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第一章 修行開始
壱話 陰陽道とは
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「さあ、今夜こそ修行を始めるのじゃ!」
それは食後の事。
今日は一日歩ききって疲れているのだけど……。私が居なければもっと早く移動出来るだろうに、何も出来ない足手纏いのまま甘えているのはどうも居心地が悪くていけない。
……彼らは良くしてくれるんだけどね。私の心情的にあまり良くないので、疲れてはいるけど取り敢えず彼の話を聞く事にした。
「それじゃ、まずは『陰陽師とは何か』から話すかの」
晴明はふふん、と得意満面に話し出す。
「陰陽師と言っても暦博士や陰陽頭といった役職もかつてはあったものじゃが。基本的には妖魔を倒す退治屋と、暦を作る学者、呪いや呪いを行ったり、はたまた防いだり、方違えや物忌みといった方策を貴族に授けるのも役目の一つじゃった」
うんうん、と頷きながらドヤ顔をする。……ちょっとムカッとするけど……今は我慢しておこう。
「本来陰陽道を網羅するなら十を少し過ぎた元服の頃より現役を退き隠居するまでひたすら学ぶものじゃ」
そして心底残念そうな顔をしてため息を吐く。
彼の本音としては、自分が得た知識を全て私に叩き込みたいのだろうけど、私的には最低限の知識で十分である。少なくとも暦の作り方だの読み方だのを覚えたいとは思わない。
「しかし今はそんな猶予が無いのは承知しておる。故に、戦う術に限っての修行をつけよう。……だが、それでも陰陽道の基礎はきっちり学び覚えて貰わにゃならん」
だからか、晴明は私を指差してまで大いに主張した。
「まずは陰と陽、それと五行についてを説明しようかの」
この世のあらゆる物は陰と陽に振り分けられる。
男が陽なら女は陰。太陽が陽なら月は陰。東が陽なら西が陰。……どころか、酸味が陽なら辛味が陰とか肝臓が陽なら腎臓が陰とか。
そして、それらは更に五行に当てはめられ分類される。
星、方位、季節、色、臓器に五感に……。
十二支にすらこの陰陽五行が関係している。
そして五行にはそれぞれ意味がある。
さらに各属性に創生やら相克やらと言う名の相性的な関係性もある。
「まずはこれを覚えねば話にならん」
と言われても、一度に説明されたってこんなの覚えきれるはずもない。
「無論、一つ一つ説明はする。じゃが、ワシにできるのは説明までじゃ。覚えるのはお前自身にしかできんのじゃからな」
と。その日から、化学記号や歴史の年号を覚えるのとどちらが面倒か。ついそんな事を思ってしまうくらいには面倒な作業に私は取り組まざるを得なくなった。
それは食後の事。
今日は一日歩ききって疲れているのだけど……。私が居なければもっと早く移動出来るだろうに、何も出来ない足手纏いのまま甘えているのはどうも居心地が悪くていけない。
……彼らは良くしてくれるんだけどね。私の心情的にあまり良くないので、疲れてはいるけど取り敢えず彼の話を聞く事にした。
「それじゃ、まずは『陰陽師とは何か』から話すかの」
晴明はふふん、と得意満面に話し出す。
「陰陽師と言っても暦博士や陰陽頭といった役職もかつてはあったものじゃが。基本的には妖魔を倒す退治屋と、暦を作る学者、呪いや呪いを行ったり、はたまた防いだり、方違えや物忌みといった方策を貴族に授けるのも役目の一つじゃった」
うんうん、と頷きながらドヤ顔をする。……ちょっとムカッとするけど……今は我慢しておこう。
「本来陰陽道を網羅するなら十を少し過ぎた元服の頃より現役を退き隠居するまでひたすら学ぶものじゃ」
そして心底残念そうな顔をしてため息を吐く。
彼の本音としては、自分が得た知識を全て私に叩き込みたいのだろうけど、私的には最低限の知識で十分である。少なくとも暦の作り方だの読み方だのを覚えたいとは思わない。
「しかし今はそんな猶予が無いのは承知しておる。故に、戦う術に限っての修行をつけよう。……だが、それでも陰陽道の基礎はきっちり学び覚えて貰わにゃならん」
だからか、晴明は私を指差してまで大いに主張した。
「まずは陰と陽、それと五行についてを説明しようかの」
この世のあらゆる物は陰と陽に振り分けられる。
男が陽なら女は陰。太陽が陽なら月は陰。東が陽なら西が陰。……どころか、酸味が陽なら辛味が陰とか肝臓が陽なら腎臓が陰とか。
そして、それらは更に五行に当てはめられ分類される。
星、方位、季節、色、臓器に五感に……。
十二支にすらこの陰陽五行が関係している。
そして五行にはそれぞれ意味がある。
さらに各属性に創生やら相克やらと言う名の相性的な関係性もある。
「まずはこれを覚えねば話にならん」
と言われても、一度に説明されたってこんなの覚えきれるはずもない。
「無論、一つ一つ説明はする。じゃが、ワシにできるのは説明までじゃ。覚えるのはお前自身にしかできんのじゃからな」
と。その日から、化学記号や歴史の年号を覚えるのとどちらが面倒か。ついそんな事を思ってしまうくらいには面倒な作業に私は取り組まざるを得なくなった。
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