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国王と失敗した王妃の企み
後半から王妃(カサンドラ)視点です。
―――――――――――――――――――――――
「側妃殿下、もしかしたら何か薬を飲まされた可能性があります。」
シオンは側妃をみてそういった。
「そんな、まさか・・・。」
側妃は絶句する。
けれど嘘だとは言えなかった。
それほどサイラスの様子はおかしかった。
「第一王子殿下のおなりです。」
声が響き渡り、王族専用の扉から第一王子ルーセルが姿をあらわす。
ニコニコと人受けのする笑みを浮かべながら、彼は主役の席についた。
「最悪な時に来たね。」
シオンがつぶやく。
ルーセルは会場にサイラスがいることに気づくと一瞬顔を顰めた。
そしてすぐに立ち上がると言った。
「皆の者、今日は私の帰還パーティーに参加してくれたこと嬉しく思う。今日は私の愚弟を参加しているので仲良くしてやって欲しい。」
その言葉に貴族たちは戸惑う。
そして、どこからか神殿の神官の服装をした男性が現れ、言った。
「これより戴冠式を始めさせていただきます。」
その時ルーセルに1人の侍従が近づいた。
「殿下、パーティー後にラピスラズリ大帝国の方々がサイラス殿下とリリア嬢そして、側妃殿下も含めて話し合いたいと仰せです。」
「了解の意を送っておいてくれるかな?」
「かしこまりました。」
侍従はその場を離れ、会場から出ていく。
「時期国王はルーセル第一王子殿下に決まったことをお伝えします。」
神官は朗々とした声で言う。
「それではルーセル殿下、こちらへ。」
神官は広間の中央に豪華な王冠をもって立っている。
ルーセルは神官のもとに近づいた。
そして、神官の前で立ち止まる。
「貴方は己の力でこの国をよりよく導くことを誓いますか?」
「はい。」
ルーセルが返事をすると、神官は王冠をそっとルーセルの頭の上にのせた。
「新国王ルーセル陛下万歳!」
貴族たちは声をあげて祝う。
「は?」
それをサイラスは茫然と見ていた。
「兄上は国王?それいぜんになんで兄上がここに?」
留学してたんじゃなかったのか?、とサイラスはつぶやく。
「本当に何も覚えていないの?」
側妃は不安そうにサイラスを見つめた。
カサンドラ(王妃)side
薬が盗まれた。
お父様が苦労してやっと買ってきた契約の薬が盗まれた。
なくなったことに気づいたのは帰還パーティーの前日の夜。
1人部屋で計画を確認していて、最後に薬の確認もしようと思って私の魔力登録がされている金庫を開いて・・・驚いた。
ないのだ。
あれほど厳重に隠していた薬が跡形もなく消えていた。
「嘘でしょう・・・。」
このままでは計画は頓挫する。
薬はきっと盗まれたに違いないと私は考えた。
薬を盗んだ犯人はこの薬について調べるはず。
そしたら私があの子を操ろうとしていることがばれてしまう。
焦りに焦った。
何年もかけてたててきた計画が・・・時間が無駄になるなんて考えたくもなかった。
それ以上にこの後のことが怖かった。
薬について調べられたら私は終わりだ。
あの子はどういう判断を私に下すのかしら・・・。
明日が怖い。
帰還パーティーの最中に暴露されたらたまったものじゃない。
怖くて怖くてその日は全く眠れなかった。
けれど予想に反して帰還パーティーで私の悪事が暴露されることはなかった。
でも、後日、私は国王となったあの子のところに母上の今後について話したいと呼ばれた。
一瞬ドキリとした。
まさかあの子に限ってそんなことしないよねとドキドキしながら部屋に行くと・・・そこには宰相にと国王の側近、そしてラピスラズリ大帝国軍の総帥ハル・クリムゾンがいたのだ。
そしてテーブルの上には見覚えのある薬瓶が置いてあった。
薄いピンク色の液体・・・量は少し減っている。
ああ、どんな薬か調べられたのか・・・よりによってこの子が・・・。
私は絶望した。
冷たいルーセルの瞳・・・疑いを向ける宰相と側近たちの瞳・・・すべてが私に向けられていた。
その時気づいた・・・あれ、お父様は?
「母上、おじい様は既に爵位剥奪の上地下牢に入っていますよ。」
そんな私の心の内を見抜いたかのようにルーセルは言った。
「認めますか?母上。貴女がこの薬を使って私を操ろうとしたこと。」
ルーセルは薬瓶を私の前で軽く揺らす。
もう認める他ない。
あのラピスラズリ大帝国最強と恐れられる総帥まで私を睨んでいる。
「・・・はい。」
私はうなずいた。
「じゃあ、この薬に禁止薬物が入っていたことも知っていたんですね?」
ルーセルは衝撃的なことを言った。
禁止薬物?
なによそれ。
そんなもの入っているだなんて知らなかったわ。
そんな、禁止薬物が入っているって知っていたら絶対に買わなかった。、
そんな計画たてなかった。
「知らないわ!そんな、禁止薬物が入っているだなんて。知ってたら絶対に買わなかったわ。」
私の言葉にルーセルは一枚の紙を私の前に置いた。
「薬の成分表ですよ。」
そこには確かに禁止薬物の名前がのっていた。
うそ・・・うそよそんな。
私・・・どうなっちゃうの?
「総帥閣下。この者はこちらで処分してもよろしいですか?」
ルーセルの言葉に私は思わず顔をあげた。
処分?
処分?
な、なによ処分って。
物を処分するみたいに言わないで。
私は人間よ!
物じゃ・・・ない。
「こちらとしては許せない行為ですね。一歩間違えればこちらが手引きしたと疑われかねない行為をしたのですから。ですが、そちらが適切な判断を下すと言うのであればあとは任せます。」
総帥は私を侮蔑するように見ていた。
そんな目で見ないで。
私はそんな卑しい人じゃない。
私は・・・。
その言葉の中には私と関わりたくないという総帥の感情がこもっていた。
「わかりました。では元王妃はこちらで適切に処分させていただきます。」
連れていけ、とルーセルが言って、私は騎士に引きずられるように地下牢にやってきた。
「お、お父様・・・。」
そこにはお父様が一人寂し気にうずくまっていた。
私の言葉にお父様は顔をあげる。
「カサンドラ!貴様、何故失敗した!あともう少しだっただろう!?」
お父様は私を罵倒した。
反省の色一つないお父様に騎士が言い放つ。
「反省の色一つない方には少々痛い目を見てもらわなくてはいけませんね。陛下に要報告案件ですね。」
騎士は私をお父様の隣の牢屋にいれた。
許してと叫ぶ気力すらなかった。
「ごめんなさい。」
ただ私は騎士にそれしか言うことができなかった。
騎士はかすかに驚いたような表情をした後すぐに去って行った。
隣のお父様がすごくうるさい。
うるさくてうるさくてたまらない。
そんなある日、ルーセルがやってきて私たちに告げた。
「元公爵は反省の色一つないので死刑、元王妃は反省しているようなので情状酌量の余地ありとみなし離宮で死ぬまで幽閉かこの30年の記憶を全部消したうえで市井で暮らすか・・・どちらか好きな方を選べ。」
迷わなかった。
私は一生この罪を背負って生きていかなくてはならない。
忘れてはいけない。
忘れて生きていくだなんて許されない。
だから私は・・・。
―――――――――――――――――――――――――――
更新が遅くなりすみません。
明日も遅い時間帯になりそうです。
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「側妃殿下、もしかしたら何か薬を飲まされた可能性があります。」
シオンは側妃をみてそういった。
「そんな、まさか・・・。」
側妃は絶句する。
けれど嘘だとは言えなかった。
それほどサイラスの様子はおかしかった。
「第一王子殿下のおなりです。」
声が響き渡り、王族専用の扉から第一王子ルーセルが姿をあらわす。
ニコニコと人受けのする笑みを浮かべながら、彼は主役の席についた。
「最悪な時に来たね。」
シオンがつぶやく。
ルーセルは会場にサイラスがいることに気づくと一瞬顔を顰めた。
そしてすぐに立ち上がると言った。
「皆の者、今日は私の帰還パーティーに参加してくれたこと嬉しく思う。今日は私の愚弟を参加しているので仲良くしてやって欲しい。」
その言葉に貴族たちは戸惑う。
そして、どこからか神殿の神官の服装をした男性が現れ、言った。
「これより戴冠式を始めさせていただきます。」
その時ルーセルに1人の侍従が近づいた。
「殿下、パーティー後にラピスラズリ大帝国の方々がサイラス殿下とリリア嬢そして、側妃殿下も含めて話し合いたいと仰せです。」
「了解の意を送っておいてくれるかな?」
「かしこまりました。」
侍従はその場を離れ、会場から出ていく。
「時期国王はルーセル第一王子殿下に決まったことをお伝えします。」
神官は朗々とした声で言う。
「それではルーセル殿下、こちらへ。」
神官は広間の中央に豪華な王冠をもって立っている。
ルーセルは神官のもとに近づいた。
そして、神官の前で立ち止まる。
「貴方は己の力でこの国をよりよく導くことを誓いますか?」
「はい。」
ルーセルが返事をすると、神官は王冠をそっとルーセルの頭の上にのせた。
「新国王ルーセル陛下万歳!」
貴族たちは声をあげて祝う。
「は?」
それをサイラスは茫然と見ていた。
「兄上は国王?それいぜんになんで兄上がここに?」
留学してたんじゃなかったのか?、とサイラスはつぶやく。
「本当に何も覚えていないの?」
側妃は不安そうにサイラスを見つめた。
カサンドラ(王妃)side
薬が盗まれた。
お父様が苦労してやっと買ってきた契約の薬が盗まれた。
なくなったことに気づいたのは帰還パーティーの前日の夜。
1人部屋で計画を確認していて、最後に薬の確認もしようと思って私の魔力登録がされている金庫を開いて・・・驚いた。
ないのだ。
あれほど厳重に隠していた薬が跡形もなく消えていた。
「嘘でしょう・・・。」
このままでは計画は頓挫する。
薬はきっと盗まれたに違いないと私は考えた。
薬を盗んだ犯人はこの薬について調べるはず。
そしたら私があの子を操ろうとしていることがばれてしまう。
焦りに焦った。
何年もかけてたててきた計画が・・・時間が無駄になるなんて考えたくもなかった。
それ以上にこの後のことが怖かった。
薬について調べられたら私は終わりだ。
あの子はどういう判断を私に下すのかしら・・・。
明日が怖い。
帰還パーティーの最中に暴露されたらたまったものじゃない。
怖くて怖くてその日は全く眠れなかった。
けれど予想に反して帰還パーティーで私の悪事が暴露されることはなかった。
でも、後日、私は国王となったあの子のところに母上の今後について話したいと呼ばれた。
一瞬ドキリとした。
まさかあの子に限ってそんなことしないよねとドキドキしながら部屋に行くと・・・そこには宰相にと国王の側近、そしてラピスラズリ大帝国軍の総帥ハル・クリムゾンがいたのだ。
そしてテーブルの上には見覚えのある薬瓶が置いてあった。
薄いピンク色の液体・・・量は少し減っている。
ああ、どんな薬か調べられたのか・・・よりによってこの子が・・・。
私は絶望した。
冷たいルーセルの瞳・・・疑いを向ける宰相と側近たちの瞳・・・すべてが私に向けられていた。
その時気づいた・・・あれ、お父様は?
「母上、おじい様は既に爵位剥奪の上地下牢に入っていますよ。」
そんな私の心の内を見抜いたかのようにルーセルは言った。
「認めますか?母上。貴女がこの薬を使って私を操ろうとしたこと。」
ルーセルは薬瓶を私の前で軽く揺らす。
もう認める他ない。
あのラピスラズリ大帝国最強と恐れられる総帥まで私を睨んでいる。
「・・・はい。」
私はうなずいた。
「じゃあ、この薬に禁止薬物が入っていたことも知っていたんですね?」
ルーセルは衝撃的なことを言った。
禁止薬物?
なによそれ。
そんなもの入っているだなんて知らなかったわ。
そんな、禁止薬物が入っているって知っていたら絶対に買わなかった。、
そんな計画たてなかった。
「知らないわ!そんな、禁止薬物が入っているだなんて。知ってたら絶対に買わなかったわ。」
私の言葉にルーセルは一枚の紙を私の前に置いた。
「薬の成分表ですよ。」
そこには確かに禁止薬物の名前がのっていた。
うそ・・・うそよそんな。
私・・・どうなっちゃうの?
「総帥閣下。この者はこちらで処分してもよろしいですか?」
ルーセルの言葉に私は思わず顔をあげた。
処分?
処分?
な、なによ処分って。
物を処分するみたいに言わないで。
私は人間よ!
物じゃ・・・ない。
「こちらとしては許せない行為ですね。一歩間違えればこちらが手引きしたと疑われかねない行為をしたのですから。ですが、そちらが適切な判断を下すと言うのであればあとは任せます。」
総帥は私を侮蔑するように見ていた。
そんな目で見ないで。
私はそんな卑しい人じゃない。
私は・・・。
その言葉の中には私と関わりたくないという総帥の感情がこもっていた。
「わかりました。では元王妃はこちらで適切に処分させていただきます。」
連れていけ、とルーセルが言って、私は騎士に引きずられるように地下牢にやってきた。
「お、お父様・・・。」
そこにはお父様が一人寂し気にうずくまっていた。
私の言葉にお父様は顔をあげる。
「カサンドラ!貴様、何故失敗した!あともう少しだっただろう!?」
お父様は私を罵倒した。
反省の色一つないお父様に騎士が言い放つ。
「反省の色一つない方には少々痛い目を見てもらわなくてはいけませんね。陛下に要報告案件ですね。」
騎士は私をお父様の隣の牢屋にいれた。
許してと叫ぶ気力すらなかった。
「ごめんなさい。」
ただ私は騎士にそれしか言うことができなかった。
騎士はかすかに驚いたような表情をした後すぐに去って行った。
隣のお父様がすごくうるさい。
うるさくてうるさくてたまらない。
そんなある日、ルーセルがやってきて私たちに告げた。
「元公爵は反省の色一つないので死刑、元王妃は反省しているようなので情状酌量の余地ありとみなし離宮で死ぬまで幽閉かこの30年の記憶を全部消したうえで市井で暮らすか・・・どちらか好きな方を選べ。」
迷わなかった。
私は一生この罪を背負って生きていかなくてはならない。
忘れてはいけない。
忘れて生きていくだなんて許されない。
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