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領主のお仕事
その頃アンリは……
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――何で、アレは一方的なんだろう。何故私は彼の元へ飛ぶ事が出来ないのか。
私は今その理不尽を心底呪っていた。
時はあの朝から昼を回り、そろそろ夕食の時間。そんな時に入った報告だった。
「レイフレッドとカイルが居ない?」
昼食時には居た。……その後のお茶の時も。
だけど、その後で居なくなった。
「……侍従が一人消えています。何か事情を知っているものと思われます」
あれ以来、城へ雇う者の身辺調査には力を入れていたのに!
兵達に捜索を命じたけれど、前回はあの元子爵領に私は居た。
一応マティス様と実家と……一応各皇帝とシリカに連絡を入れておく。
「お母様、領内の捜索の指揮は私が取ります」
レイリアがそう言うので、私は空間魔法であちこちに飛び、捜索の手を伸ばすけれど、場所の目星がつかないことにはどうにもならない。
本当に、何故――!
空間魔法は先に出口を繋がなければ移動は不可能なのに……。
城の中、彼らの居たはずの部屋へと赴むいて――その気配に気付く。
「これ……空間魔法の気配……?」
何故?
私はこの部屋には出口は設置していない。
だけど、これまでの不可解な事を並べて思い出すと、思い当たる節はあった。
「敵に空間魔法の使い手が居る……?」
ならば。
空間の出口を探り当て、その波動を辿る。
他人の空間……読み難い。
自分の空間なら日本語で読解出来るのに、フランス語やらドイツ語やらで書かれたものを読み解かなければいけない感じ。
非常に面倒臭いが、今はそんな事を言っている場合ではないから、全力で読解に当たる。
しかも、これは空間魔法の使い手でなければ読み解けないと言うのもムカつく仕様だ。
――だけど。
「読めた」
多少時間のロスはあったけれど、何とか読み解き術を発動させる。
「行くよ!」
空間を開いて、私は中へと飛び込んだ。
そして、その出口が繋がっていた先に居たのは。
「……またアンタなの」
「やぁ、アンリ」
ニヤつく私の元婚約者。
「私の旦那と子供を拐った奴はどこ? 空間魔法なんてアンタが使えるはずないもんね?」
「……さあ。俺は知らないな」
「――死にたくないなら教えなさいよ」
……この空間が、魔法を使えない可能性は考えていたから、私は武器を構えて言った。
――魔道具ではない弓矢の照準を奴に合わせて脅す。
こいつには聞きたいこともあるから出来れば死なせたくはないが、事によれば致し方ない、殺す事も視野に入れる覚悟をして、私は彼に迫った。
「嫌だね。……君は俺の婚約者なんだ。――俺の子を産んで貰わないと」
しかし、彼は脅える様子もなく気味の悪い笑い方をしながら笑った。
「さあ、楽しもうよ」
……私は無言のまま矢を放った。
私は今その理不尽を心底呪っていた。
時はあの朝から昼を回り、そろそろ夕食の時間。そんな時に入った報告だった。
「レイフレッドとカイルが居ない?」
昼食時には居た。……その後のお茶の時も。
だけど、その後で居なくなった。
「……侍従が一人消えています。何か事情を知っているものと思われます」
あれ以来、城へ雇う者の身辺調査には力を入れていたのに!
兵達に捜索を命じたけれど、前回はあの元子爵領に私は居た。
一応マティス様と実家と……一応各皇帝とシリカに連絡を入れておく。
「お母様、領内の捜索の指揮は私が取ります」
レイリアがそう言うので、私は空間魔法であちこちに飛び、捜索の手を伸ばすけれど、場所の目星がつかないことにはどうにもならない。
本当に、何故――!
空間魔法は先に出口を繋がなければ移動は不可能なのに……。
城の中、彼らの居たはずの部屋へと赴むいて――その気配に気付く。
「これ……空間魔法の気配……?」
何故?
私はこの部屋には出口は設置していない。
だけど、これまでの不可解な事を並べて思い出すと、思い当たる節はあった。
「敵に空間魔法の使い手が居る……?」
ならば。
空間の出口を探り当て、その波動を辿る。
他人の空間……読み難い。
自分の空間なら日本語で読解出来るのに、フランス語やらドイツ語やらで書かれたものを読み解かなければいけない感じ。
非常に面倒臭いが、今はそんな事を言っている場合ではないから、全力で読解に当たる。
しかも、これは空間魔法の使い手でなければ読み解けないと言うのもムカつく仕様だ。
――だけど。
「読めた」
多少時間のロスはあったけれど、何とか読み解き術を発動させる。
「行くよ!」
空間を開いて、私は中へと飛び込んだ。
そして、その出口が繋がっていた先に居たのは。
「……またアンタなの」
「やぁ、アンリ」
ニヤつく私の元婚約者。
「私の旦那と子供を拐った奴はどこ? 空間魔法なんてアンタが使えるはずないもんね?」
「……さあ。俺は知らないな」
「――死にたくないなら教えなさいよ」
……この空間が、魔法を使えない可能性は考えていたから、私は武器を構えて言った。
――魔道具ではない弓矢の照準を奴に合わせて脅す。
こいつには聞きたいこともあるから出来れば死なせたくはないが、事によれば致し方ない、殺す事も視野に入れる覚悟をして、私は彼に迫った。
「嫌だね。……君は俺の婚約者なんだ。――俺の子を産んで貰わないと」
しかし、彼は脅える様子もなく気味の悪い笑い方をしながら笑った。
「さあ、楽しもうよ」
……私は無言のまま矢を放った。
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