【完結】無能と称され婚約破棄された精霊の愛し子は国を見切ります

ルー

文字の大きさ
21 / 37

ユリア・シェーラ sideシオン

一目ぼれだった。

仮にも一国の皇太子が一目ぼれとは少し・・・いやかなり危険な気がするが本当に一目ぼれだった。

死の森で初めて会った時も、なんて清廉で美しく、優しい人なのだろうかと思った。

しかしヴィ―ルヘミア王国出身だと聞いた時にはドキリとした。

その時私がいた所は死の森と言えどヴィ―ルヘミア王国の領土だった。

不法侵入として訴えられ、国に迷惑をかけることになると思った。

けれどユリアはそんなことは気にもせず私の怪我を治してくれた。

シェーラ侯爵家と聞いた時から彼女がどんな存在なのかは気づいていた。

でも、噂とはあまりにもかけ離れていた。

だから最初は信じられなかった。

私の怪我を治してくれたのも治癒の魔法かと思っていた。

でも、違った。

ユリアは軍の駐屯地にいる怪我人達を全員まとめて治してしまったのだ。

普通、治癒の魔法は単体にのみ発動する。

まとめて2人、3人だなんてことはできないはずだった。

その時気づいた。

これは治癒の魔法なんかじゃない。

精霊術だと。

精霊術での治癒術は一度に大量の怪我を治せることから神の奇跡と呼ばれている。

これを使うことができるのは精霊神ティターニア様に愛された精霊の愛し子だけ。

独学で治癒術を身に着けることは不可能に近い。

もし身につけられたとしても治癒術の行使には大きな犠牲が必要だ。

大きな力を使うためには大きな犠牲がつきものというわけだ。

しかし精霊の愛し子は違う。

精霊神ティターニア様に愛されているが故に治癒術を行使してもなんの犠牲も払わなくていい。

総帥の協力者から報告書を渡された。

これと同じものをユリアと総帥にも渡しているそうだ。

宰相が国王を弑逆・・・か。

あの賢い宰相のことだから何かしら国王派、第二王子派に打撃を与えることをするだろうとは思っていたがまさか弑逆とは・・・。

それほど恨んでいたのか・・・それとも・・・。

まあ、これは私の考えることじゃない。

それにしてもこの報告書・・・総帥に渡したものとは少々違くないかな?

さっき総帥が来たけれど枚数が違ったんだけど。

私が10枚、総帥が12枚。

じゃあユリアの報告書は何枚なんだろうね。

総帥が見せてくれた。

私の所に来ていない報告書を。

いやぁ、これもまた面白い・・・いや興味深い話だね。

ユリアがいなくなった後に精霊の愛し子となったリリア・ミーナ男爵令嬢は精霊の愛し子と同等の力を持っている・・・か。

大勢の怪我人を一回の治癒術の行使で治したと・・・。

同じ時代に2人の精霊の愛し子がいることは前例がない。

というよりもまずありえない。

そういえば禁術で一時的に魔法又は精霊術を奪う呪術があったな。

少々怪しい。

少し調べてみるか。

しかしもし禁術を使ったのだとしたらどれほど精霊の愛し子の座を望んでいたのだろうか?

精霊神ティターニア様どころか創世神マネフィス様も怒りそうなものだけど。

でももし禁術だったら創世神マネフィス様の愛し子である総帥にその話が行っていてもおかしくないかな。

ユリアとのお茶会が終わったら少し聞いてみようかな。

ああ、そろそろクリムゾン大公家につく。

それにしてもここの庭園はなんでこんなに美しいんだろう。

季節に関係なく花が咲いている。

まるでここだけ時が止まっているかのよう。

まあ、、何かの勘違いだろう。

私も相当疲れているな。

時を止めることができるのは時の神ミヴェナ様だけだから。

「先日ぶりですね、皇太子殿下。本日はようこそお越しくださいました。」

出迎えてくれたのはユリア本人だった。

「こちらです。」

案内してくれるユリアの後ろ姿は何よりも綺麗だった。





――――――――――――――――
ずっと更新できなくてすみませんでした(-_-;)汗
勉強と部活が忙しくてこのパソコンを開くことすらできませんでした。
今日は少し短いですがシオン視点で書きました。
昨日から夏休みですがその分部活に勉強も忙しくなりそうなので更新は1日1度はかなり厳しくなってくると思います。
パソコンからではなくスマホからの更新も考えています。
パソコン触る時間よりもスマホ触っている時間の方が長いので・・・。
また、更新の時間は21時ではなくなりそうです。
書きあがり次第更新していきます。
完結までよろしくお願いします。

短編じゃなくて長編になりそうな予感が・・・。





感想 2

あなたにおすすめの小説

殿下は婚約破棄した私を“横領犯”として追放しましたが、私が“王国の財布”だとご存じなかったのですか?

なかすあき
恋愛
王太子の婚約者であるレティシアは、愛ではなく“王国の財布”に選ばれた内政官だった。 干ばつ救済基金を管理し、徴税と支出の流れを整え、国が崩れないように回してきたはずなのに。 舞踏会の夜。 聖女セシルの涙と王太子の言葉が、レティシアを一瞬で“横領犯”に仕立て上げる。 反論しても届かない。空気が判決を下す場所で、レティシアは追放された。 落とされた先は、干ばつに喘ぐ辺境。 水のない井戸、荒れた配給所、怒りの列。 レティシアは泣く代わりに、配給と水路と記録を整えた。奇跡ではなく、段取りで。 やがて王都は、レティシアがいなくなった穴から静かに壊れ始める。 支払いは止まり、責任は溶け、聖女の“物語”だけが空回りする。 呼び戻しの使者が来ても、レティシアは従わない。戻る条件はひとつ。 ――公開監査。 記録水晶が映し出すのは、涙では隠せない日付と署名、そして“誰が何を決めたか”という事実。 この逃げ場のない復讐劇の先に残るのは、王都の再起ではなく、辺境の明日だった。 これは、道具として捨てられた内政官が、二度と道具に戻らず、“責任を固定する”ことで国を救い、自分の居場所を選び直す物語。

婚約破棄までの168時間 悪役令嬢は断罪を回避したいだけなのに、無関心王子が突然溺愛してきて困惑しています

みゅー
恋愛
アレクサンドラ・デュカス公爵令嬢は舞踏会で、ある男爵令嬢から突然『悪役令嬢』として断罪されてしまう。 そして身に覚えのない罪を着せられ、婚約者である王太子殿下には婚約の破棄を言い渡された。 それでもアレクサンドラは、いつか無実を証明できる日が来ると信じて屈辱に耐えていた。 だが、無情にもそれを証明するまもなく男爵令嬢の手にかかり最悪の最期を迎えることになった。 ところが目覚めると自室のベッドの上におり、断罪されたはずの舞踏会から1週間前に戻っていた。 アレクサンドラにとって断罪される日まではたったの一週間しか残されていない。   こうして、その一週間でアレクサンドラは自身の身の潔白を証明するため奮闘することになるのだが……。 甘めな話になるのは20話以降です。

魔の森に捨てられた伯爵令嬢は、幸福になって復讐を果たす

三谷朱花*Q−73@文フリ東京5/4
恋愛
 ルーナ・メソフィスは、あの冷たく悲しい日のことを忘れはしない。  ルーナの信じてきた世界そのものが否定された日。  伯爵令嬢としての身分も、温かい我が家も奪われた。そして信じていた人たちも、それが幻想だったのだと知った。  そして、告げられた両親の死の真相。  家督を継ぐために父の異母弟である叔父が、両親の死に関わっていた。そして、メソフィス家の財産を独占するために、ルーナの存在を不要とした。    絶望しかなかった。  涙すら出なかった。人間は本当の絶望の前では涙がでないのだとルーナは初めて知った。  雪が積もる冷たい森の中で、この命が果ててしまった方がよほど幸福だとすら感じていた。  そもそも魔の森と呼ばれ恐れられている森だ。誰の助けも期待はできないし、ここに放置した人間たちは、見たこともない魔獣にルーナが食い殺されるのを期待していた。  ルーナは死を待つしか他になかった。  途切れそうになる意識の中で、ルーナは温かい温もりに包まれた夢を見ていた。  そして、ルーナがその温もりを感じた日。  ルーナ・メソフィス伯爵令嬢は亡くなったと公式に発表された。

今まで尽してきた私に、妾になれと言うんですか…?

水垣するめ
恋愛
主人公伯爵家のメアリー・キングスレーは公爵家長男のロビン・ウィンターと婚約していた。 メアリーは幼い頃から公爵のロビンと釣り合うように厳しい教育を受けていた。 そして学園に通い始めてからもロビンのために、生徒会の仕事を請け負い、尽していた。 しかしある日突然、ロビンは平民の女性を連れてきて「彼女を正妻にする!」と宣言した。 そしえメアリーには「お前は妾にする」と言ってきて…。 メアリーはロビンに失望し、婚約破棄をする。 婚約破棄は面子に関わるとロビンは引き留めようとしたが、メアリーは婚約破棄を押し通す。 そしてその後、ロビンのメアリーに対する仕打ちを知った王子や、周囲の貴族はロビンを責め始める…。 ※小説家になろうでも掲載しています。

【完結】ブスと呼ばれるひっつめ髪の眼鏡令嬢は婚約破棄を望みます。

はゆりか
恋愛
幼き頃から決まった婚約者に言われた事を素直に従い、ひっつめ髪に顔が半分隠れた瓶底丸眼鏡を常に着けたアリーネ。 周りからは「ブス」と言われ、外見を笑われ、美しい婚約者とは並んで歩くのも忌わしいと言われていた。 婚約者のバロックはそれはもう見目の美しい青年。 ただ、美しいのはその見た目だけ。 心の汚い婚約者様にこの世の厳しさを教えてあげましょう。 本来の私の姿で…… 前編、中編、後編の短編です。

酔っぱらい令嬢の英雄譚 ~チョコレートを食べていたら、いつの間にか第三王子を救っていたようです!~

ゆずこしょう
恋愛
婚約者と共に参加するはずだった、 夜会当日── 婚約者は「馬車の予約ができなかった」という理由で、 迎えに来ることはなかった。 そして王宮で彼女が目にしたのは、 婚約者と、見知らぬ女性が寄り添う姿。 領地存続のために婿が必要だったエヴァンジェリンは、 感情に流されることもなく、 淡々と婚約破棄の算段を立て始める。 目の前にあった美味しいチョコレートをつまみながら、 頭の中で、今後の算段を考えていると 別の修羅場が始まって──!? その夜、ほんの少しお酒を口にしたことで、 エヴァンジェリンの評価と人生は、 思いもよらぬ方向へ転がり始める── 2月11日 第一章完結 2月15日 第二章スタート予定

宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました

悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。 クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。 婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。 そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。 そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯ 王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。 シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯

妹の方がかわいいからと婚約破棄されましたが、あとで後悔しても知りませんよ?

志鷹 志紀
恋愛
「すまない、キミのことを愛することができなくなった」  第二王子は私を謁見の間に連れてきて、そう告げた。 「つまり、婚約破棄ということですね。一応、理由を聞いてもよろしいですか?」 「キミの妹こそが、僕の運命の相手だったんだよ」 「そうですわ、お姉様」  王子は私の妹を抱き、嫌な笑みを浮かべている。 「ええ、私は構いませんけれど……あとで後悔しても知りませんよ?」  私だけが知っている妹の秘密。  それを知らずに、妹に恋をするなんて……愚かな人ですね。