いとか言う?
まさか、と翌日から食べ歩きに専念したけど……無いわ。回る寿司が無い。そして回らない寿司は高い。
――いや、私の口座の残高からすれば大した出費じゃないけど、前世で回る寿司屋でなきゃ出前寿司、回らない寿司とは無縁だった頃の感覚からすれば高い。
流石に銀座の高級店レベルの店は少ないけど、とても気軽に食べられる値段じゃない。
……回るレーン位魔道具で簡単に作れそうだし、ホール係の仕事を極力機械化――もとい魔道具で何とかして、その分仕入れと腕の良い職人を入れて……上手いことやれないかな?
ついでに寿司以外にも、スイーツとか……他で経営してる店舗とコラボして再度メニューも充実させて……。
私は商業ギルドでよさげな土地を見繕って買い上げ、店舗の建設を職人ギルドを通して紹介してもらった工務店に発注。
コツコツ必要な魔道具を揃えつつ、人材の育成に取り組んで。
合間合間に拠点の孤児達の様子見をしてみたり、コラボ商品の開発に取り組んだりと忙しくしていたら、あっという間に時が過ぎていく。
そして。近い未来にはチェーン展開させる予定の第一号店がオープンしたのはそれから半年後の事。
翌月には魔帝国の皇都に第二号店、翌々月にはルクスドに三号店をオープンした。
――いずれも評判は上々。
一号店は流石に競合店が多く、なかなかに厳しい戦いを強いられているけど、二号店、三号店はもう笑いが止まらない勢いで儲かっている。
何より三号店は、まだまだ影響力の弱い人間の国々での貴重な足掛かりでもある。
「次はどこに行こうか?」
それでも。今はまだもう少し旅を楽しみたい、と――そう、思っていたんだけど……。
途中ちょっとしたトラブルはあったけど、無事一週間の船旅を終えた私達は、目的地である海の港町、ベネシーに到着した。
「おおー、海だ!」
青くすみ渡る空と、深い紺碧の水面にキラキラ反射する日の光の粒が瞬く水平線。
この世界にもカモメはいるようで、甲高い鳴き声が波音と共に耳に届く。
この世界で始めて嗅ぐ潮の香りを乗せた海風が髪を弄び、少し暑いくらいの気温に肌が少しペタつく。
そして。船着き場を離れ町へと一歩踏み出せば、港沿いにずらりと並ぶ露店では威勢の良い掛け声が飛び交っている。
鮮魚は勿論、干物や漬けたもの、燻製した物などの加工品や調理済みの惣菜が豊富に並んでいる。
これまで川の港で見てきた川魚とはサイズも太りかたもまるで違う、色鮮やかな海の魚。
魚卵や貝、海藻もある。
そして。
しつこいようだけど、ここは日本で発売された乙女ゲームの世界。
当然、ここにはアレを売る店がある。
「お寿司! 今日は回らないお寿司を食べるのよ!」
「……寿司、ですか。食べた事はありませんが、知識としては存じておりますが……お嬢様、回らない寿司とはどういう事です? 寿司が回る、とは……?」
……何と。寿司はあっても回転寿司屋が無いとか言う?
まさか、と翌日から食べ歩きに専念したけど……無いわ。回る寿司が無い。そして回らない寿司は高い。
――いや、私の口座の残高からすれば大した出費じゃないけど、前世で回る寿司屋でなきゃ出前寿司、回らない寿司とは無縁だった頃の感覚からすれば高い。
流石に銀座の高級店レベルの店は少ないけど、とても気軽に食べられる値段じゃない。
……回るレーン位魔道具で簡単に作れそうだし、ホール係の仕事を極力機械化――もとい魔道具で何とかして、その分仕入れと腕の良い職人を入れて……上手いことやれないかな?
ついでに寿司以外にも、スイーツとか……他で経営してる店舗とコラボして再度メニューも充実させて……。
私は商業ギルドでよさげな土地を見繕って買い上げ、店舗の建設を職人ギルドを通して紹介してもらった工務店に発注。
コツコツ必要な魔道具を揃えつつ、人材の育成に取り組んで。
合間合間に拠点の孤児達の様子見をしてみたり、コラボ商品の開発に取り組んだりと忙しくしていたら、あっという間に時が過ぎていく。
そして。近い未来にはチェーン展開させる予定の第一号店がオープンしたのはそれから半年後の事。
翌月には魔帝国の皇都に第二号店、翌々月にはルクスドに三号店をオープンした。
――いずれも評判は上々。
一号店は流石に競合店が多く、なかなかに厳しい戦いを強いられているけど、二号店、三号店はもう笑いが止まらない勢いで儲かっている。
何より三号店は、まだまだ影響力の弱い人間の国々での貴重な足掛かりでもある。
「次はどこに行こうか?」
それでも。今はまだもう少し旅を楽しみたい、と――そう、思っていたんだけど……。
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