唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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元平民の悪役令嬢、世界を救う

情報収集

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    ――どうする、と聞かれても。
   「そんな重要案件に私一人で勝手な回答出来る訳ないじゃない。私はもう平民の冒険者じゃなく、女王なんだから。勝手にほいほい魔王退治の旅には出掛けられないんだからね」
    けど、魔王出現となれば無視はできない。
    少なくとも対策会議を即座に召集しなくては……。
    「それと情報収集も……。ああ、もう!    これじゃ世代交代どころの話じゃないじゃない!」
    叫んだところで何も解決しないのは百も承知で、それでも叫ばずにはいられなかった。
    「こうならないように頑張ったあの旅は何だったのよ!」
    一応被害の軽減の役には立っているらしいけど、そもそもあれだけお膳立てしたにもかかわらず、うかうかと魔王を出現させたエルシー国には苛立ちが募るばかりだ。
    「あんだけ偉そうにしといてコレとかありえないんですけど!」
    叫びつつも影を呼び、また商会の情報を得るため長女宛に手紙を書く。
    そして、会議に参加させる重鎮達にも予定を開けておくよう通達を出す。
     今出来るのはこの位、か……。
     多分。
     魔王退治に出掛けるなら、私達が出るのが一番手っ取り早い。
   「エルシー国はどう出てくると思う?」
     エルシー国がこれまで各国の上に立てていたのは、それだけの実績と力量があったからだ。
     だけどこの失態で、かの国の評判は少なからず落ちた。
     勿論これだけで過去の全てが無くなるわけじゃないけど、しかし今回の事態はそれだけ重く深刻だ。
    「各国がパニックを起こしかねない現状で、各国の手綱を捌ききれないのは致命的な隙になりかねない」
    もしそうなった時に誰が手綱を握るのか。
     というか、手綱を取る為にエルシー国はカイルや私達を頼ろうとする気がしてならない。
     それも上から目線で強制的に。
     今回は奴を早急に倒さないと私達も迷惑を被るから引き受けざるを得ないんだけど、だからって下手売った連中にこき使われては堪らない。
    せめて相応の報酬はあって然るべきだよね?
   「その辺も話し合わなきゃ」
    ついでに、教会に設置した魔道具を改造――といっても外側の偽装用の部分だけだが――して各家庭や公共施設に取り付け、領地の空気の浄化に努め、被害の更なる軽減を図るのだった。
    「まー、焼け石に水な感じなんだけど」
     そして、一日おいた二日後。
     城の会議室にこの国の重要人物が集った。
    「あんまりうだうだと下らないお喋りをしている暇はないから、まず端的にこの会議の目的を言うわ」
    そこで私は特大の爆弾を投下した。
    「世界が滅びる前に出来る事を、最小限の被害で、最大限の利益を得られる方法を話し合いましょう?」
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