唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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目指せ勝ち組!~君と歩む花道~

文化祭

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    その始まりは、体育祭に比べて随分と静かなものだった。
    校門前に一応「文化祭」と黒墨で筆文字で書かれた看板が設置はされたけれど、体育祭の時の入退場門の様な大がかりな装飾はなく。
    日本の公立高校の様な食べ物やフリマ的な屋台も無く、校舎の外は多くの人が雑談を交わすざわめきこそあるものの、まぁ基本的には静かなもので。
    それは校舎内に入っても、そのざわめきが室内にこもる分少し耳につくけれど、自らの出し物に人を呼び込もうとする声も無く、ただ各展示を見回り、時折優れた展示の前で感嘆の声を漏らすのがせいぜいなため、日本らしい学園祭を思うと物凄く地味で物足りない感じがしてしまう。
    ――特に私、前世では高校生卒業間近で死んだからね、学園祭はきっちり三回参加している。
    一年目は流行りのメイド喫茶、二年目は定番のお化け屋敷、三年目は受験も近く楽を取ってゲーム(当たりが出たら賞品ゲットなダーツとか)をやった。
    その当日はプラカード下げて校舎中を宣伝して回ったり、仮想してみたりと騒がしいのがデフォだった。
    けど、お嬢様学校に行った友達から聞いた学園祭は今ここでやってる普段の授業の展示会みたいなのだったらしいから……。
    上流階級ってお祭りではっちゃけるとかはあまりしないのかな?
    ……ん?    私のクラス展示?
    ――何とか形にした生け花は、他の素晴らしい作品の添え物になってますが何か?
    取り敢えず鑑賞に耐えるものになっただけ御の字でしょ?    頑張ったよ、私。
    スキルでは技術的なサポートはあるけど、センス的なものは私自身で養わなきゃならない。手芸は前世からの経験値があるけど、華道は……。
    ちなみにクラブの方は普段は上級学校と共同活動だけど、文化祭展示は初等部のメンバーだけの企画だ。
    課題として与えられた、ある仮想の領地に対するそれぞれのシュミレーションの過程と結果を纏めたものを展示している他、珍しく観客参加型の企画として、当番として教室にいる受け付け係とチェスに似たこの世界のゲームで対戦できるというもの。
    多少駒の名称や可動域に違いがある程度でルールはチェスと変わらない。故に、戦略や人の使い方のセンスを磨く知的なゲームとされ、貴族間ではかなりメジャーなゲームであり、この領地経営研究部には相応しいゲームだ、という意見で追加された要素である。
    ……ちなみに私はあまりこのゲームは強くない。
    弱くはないと思うけど、このクラブのメンバーにこれが得意な奴が多すぎるのだ。
    私のこのクラブ内での勝敗率は勝ち4:負け5:引き分け1。これがこのクラブ内以外でとなると6:2:2になる。
    けど、レイフレッドが相手だとこれが2:6:2となる。――レイフレッドはこの手のゲームは得意らしくクラブでの勝率も高い。
    ……うん。私には弓も魔法もスキル「クリエイト」もあるからね。人間誰しも得意不得意はあるんだ。適材適所とも言うしね!
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