師匠はうっかり転生しちゃった伝説の陰陽師!

彩世幻夜

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第二章 都に来た理由は

肆話 住民登録

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    街の中からでもよく見えた城の天守閣。
    ……だけどあれは基本的には見映えのためと、戦の際の守りの為であるらしく、実際の宮中はその足元にいくつもの建物が建ち並んでいた。
    「……これが王城ですか」
    その建物群の一番端の建物は、城を囲む壁の外に造られていた。
    中に入るとそこはまるで銀行の窓口の様だ。
    各窓口毎に担当業務が書かれており、その窓口の整理番号を貰って待つ仕様も銀行の様だ。
    ……だけど。
    窓口に書かれた文字は読める。だけど、それだけではどの窓口へ行って良いのか分からない。
    流石に農産とか国土とか交通なんかの窓口は関係ないのは分かるけどね?
    しかし、草治は勝手知ったるとばかりにすたすたとある窓口へとまっすぐ向かい、番号札を手にした。
    その窓口に書かれていたのは「戸籍課」。
    待つ事三十分程。……これが長いのか短いのか、この世界の基準は分からないけど、暇潰し無しに三十分も待つのは結構キツかった。
    番号を呼ばれ、窓口へ行く。
    「ご用件をお伺いいたします」
    ちらりと窓口の職員が草治の容姿を見て丁寧な口調で応対する。
    「戸籍法第三十七条における特筆事項案件だ。応対を頼む」
    「……!    か、畏まりました。お席で少々お待ち下さい!」
    職員が慌てて裏へと引っ込んで行った。
    待つ事しばし。
    今度はほんの数分で窓口の職員が上司のような人を連れて戻ってきた。
    「――どうぞこちらへ。部屋を用意してございます」
    と、幾つか用意されている個室の扉を開いた。
    中へ入ると、そこは装飾こそそれなりに豪華だけれど、簡易な机と椅子が並べられた小さな会議室の様な部屋だった。
    「……それで、迷い人はどなたで?」
    「――私です」
    「では、幾つか質問にお答え下さい」
     紙とペンとを用意し、質問に私が答える度に何かをメモっていく。
     名前・年齢・性別に始まり、元の世界の概要や身分、教養、他にも色々。
    途中、草治に助けて貰いつつも何とか質問に答えていく。……正直喋りすぎで飲み物が欲しいと思ってしまうくらいだった。
   「――了解しました。取り敢えず彼女は貴殿方が保護するという事で構いませんか?」
   「ああ。特に問題もあるまい?」
   「……まぁ、そうですね。――では、登録して参りますのでもう少々お待ち下さい」
    うん。まぁお役所仕事なんて何処でも時間かかるんだよね。これも、世界を越えてさえ覆せないセオリーだったらしい。
    また三十分位待たされて、ようやく私の住民登録が完了した。
    「……寄合所に寄るくらいの時間はありそうだが――その前に」
    「うん、何か飲んでから行こ!    喉乾いちゃった!」
    「――そうですね」
    これで、私はこの世界の住人となったんだ。
    出身から言えば私は異世界人だけど、同時にこの世界の住人でもある。
    「これから、よろしくお願いします」
     だから、私は彼らに改めて頭を下げるのであった。
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