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第二章 不穏の気配
弐話 行方不明?
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それは、いつものようにとある農村に立ち寄った時の事だった。
その日、私は華乃さんについて村人達から噂話を仕入れるお手伝いをしていたから、緋川兄妹や蒼月さんとは別行動だったから、事件が起きた瞬間には傍にすら居なかった。
「は? 優菜ちゃんが居なくなった!?」
だから、宿として提供された集会所に戻って始めてそれを知った私達は、あわてて草治さん達が往診に訪れた家へ向かった。
「草治さん、蒼月さん、優菜ちゃんは!」
「……見つからん。それと、ここの家の息子と、同年代の男が数人見当たらんそうだ」
それは、この家のお爺さんが具合が悪いと往診を受け、診察から薬の処方まで済ませて「さあ帰ろうか」という時の事だと言う。
優菜ちゃんが厠を貸して欲しいと一人離れたほんの数分。
「つまり、トイレに行った隙を狙われて男に連れ去られたって事?」
だとすると、男たちの目的なんてロクなもんじゃないのは容易に想像がつく。
……魔物とも戦えるんだから、その気になれば人間の男の一人や二人は優菜ちゃんなら簡単にどうにでもできる。けど、人目を気にする彼女にはそんな気にならないだろう事も簡単に予想出来る。
これは、時間との勝負だ。
だけど、今日ここに来たばかりの私達には土地勘が全く無く、逆にここが地元の連中には村中が庭みたいな物。
闇雲に探すんじゃラチがあかない。だけど……
「あの、息子さんが行きそうな所とか心当たりありませんか?」
尋ねて回るけど、返って来る反応は困った様な黙秘ばかり。……村人を診て回った程度の余所者と地元の庄屋の息子じゃ皆後者を庇う。
これは……あまり良くない傾向だ。
こういう時は元の世界の技術が恋しくなる。GPSでもあればすぐ見つかっただろうに……。
だけど無い物は無い。嘆いていても始まらないし、取り敢えず探さないと……。
でも何処を?
その時。何故か感覚が引っ張られるような不思議な感覚があった。……何故か、体内を巡る力が自分のこの体を離れた所にあるような。しかもそれと見えない糸か何かで繋がっていて、それに引っ張られている、そんな感覚。
「……あ、もしかして」
優菜ちゃん達が吸血鬼だと知ったあの日から、度々彼らに血を提供している。これまで蒼月さんと華乃さんが交互に提供していたようだけど、そのノルマが三交代制になった形で、そう言えば今朝血を提供したのは私だ。
そして私はいつも血の巡りを意識して霊力を体内に循環させている。……もしかしなくても、これは――。
「こっち、優菜ちゃんはこっちに居ます!」
それに思い当たった私は咄嗟に駆け出していた。
その日、私は華乃さんについて村人達から噂話を仕入れるお手伝いをしていたから、緋川兄妹や蒼月さんとは別行動だったから、事件が起きた瞬間には傍にすら居なかった。
「は? 優菜ちゃんが居なくなった!?」
だから、宿として提供された集会所に戻って始めてそれを知った私達は、あわてて草治さん達が往診に訪れた家へ向かった。
「草治さん、蒼月さん、優菜ちゃんは!」
「……見つからん。それと、ここの家の息子と、同年代の男が数人見当たらんそうだ」
それは、この家のお爺さんが具合が悪いと往診を受け、診察から薬の処方まで済ませて「さあ帰ろうか」という時の事だと言う。
優菜ちゃんが厠を貸して欲しいと一人離れたほんの数分。
「つまり、トイレに行った隙を狙われて男に連れ去られたって事?」
だとすると、男たちの目的なんてロクなもんじゃないのは容易に想像がつく。
……魔物とも戦えるんだから、その気になれば人間の男の一人や二人は優菜ちゃんなら簡単にどうにでもできる。けど、人目を気にする彼女にはそんな気にならないだろう事も簡単に予想出来る。
これは、時間との勝負だ。
だけど、今日ここに来たばかりの私達には土地勘が全く無く、逆にここが地元の連中には村中が庭みたいな物。
闇雲に探すんじゃラチがあかない。だけど……
「あの、息子さんが行きそうな所とか心当たりありませんか?」
尋ねて回るけど、返って来る反応は困った様な黙秘ばかり。……村人を診て回った程度の余所者と地元の庄屋の息子じゃ皆後者を庇う。
これは……あまり良くない傾向だ。
こういう時は元の世界の技術が恋しくなる。GPSでもあればすぐ見つかっただろうに……。
だけど無い物は無い。嘆いていても始まらないし、取り敢えず探さないと……。
でも何処を?
その時。何故か感覚が引っ張られるような不思議な感覚があった。……何故か、体内を巡る力が自分のこの体を離れた所にあるような。しかもそれと見えない糸か何かで繋がっていて、それに引っ張られている、そんな感覚。
「……あ、もしかして」
優菜ちゃん達が吸血鬼だと知ったあの日から、度々彼らに血を提供している。これまで蒼月さんと華乃さんが交互に提供していたようだけど、そのノルマが三交代制になった形で、そう言えば今朝血を提供したのは私だ。
そして私はいつも血の巡りを意識して霊力を体内に循環させている。……もしかしなくても、これは――。
「こっち、優菜ちゃんはこっちに居ます!」
それに思い当たった私は咄嗟に駆け出していた。
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