悪役令嬢は神獣学園に入学しました

世話役編

入学式

「これより入学式を始めます。」



副校長先生の厳かな一言で騒がしかった第一体育館はシンと静かになった。



「新入生入場。」



在校生が拍手を始めるとユッタリとした子守唄のような歌が流れた。



第一体育館の外では緊張でガチガチに固まった平民の子と深呼吸をしている貴族令嬢、貴族子息がいた。



リアはというと。頭の良さそうな集団の一番前にいた。



特待生１組から順に入場している。



新入生全員が椅子に座ると副校長先生が前に出てきた。



「プログラム一番。お祝いの言葉。校長先生お願いします。」



校長先生が壇上に上がり第一体育館全体を見る。




「桜の花が咲きあたたかい季節になりました。このような時に新入生250名を無事迎えることができて大変うれしく思います。この学園は校則などいろいろな面で厳しい学校です。生徒会長、生徒会副会長、書記、会計を中心にこの学園は動いています。特待生と普通生では習うレベルが違います。しかし実習はすべてのクラスで平等な時間になるようにしています。私の次に生徒会長が挨拶します。我が校自慢の天才生徒です。これで校長の挨拶とさせていただきます。」



校長は壇上で一礼して教師席に座った。



副校長先生が前に出てきた。



「プログラム二番。生徒代表挨拶。生徒会長ハル様。お願いします。」



神獣学園初等部生徒会長ハル。



歴代のどの生徒会長よりも厳しくて頭もいい。



壇上に上がり一礼したハルは型通りの挨拶を述べた。



「桜の花が咲きあたたかい季節になりました。このような時に新入生250名を無事迎えることができて大変うれしく思います。我が校は毎年恒例の百人一首大会。そして、読書大会。など豊富な行事に溢れています。この学園で飼われている動物は我々生徒が世話をします。怪我をしないように十分気をつけてください。これで生徒代表の挨拶とさせていただきます。」



ハルが一礼して壇上から降りた。



在校生の席に座った。



「新入生退場。」



なんとも簡素な入学式だった。



新入生が全員第一体育館を出て、教室に戻ると静かだった第一体育館が話し声に包まれた。