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番外編③サイラスのその後 sideサイラス
最近空白だった記憶が戻ってきた。
少しずつだけれども確実に。
王宮を発つ前、兄上いや国王陛下が私に教えてくれた。
私が飲まされたのは白月の魔女と呼ばれる帝国に住む魔女によって作られた時間指定の記憶消しの薬だった。
私はあの薬により約3年分の記憶をなくした。
だけど魔女が作った薬とは言えど万能ではなかった。
3年の記憶を3年間だけ消す薬・・・それが魔女の記憶消しの薬だった。
ラピスラズリ大帝国の皇太子と総帥はその事実を知っていたのではないだろうか?
なんて今更考えても意味がない。
もう二度と会えないのだから、聞く機会もない。
私はいつものように鉱山に潜る。
私は3年間必死に働いた。
私はどこかの貴族の捨てられた子ということでここに送られた。
精霊の愛し子を追い出した元王子として送られなかっただけましである。
必死で働いた成果が出たのは5年後のことだった。
仕事終わりに親方に呼ばれた。
「ひゅー。やるなぁサイラス。」
同僚たちは冷やかしてきた。
その時の私は一体何を言われるのかひやひやしていた。
そんな私の心情とは裏腹に、親方は私を褒めてくれた。
「貴族の出だと聞いたからろくに働かないだろうと思ったが違ったな。さすがサイラスだ。お前を明日から部隊長にする。」
その一言でどれだけ私は報われただろう。
同僚たちは祝ってくれた。
数年後、お金も十分にたまり、このお金を何に使おうかと迷っていた時、生家のヴィ―ルヘミア王国の王室から手紙が届いた。
返信不要と前書きがあって、そこには要約すると、私は十分に十分すぎるほど真面目に鉱山で働いた。その姿勢は評価する。よってユリアからの許可もあったためそなたを解放する。
つまり私はもう自由だった。
私はその時夢があった。
私は商人になりたかった。
商人になろう、そう決めた後、私はすぐに鉱山を辞めた。
そして商人育成学校に入学した。
飛び級で卒業でき、卒業と同時に、学校で知り合った公爵に投資してもらって、商会を設立した。
サイラス商会・・・と言う名前だった。
我ながらネーミングセンス皆無だなと思った。
頑張って商会を大きくしていって、そしてついに・・・王宮に呼ばれた。
久しぶりに会う兄上は王妃様と幸せそうだった。
もともとその王妃様は前王妃様が離宮で幽閉されていた時、仕えていた平民出身の侍女だったらしい。
兄上はそれを見染めて、王妃にしようとした。
もちろん断られる。
しかしさすが兄上だった。
諦めずに求婚し、前王妃の後押しもあり、結婚したそうだった。
私も結婚したいなとは思わなかった。
だって私はユリアを傷つけた。
その責任は鉱山で働いていなくても、一生背負っていなくてはならない罪だ。
私は結婚しない。
再開した兄上はサイラス商会を贔屓してくれた。
弟とかそういうことは一切関係なかったと思う。
ある時初めて謁見の間ではなく個別に執務室に呼ばれた。
兄上と私二人だけの空間で。
「お前はお前のやりたいことをしているのか。」
兄上は続けて言った。
「もう責任を感じることはない。お前の婚約者だったユリア様は今やラピスラズリ大帝国の皇太子妃だ。本人も自分は関係なくサイラスに幸せになってもらいたいと言っている。」
ユリアが皇太子妃になっていることにはなんら違和感を感じなかった。
あの時、帰還パーティーで会ったユリアの隣にいた彼は、ユリアを愛おしそうに見つめていた。
ユリアは愛されているんだな、よかったなと思った。
でも罪は罪。
犯した罪は消えない。
私の決心は変わらない。
後継者は養子でもとればいい。
一生独身を貫くこと、それは償いの一環でもある。
私は一生ユリアにこの罪を償い続ける。
私の望んだ形で。
少しずつだけれども確実に。
王宮を発つ前、兄上いや国王陛下が私に教えてくれた。
私が飲まされたのは白月の魔女と呼ばれる帝国に住む魔女によって作られた時間指定の記憶消しの薬だった。
私はあの薬により約3年分の記憶をなくした。
だけど魔女が作った薬とは言えど万能ではなかった。
3年の記憶を3年間だけ消す薬・・・それが魔女の記憶消しの薬だった。
ラピスラズリ大帝国の皇太子と総帥はその事実を知っていたのではないだろうか?
なんて今更考えても意味がない。
もう二度と会えないのだから、聞く機会もない。
私はいつものように鉱山に潜る。
私は3年間必死に働いた。
私はどこかの貴族の捨てられた子ということでここに送られた。
精霊の愛し子を追い出した元王子として送られなかっただけましである。
必死で働いた成果が出たのは5年後のことだった。
仕事終わりに親方に呼ばれた。
「ひゅー。やるなぁサイラス。」
同僚たちは冷やかしてきた。
その時の私は一体何を言われるのかひやひやしていた。
そんな私の心情とは裏腹に、親方は私を褒めてくれた。
「貴族の出だと聞いたからろくに働かないだろうと思ったが違ったな。さすがサイラスだ。お前を明日から部隊長にする。」
その一言でどれだけ私は報われただろう。
同僚たちは祝ってくれた。
数年後、お金も十分にたまり、このお金を何に使おうかと迷っていた時、生家のヴィ―ルヘミア王国の王室から手紙が届いた。
返信不要と前書きがあって、そこには要約すると、私は十分に十分すぎるほど真面目に鉱山で働いた。その姿勢は評価する。よってユリアからの許可もあったためそなたを解放する。
つまり私はもう自由だった。
私はその時夢があった。
私は商人になりたかった。
商人になろう、そう決めた後、私はすぐに鉱山を辞めた。
そして商人育成学校に入学した。
飛び級で卒業でき、卒業と同時に、学校で知り合った公爵に投資してもらって、商会を設立した。
サイラス商会・・・と言う名前だった。
我ながらネーミングセンス皆無だなと思った。
頑張って商会を大きくしていって、そしてついに・・・王宮に呼ばれた。
久しぶりに会う兄上は王妃様と幸せそうだった。
もともとその王妃様は前王妃様が離宮で幽閉されていた時、仕えていた平民出身の侍女だったらしい。
兄上はそれを見染めて、王妃にしようとした。
もちろん断られる。
しかしさすが兄上だった。
諦めずに求婚し、前王妃の後押しもあり、結婚したそうだった。
私も結婚したいなとは思わなかった。
だって私はユリアを傷つけた。
その責任は鉱山で働いていなくても、一生背負っていなくてはならない罪だ。
私は結婚しない。
再開した兄上はサイラス商会を贔屓してくれた。
弟とかそういうことは一切関係なかったと思う。
ある時初めて謁見の間ではなく個別に執務室に呼ばれた。
兄上と私二人だけの空間で。
「お前はお前のやりたいことをしているのか。」
兄上は続けて言った。
「もう責任を感じることはない。お前の婚約者だったユリア様は今やラピスラズリ大帝国の皇太子妃だ。本人も自分は関係なくサイラスに幸せになってもらいたいと言っている。」
ユリアが皇太子妃になっていることにはなんら違和感を感じなかった。
あの時、帰還パーティーで会ったユリアの隣にいた彼は、ユリアを愛おしそうに見つめていた。
ユリアは愛されているんだな、よかったなと思った。
でも罪は罪。
犯した罪は消えない。
私の決心は変わらない。
後継者は養子でもとればいい。
一生独身を貫くこと、それは償いの一環でもある。
私は一生ユリアにこの罪を償い続ける。
私の望んだ形で。
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