唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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領主のお仕事

初めての子育ては……

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   「はい、あーん」
   「あぶ」
   「あー、ヤバい。可愛い……」
    ――首が据わって、初めてのお座りとハイハイをクリアした彼女――レイリアは、今離乳食に挑戦中だ。
    デレデレしながら彼女にそれを食べさせているのはレイフレッドだ。
    イクメンなんて言葉を鼻で笑えるくらい、彼は積極的に育児に関わってくる。
    母乳を与えるという、男ではどうしても不可能な事以外の全てを彼は一通り覚えて実践した。……その結果が、これ。
    物凄く幸せそうな顔でレイリアにスプーンに乗せた流動食をせっせと与えている。……何回かに一度は嫌そうにそっぽを向かれても彼は挫けない。
    「レイリア~、ほらあーんしてごらん?」
    あー、と自分も口を開けて見せながら、彼女に食事をさせている。
   「もうお腹一杯?    んじゃ、コレはもうおしまいでいいね」
    レイフレッドはスプーンを置くと、手を拭い、今度はナイフを持って自らの指先に小さく傷を作った。
   「じゃあ次はこれ」
    離乳食とを始めるのと同時に、彼女に私達の血を飲ませている。……ただ、コレをするのは今のところレイフレッドが多い。
    でないと私が二人分の負担を背負う回数が増えてしまうから。
    ハーフと言えど、彼女は今のところ吸血鬼寄りの育て方で育てていた。
    妊娠してすぐ、シリカさんがドルトムント本国に問い合わせてくれて、専門家の意見を聞きつつの育児をしていて、彼女の意見を入れての判断だ。
    あ、勿論いくら娘にデレデレしてても、仕事はきちんとしてますよ!
    ……というかむしろ――
   「可愛い娘のためでもありますからね。医療と福祉、それに教育分野は徹底的に、けど可及的速やかに整えますよ」
    とレイフレッドににっこり微笑まれ、地獄を見た人々がいたらしい。
    お陰でそれらの分野はほぼ完璧に整っていた。
   「明日は予防接種の日でしたね。……ちょっと可哀想だけど頑張って貰わないと」 
    ……子育てって大変……なはずなんだけどね、アレ見てると何だかとっても和むんだよねー。
    「うん、そうだね」
    予防接種なんてモノを開発したのはウチの商会の研究所だ。
    基本私の作品を売る商会として始めて、今もメインはそれだけど、商会の規模が大きくなったので、作ってみました商品開発部!
    その中の研究所に、ちらっとアイデアを落としてみたら、いつの間にか出来上がってた不思議……。
    既に動物実験と治験もすませ実用可能となった時点でウチの国では積極的に取り入れる方針を固めていた。
    少なくとも未成年の内は国で料金を負担してでも病気は減らしたかったから。
    ……まぁ翌日レイリアには容赦なく泣かれたけどさ。
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