【外伝・完結】神獣の花嫁〜いざよいの契り〜

一茅苑呼

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❖ 弐 ❖

夢 現 ──ゆめうつつ──《四》

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ならば先に、と、可依は尊臣の眼をにらむように見上げた。

「悔いるような決断など、致しませぬ」

「そう来るか。……気に入った」

ふっと笑った涼しげな眼が、半ば伏せられる。

崩れ落ちそうになっていた自らの背に、すかさず回された腕に抱き寄せられ、はっとした時にはもう、唇を奪われていた。

「名は?」

「……可依、と……」

慣れないくちづけの合間に問われた、自身の名。

あえぎながら返すと、吐息ごとのみこまれ、乱される、衣。

初めて触れられる男の手に、緊張とは違う心地よさに、震えが走る。

柔肌を徐々に暴いていく尊臣の唇と舌先の愛撫に、押し殺す嬌声きょうせい

「可依」と、笑い含みに耳もとでささやかれた。

「俺とのことを悔いるつもりがないと本気でいうのなら、声ぐらい聞かせろ。
……それとも」

するり、と、尊臣の手が可依の大腿だいたいをなであげ、両ひざを持ち上げた。

「声を我慢できなくなるくらい、俺に鳴かせて欲しいということか? 可依」

言うなり、うずき始めていた下腹部を露出され、恥ずかしい姿勢をとらされる。

「尊臣様っ……あ、んんっ……」

開かれた秘め処に伏せられる顔。
いやらしく音を立てられ、なめ吸われ、あられもなく上がる息遣い。

悲鳴のような声がのどをつき、尊臣の指先と舌先が与える快楽に、身体を支配された。
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