唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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新領主誕生

卒業式

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    ――長かった。この三年間、本当に長かった。
    そう思いながら、このシュミエルの地で行われている卒業式に出席していた。
    保護者席にはレイフレッドが一人。
    「卒業生代表挨拶、アンリ=カーライル」
    上級学校を無事に首席卒業した私は、この後で城に登城せよとのご命令を承っている。
    その後、各国を回り皇帝への挨拶を済ませ――そうしてようやく領地の事に正式に口を出せる様になる。
    その喜びを噛み締めつつ無難に挨拶をこなして卒業式を終える。
    その足で魔王の城へと赴いた。
   「ふふ、待ちわびたぞ」
    相変わらずの美貌で待ち構える皇帝陛下は。
   「アンリ=カーライル、そなたを辺境伯に任命する。それと……式には私も呼んでくれよ?」
    と、にこにこしながら宣った。
    「……りょ、了解致しました」
    次いで訪れたマルクニア帝国の皇帝陛下にも、辺境伯位を頂いた後に式へのお呼ばれを強請ねだられた。
    ヒューリア皇帝には……遠慮がちに呼んで貰えないかと頼まれ。
    その城下町で待ち構えていたシレイドの王子兄弟に取っ捕まえられ、式への参加を積極的に表明された。
    「これは……パーティーを分けた方が良さげですね」
    レイフレッドが空笑いしながら言った。
    「貴族向けと平民組み向けと、日を改めてパーティーしましょう。どうせ一日じゃ終われないんですから」
    そう、貴族の結婚式なんて一日じゃ終わらない。
    その隙に平民組みのパーティーを催したっていいじゃないか、と。
     勿論私は大賛成。
     孤児ばかりが集まる地だったところへ城を建てて街を造り畑を用意する。
     今まで最低限の建物だけで回してきた領政の大転換期だ。いっそ大いに派手にやらかそうじゃないか!
     私は、やる気に満ちていた。
    「まずは城と城下町、それを支える農村があれば十分よね?」
    「……まぁ、そうですが。――お嬢様、何をなさるおつもりですか?」
    「そのままよ!    城と城下町、畑を作るわ!」
     この三年間、理想の街造りをどれだけ考え抜いたことか!
     この数年で作り上げられた地図を元に図面に起こし、建築関係の専門家にアドバイスを貰い、計画を練り上げていく。
    ある程度作った後の仕上げの職人も呼び込み発注をかける。
    「……物がねぇのにちと気が早すぎやしねぇか、姉さん?」
    呆れる職人相手に「いいから、お願いします!」と押し切り仕事を頼む。
    ――かつて見たルクスドの街並みを思い出す。
    あの感動を越える街にしたいから、私は六年間暖めてきた案を幾つも投じ配置して街の構想を固めていった。
    そして――
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