唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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魔王対策

素材採取任務完了です

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    ザバァ、と大量の飛沫と共にそれが水面を割って宙へと跳び上がった。
   「……今度のこれは……何?    ネッシーをずいぶんファンシーにデフォルメしたみたいな外見してるけど」
    淡いパステル色の七色に輝く四つ足のヒレ、乳白色の身体は遠くで見ている分にはとても綺麗で、あるいは神々しくすら見える程。
     長い首の先の小さな頭には鶏冠のようなヒレが鬣のように尻尾の先まで続き、尾っぽの先は尾びれが揺らめく。
    ――だけど奴は正真正銘の魔物だ。
    撒いた餌を食いきった奴は、まだ足りぬとばかりに空に浮かぶレイフレッドとリルフィに襲いかかった。
    流石に奴も正真正銘のドラコンに喧嘩は売りたくなかったらしい。
    奴は水竜と名が付いてはいるけれど、所詮亜種の下級種。図体はフェリー一隻分と同じ程度はあるけれど、ランク的にはいつかの走竜と同じ。
    が、水の上での戦いでは人間が不利なために倒し難い相手なのは確かだ。
    けど、今回は相手が悪かったよね。まぁ恨むなよ。
   「浮島!」
    海に巨大フロートを出現させ、跳び上がった奴の落下地点に設置した。
    重たく鈍い音を立てて落ちてきたけど、浮島にダメージは無い……が、奴は痛かったようで悲鳴をあげたけど……。
    「……あれ?」
     奴を中央に置けば縦横幅は×3倍。ちょっと転がっただけじゃ海へは戻れない浮島の上。
     ビッタンビッタンと元気に跳ね回っているけど、正直それだけしか出来てない。まさにまな板の上の鯉状態だ。
    「レイフレッド、後よろしくー!」
     グリフィンに乗ったレイフレッドが一刀両断で首を落とした。……属性魔法を纏わせた剣、か。新しいスキルを難なく使いこなせているようだ。
    ――そして、最後の獲物は。秘境と呼ばれる森の奥。
    「き、樹の魔物のゾンビなんて聞いたことねぇよ!」
    「ほらほら頑張れ、ゾンビ系は唯一治療師にも倒せる魔物だよ!」
    ……ゾンビ系魔物に治癒術をかけると奴等は昇天していくからな。
    「く、クソッ、範囲回復術エリアヒール!」
     群れをなしてカイルを追いかけていた歩く木々がピタリと動きを止めた。
    その代わりふるふると痙攣するように震えだしたと思えばパタパタとその場に倒れていく。
    「……神託受けちゃったから、今回だけは頑張るけど、俺に冒険者が向いてないのがよ~く分かった。俺はこれが済んだら研究畑一筋に生きてやる……!」
    ……どうやらリアルな冒険が性に合わなかったらしいカイルがそんな決心を固めていた。
    いや、今回私達が受けたのは最高難易度の魔物ばっかりだよ?    もっと普通の魔物は当たり前に冒険者ギルドに依頼出したからな?
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