唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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領主のお仕事

深まる疑惑

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    マルクニアの次に訪れたのはヒューリア帝国だ。
    「先日のシレイドでの件は聞いている。災難であったな」
    と、皇帝陛下にはまず労われての会食からスタートした外交戦。
    こちらには通行税云々と言ってくるような輩は居なかった――が。
    「鉄道の技術を寄越せ……ですか」
    私達の領地の要の一つを寄越せと言ってきた者が居た。
    ――技術提供、というなら考えないでもない。無論、有償でだ。
   しかし、その話によると工事から何から出費は全てこちら持ち、しかし人夫は指導者以外は現地の人間を……なんて、飲める訳がない。
    時代遅れの技術を発展途上国に恵んでやる話ではないのだから。
    当然突っぱねてお断りした。
    ……ここでもアホな事を言う人はその人位のもので、実際はそれなりの条件で色々と話は纏まった。
    ――が、ここでもレイフレッドを呼びたがった者は大して目立たない人物だった。
    その後の夜会で、私達はマティス様と話をする機会を得た。……今日はディアナは伴っていないようで、一人グラスを傾けていた。
   「やあ、この間ぶりだね」
   「ええ。先程は良いアシストをどうも」
   「この位は……ね、しておかないと」
    彼は疲れたように苦い笑みを浮かべた。
   「やはり、尻尾を掴み損ねましたか」
   「……ああ」
    詳しく聞けば、引っ捕らえた連中を〆てもろくな情報を持っておらず、彼等から聞き出した窓口は既にもぬけの殻だった、と。
   「それでも、あの元子爵が絡んでいるのは事実らしいぞ。全く、平民にした後で刺客を放つべきだった」
    と悔しがるマティス様。
   「あと、会談でアホな事をほざいてたアイツな、裏の噂じゃ今国は滅茶苦茶らしいぞ」
    元はクズ領主が締め上げていた領地で天災があったらしく、実りが豊かだった地が沈んで食糧不足が深刻であるらしい。
    民の怒りは限界に近く、内乱に発展する可能性もあるらしい。
    小競り合い程度で済めば良いが、度が過ぎればあの国が出張ってくる。
    ……まぁその前に帝国が仲裁に入るだろうけど――
   「そんな状態なら、闇ギルドは跋扈ばっこし放題だろう」
    ……確かに治安は良くなさそうだもんな。
   「更に言うとな、レイフレッド。お前を呼ぶよう皇帝に進言していた男、アレの国には奴隷制度がある」
    「それはまた……。闇ギルドが喜びそうな……」
    「何か企んでいるかもしれん。気を付けておいて損はないぞ」
    「そうですね。有用な情報を有難うございます」
    ……こうなると、マルクニアの方の件ももう一度調べてみるべきか。
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