唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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領主一族のお仕事

建国

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    「んー、そろそろ国にしても良い頃合いじゃない?」
    ある日、にっこり笑ってとある皇帝様が仰った。……悪魔な皇帝様は、「そう思わないかい?」と、女狐な女帝様に尋ね、彼女は「そうじゃのう……」と、わざとらしく悩むふりをした。
     そして最後に。
   「「どう思う?」」
     と、二人揃って代替わりしたばかりのヒューリア帝国新皇帝に話を降った。
     「そ、それはもう……!    ベストタイミングかと!」
    何やら冷や汗を流す彼に二人はにこりと笑い。
   「さて、では当人達にはどうやって伝えようか」
    とわくわくと悪巧みを始めた。
    ――そして。
    ある日、皇帝三人が揃って領地にやって来る旨の報告が舞い込み、アンリとレイフレッドは何事かと驚き、慌てて支度を整えた。
    領地に散っていた双子も、レイリアとカレンも両親を手伝い、カイルも衣装を新調する等、目まぐるしい日々を送り。
     その日は、やって来た。
     三人の皇帝は、それぞれの供を従えて訪れた。
     まずはもてなされ機嫌良く過ごし、立派に成人し独立した子供達に満足し、残るカイルにも期待を寄せた。
    そしてその翌日。
    会議の場で彼らが宣うには、そろそろこの領地を国として成立させよ、と。
     だから、国としての名前を考えろと言い出した。
    「お前達はその国の女王と王配となるのだ」
     そう命じられ。
     国の名前を疾風の牙にしようかと言う案は、商会と私達の冒険者名だけでもそろそろ紛らわしくなっているのに!    と反対され。
    じゃあカーライル国に……との案も実家のカーライル商会から「止めてくれ」と泣きが入り。
    散々迷った末に決まった国名は。
   「そこは初代の名前をもじるとかでいいんじゃね?」
    という子供達の意見を汲んで、『レイリール』と決まった。
    故に私の正式名称は、アンリ・フォン・カーライル・レイリールとなった。レイフレッドと、私の子供達も同様に。
    そして、色々と手続きを終えた後、我がカーライル領は、正式にレイリールとして建国した。
    しばらくは告知行脚と各国要人を招待しての告知パーティーにと忙しかった。
    ……これに私以上に驚いて放心してたのが、私の両親だったんだけど。
   「ははは、まさかうちの子が……貴族どころか王様になるとか……これは夢かな?」
    ……気持ちは分かるけど、頼むから現実へ戻ってこいと母に叩かれなきゃ、そのまま夢の国から戻って来れなかった気のするお父様。
    そして、このニュースを聞いてしばらく。
    私のお祖父様が亡くなった、と知らせが入った。
    お父様の様には驚いていなかったから、このニュースのせいではないと思いたい。
    まぁ、この世界的には充分大往生なお歳だったからね、お祖父様。
    葬儀に出ても、寂しいという意味で哀しむ人は居ても、「よくこれだけ生きた」と労う人が圧倒的だったのが印象的な式だった。
   「あの方が居なければ、俺はアンリと出会えていなかったかもしれない」
   と、式に参列したレイフレッドは言っていた。
   うん。そだね。
   ――ありがとうございました、お祖父様。安らかにお眠り下さい。
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