イロトリドリ

宝。

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かくれんぼ

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いーち

にーい

さーん

しーい

ごーお

ろーく

なーな

はーち

きゅーう

じゅう!

もーいーかーい

まーだだよー

もーいーかーい

まーだだよー

もーいーかーい

もーいーよー

その言葉を聞いた鬼は、勢いよく走り出す。何をしているかはもうお気づきだろう。子供たちの外遊びの代表格として、鬼ごっこやおままごとと並ぶ、知らない者はいないほど有名な遊び『かくれんぼ』
きっと誰しも一度はやったことがあるだろう。

鬼が走り出し、人が隠れられそうな場所を見つけては確認していく

結果ーーー

「あ~あ、見つかっちゃった~」
「これで残りは2人だね!」
「よぉ~し!絶対見つける!」
鬼は残りの2人を見つける為に張り切るが……


「あとどれくらいかな」
「時間?それとも人数?」
「どっちもー」
「そうだな……意外と俺らだけとか?」
「そうだったら凄いよねー」
「そだね」
「……もうちょいそっち寄れない?」
「えぇー狭いよー」
「俺だって狭いし、そっちが後から」
「それ言っちゃうかなー」
少年の方はすぐにこの場所に隠れたが、少女はギリギリまで隠れ場所を探し、見つけたのが男の隠れている場所だった。

少女は隠れないで見つかるのは嫌だとお願いした
というのは表向きの理由で、実際は時間ギリギリを狙い、男が仕方なく受け入れるようにしたのだ。

少年は仕方なく受け入れた
というのは表向きで、実際は願ったり叶ったりだった。むしろそれを期待して、2人が入れる隠れ場所に隠れたのだから。

(……肩当たってる)
(もどかしいのに、落ち着く)
(このまま)
(ずっと)
((2人で入れたらいいのに))

タッタッタッ
((!))

「こっち来た」
「うん」
『あれ~?おっかしーなー見つかんねぇ』
「はやくむこう行け……」
「バレませんように……」
『もっかい向こう探すか……』
「……よし」
「……よし」

それからしばらく経って

「……もうちょいそっち行けって」
「嬉しいクセにー」
「……別に嬉しくねぇよ」
「そう……わたしは嬉しいよ?」
「は?」
「こうやって2人でいるの」
「……いきなりなんだよ」
「いきなりじゃないよ……ずっと思ってた」
「ずっと2人でいれたらいいのにって」
「だから今2人っきりでいられるの、とっても嬉しい」
「・・・」
「……俺も」
「え?」
「俺も思ってた」
「ずっとお前と一緒にいたいって」
「気持ち悪いかもしれないけど、ホントだから」
「……気持ち悪くなんかないよ」
「だって、わたしも同じだもん」
「……そっか」
「うん。そうだ」

それから約一時間後、心配した大人達も一緒に探すと、寄り添って寝息をたてる2人が見つかった
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