唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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国王のお仕事

神託

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    案内されたホテルは、会議の時に割り当てられたホテルに比べるとグレードは高いらしい。
    場所柄窓からの眺めはホテルの庭とその向こうに見える城と神殿だけれど、建物の装いはどこもこだわり抜かれているのが分かる。
    だけど、案内された部屋は最上階より二つ三つ下の階の部屋だった。
    一応スイートルームではあるらしいけど、もっとグレードの高い部屋が無い訳では無いらしい。
    私とレイフレッドは元冒険者の平民だから、部屋のグレードにこだわりなんかある訳ないけど、状況的にこの扱いで通されるのは不愉快だ。
    ……とはいえ、部屋を決めたのはおそらくお偉いさん方なんだろうから、指示通りのおもてなしを精一杯頑張っているらしいホテルの従業員を責める訳にもいかなくて。
   「なんか、向こうの思惑通りに運ばれてるみたいでムカつく」
    カイルが機嫌を損ねていた。
    流石に車の中では無理だったけど、部屋に着いてすぐ私は空間を開いた。
    宰相と外務大臣は早速国に戻って対策会議を行うらしい。
    「私も色々頼んでくるわ」
    「俺、ちょっと身体動かしてくるわ」
     ……皆元気で何よりです。
    一晩ゆっくり休んだ翌日。
    私達はエルシー大神殿へと招かれ中へと足を踏み入れた。
    表は普通に――といっても富裕層や貴族向けの豪華な仕様なんだが――礼拝堂になっている。
    けど、案内に出てきた神官はそこを通りすぎ、奥の個室へと私達を導いた。
    個室、とは言うけど十分広く、私が鑑定式を受けたシレイドの教会の礼拝堂は普通に入りそうだった。
    そこで待っていたのはまた偉そうな神官様方。
    「お待ちしておりました、神々の加護をお持ちの御子よ」
    ざっとそれまで自分達が並んで立っていた祭壇で左右に別れて中央を開け、カイルに上がるよう指示を出す。
    「さあ、祈るのです」
    ……カイルのみならず私達にも祈りを要求し、神官達は神の像に向かって跪いた。
    仕方なく私達もそれに倣う。
    そして――
    「え、何、ここ…… 」
    今の今までいた場所とは明らかに違う。
    ――何と言うかお約束的な真っ白いだけの部屋。
    そこに何故かカイルと一緒に私とレイフレッドの三人だけが居た。
    「え、カイルだけじゃないの……?」
     それでも私は転生者という共通項はある……けど、レイフレッドは……?
    「だって彼は君のパートナーなんだろう?」
     疑問を抱いた瞬間、聞きなれない声で期待していなかった答えが返ってきた。
    「……え?」
    「やぁ、君達からしてみれば初めまして、なんだろうね?」
    ふわりと白い空間に舞い降りてくる複数の影。
    「カイル、アンリ、レイフレッド。我々は君達を歓迎する」
    
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