唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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目指せ勝ち組!~君と歩む花道~

三年生になりまして

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    今年度も新学期がやってくる。
    私達は三年生に進級した。王太子殿下方は初等部を卒業し、上級学校へ進学した。
    生徒会も新一年生を迎えて早速最初の仕事となる研修へ旅立ち、休む間もなく秋の三大イベントの企画運営を担当する。
    「コレが最後ですから」
    と、レイフレッドが張り切った上級学校の学園祭は――まぁ、凄かった。
    「……アイツは下手に敵に回さない方が良い」
     王太子殿下の呟きが少々気になる所なんだけれども。
     そして、レイフレッドが生徒会を引退して訪れた最後の冬がやって来る。
   「よぉ、お疲れ!」
    私達が帰るのを待っていたシリカさんが、ビールグラス片手に出迎えてくれる。
   「ふふ、大分整ったね?」
   「……ええ。ですが……三年は……長いですねぇ。こうして過ごしているとあっという間なんですが、離れていると……やっぱり長いですよ」
   「だが、この三年は絶対に必要な三年で……まぁ次の三年は……おまけみたいなもんだろ?」
    店の者達が集いだし、互いに飲みながら近況を語り合う、年越しの集い。
    明日一日だけ休んだら、明後日は福袋セールが始まる。皆暇ではないのだけど、なんやかやで飲み明かす。
    けど、それは表向きの姿だ。
   「それで。具合はどうだい?」
   「ええ、問題ありません。もういつでもいけますよ」
    ニヤリと笑うおいちゃん達。
   「うふふ、こちらもOKよ♪」
    うふふおほほと微笑むお嬢さん方。
   「こちらも仕上げは上々だにゃ」
     ケットシーの皆さんも楽しげに笑う。
   「では、後は勝負の日を待つばかり……ですね」
    私も、三年間で取れるだけの単位を好成績で取得しまくったし、あとは学年末テストの結果次第だ。
    「ふふふ、では改めて乾杯しましょ?」
    その声と共にあちこちでグラスの触れ合う音が重なり合った。
    「……にしても。本当にバカな野郎だよな、この子爵子息様ってばさ。ちゃーんとしてさえいりゃ、今後ともずっと左団扇だったろうにな」
    「――それが分かる程度の頭があればそもそもこんな事は考えなかったわよ」
    ……なんて、それは嘘だけど。でも、もう少し他にやり様はあった気がする。結婚にこだわる必要なしに、定期的にお金を落とすだけなら……まぁ嫌だけど許容は可能だ。
    だけど彼らはそれを選ぶ頭もなかった。
    ビルに至っては私の価値さえ理解しないお花畑の住人だった。ただ、それだけの事。
    ……決戦の日はもうすぐそこまで迫っている。
   「レイフレッド、最後の詰めを誤らない様に頑張らないとね」
   「ええ。これまでの努力を無駄にしない様に全力で当たりましょう」
    二人で約束を交わし――夜は更けていく。
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