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第二章 拾
しおりを挟む全員は鳥居を潜り石段を上がって行く。
江古田とアキナは、流石に参道の登りで体力を使ったのか少し息切れをしている。
三十段ほどの石段を上がって行く。
石段を上がり終え、境内に入った。
境内は思いのほか広く地面は砂利が敷かれているが、所々に茶色の土が剥き出しになり雑草が点々と生えていた。
境内の奥には、そんなに大きくない本殿らしき建物が建っていて、周りは木々に囲まれていた。
「ここか······ここが邪眼の巫女が住まう神社か······」
黒木が、境内を進み一眼レフカメラを構えている。
江古田や杉村もハンディカムカメラで辺りを撮影しながら砂利と土の上を歩いていた。
「うひゃあ、何だかワクワクするね」
とユキが興奮している。
まだ明るいせいか、境内や古いであろう本殿が、そんなに不気味に見えない、と言うより逆に神聖に感じる。
父親はここに来て除霊をした。何かを感じ取っていたのだろうか、と美咲はデニムパンツのポケットに手を入れて、少し短い数珠を取り出して数珠を握り境内を見渡す。
数珠が入っていたポケットには紫色の御守りが入っていた。
美咲はユキと一緒に境内を歩き、オカルト研究会のメンバーは、各自自由に辺りを調べている。
江古田がカメラで撮影しながら森山と本殿の裏へと回る。
黒木は本殿を調べていた。
扉には、錆び付いている鍵が掛かっている。
黒木は、扉の隙間から本殿内を覗く、広さは畳の六畳間ほどだろうか。
中には御札が数枚落ちている位だった。他には何も無いが、黒木が写真を撮っている。
今の所、変わった事は起きていない。
美咲は、不安に思っていたのは思い過ごしかと考え始めていたが、どうしても心の中で危険な信号が発せられている。
黒木が、江古田と森山が回った本殿の裏へと向う。
だが、江古田と森山の姿がなかった。
黒木が片手で髪を掻き上げ、本殿の裏から表へと向う。
黒木が境内を見渡すが、江古田と森山がいない。
二人の携帯電話に掛けようとしたが、圏外だった。
黒木は境内の真ん中辺りに向うと、
「皆んな! 集まってくれたまえ!」
と声を発する。
美咲とユキにアキナと杉村が、黒木の元へと集まる。
「あれ、江古田と杉村は?」
杉村が辺りを見渡す。
黒木が、
「いないのだ。本殿の裏に行ったのは見たんだが······二人共いない。携帯電話は圏外だ」
「いないってどう言う事?」
アキナが黒木に聞く。
杉村が、
「小便じゃないか? それとも少し木々の奥に行って撮影してるとか?」
「いや、だが······」
黒木は、顎に片手を当て本殿の方を見ている。
美咲が、嫌な感じを覚え始めていた。
境内の雰囲気が、さっきまでとは違って見える。
何とも言えない不気味な感じに満ち始めている様だった。
その時だった、夕暮れの明かりを受けている本殿が、ガタガタと音を出し、軋みながら震え始めた。
「な、何? 地震?」
ユキが、本殿が震えているのを地震が原因かと思ったが。
「いや、ち、違うわ。周りの木も地面も揺れていない」
アキナが冷静に周りを見て言う。
「こ、これは······諸君、皆んなお互いに離れるな! 何か奇妙だ!」
黒木が言うと、皆んなが離れずに集まる。
黒木、杉村、アキナ、ユキ、そして美咲は、ガタガタと音を出して震えている本殿を見ていた。
すると、本殿の震えが止まり、鍵が掛かっている筈の本殿の扉が、ギギ······ギギ······と音をたてて開き始める。
「何故だ! 扉が自然に開いて行く······扉には鍵が掛かっていた筈だ!」
黒木が驚いている。
扉が開き、薄暗い本殿の中から、ここの神社の主であろう者が姿を現す。
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