上 下
17 / 80

17

しおりを挟む
兄の名前は佐藤明
兄弟というだけあって似ている。違うのは茶髪なのと手足が長いこと。モデル体型というやつだ。俺は170センチ以下だというのに納得いかない。そんな人を俺は兄さんと呼んでいたらしい。
昔から仲が良くどこに行くにも一緒だったと母さんは嬉しそうに話していた。

何故ストーカーの事を知っているのか
仲がいいと言っていたから俺自身が言ったのかもしれない。

「翔ー何してるんだよ。こっちこい」

「…何…え…」

赤ん坊を俺に渡してくる
赤ん坊の抱き方なんてわかるはずもなくオドオドしてしまう。

「何やってんだよ…もう抱っこの仕方忘れたのか」

呆れながらも丁寧に教えてくれた。
初めての体験だ。

「…かわいい」

俺を見て笑う赤ん坊はとても可愛く愛おしかった。

赤ん坊に癒されていて忘れそうになったが兄の意味深なセリフが気になる。
兄はどこまで知っているんだろうか?

「忘れてたわ。」

突然立ち上がりそう言う母さんは冷蔵庫を見に行った。
冷蔵庫を開けて何かを探している。数秒後

「やっぱり牛乳買い忘れたわ」

「牛乳なら明日買いに行けばいいんじゃない?」

「毎朝飲むのが日課なのよ。モーニングルーティンってやつよ。…今から買ってくるわ」

母さんは財布とエコバッグを持って玄関に向かう。

「俺が買ってくるよ」

兄がそう言うと俺の肩を掴み

「翔と一緒に…行くよな??」


圧が凄すぎて頷くことしか出来なかった。


10分ほどでスーパーにつく道のりが果てしなく
長い道のりに感じた。
沈黙が続き、先に声を発したのは俺の方だった。

「…何で知ってるんですか」

「急に敬語かよ…何のこと??」

「ストーカーしてたこと」

「何でって…あの部屋見たらわかるでしょ
母さんは知らないから安心しな」

自室とは言え1人で暮らしている訳ではないのに隠しもせず壁中に写真
見つからないわけがないよな

「今も双子くん好きな訳??」

「いや…特に」

「そう…」

それから一言も話さずスーパーにたどり着いた。
牛乳を買って帰る時も無言
仲良い兄弟とは思えなかった。

俺はこの空気にも耐えられ無かったし
如月兄弟と会ってしまうのではないかと不安があり焦っていた。

「何かあったのか?」

「え?」

「早く家に帰りたそうだし、学校に行きたくないとも言っていたし。もしかしてあの双子関係??」

全てお見通しなのか。
俺を見る目が怖く感じる。笑いかけてくれているのに何故怖いと思うのか
本当に仲がいい兄弟だったのか?

「えーと…」
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

立体工作

BL / 連載中 24h.ポイント:120pt お気に入り:137

男ふたなりの男子小学生の○○を見た結果……

BL / 完結 24h.ポイント:418pt お気に入り:17

死が見える…

ホラー / 完結 24h.ポイント:1,874pt お気に入り:2

ラブ×リープ×ループ!

青春 / 完結 24h.ポイント:113pt お気に入り:15

自衛隊のロボット乗りは大変です。~頑張れ若年陸曹~

SF / 完結 24h.ポイント:319pt お気に入り:76

セックスがしたくてしょうがない攻めVSそんな気分じゃない受け

BL / 完結 24h.ポイント:6,137pt お気に入り:9

ポチは今日から社長秘書です

BL / 連載中 24h.ポイント:305pt お気に入り:631

処理中です...