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番外編⑤2人の皇子と1人の皇女
「お兄様!待ってください。」
皇宮の中庭を駆けずり回る2人の皇子シェリオ・ルゥ・ラピスラズリとユリアン・ルゥ・ラピスラズリを追いかける1人の皇女レイラ・ルゥ・ラピスラズリは派手に転んだ。
「ふえーん!」
真ん丸な可愛らしい緑色の瞳から涙が零れ落ちた。
「「レイラ!」」
2人の皇子は慌ててレイラに駆け寄る。
「レイラ様!」
レイラが派手に転ぶのを見て血相を変えたのは少し離れたところで3人が遊んでいるのを見ていたレイラの専属侍女シエナだった。
「お医者様を呼んできますのでお待ちください!」
そう言って皇宮の中に駆け込んでいく。
「ふえーん!」
泣き続けるレイラに2人の皇子はどうしたらいいのかわからずおろおろするばかりだ。
「何があったのかしら?」
ちょうどその場を通りかかった皇后ユリアが3人に近づいた。
「まあ、転んでしまったのね。・・・侍女はどこに行ったのかしら?」
周りを見て、侍女がいないことを不審に思ったのだろう、ユリアは尋ねた。
「お医者様を呼びに行きました。」
ユリアンが答える。
「ふえーん!おかしゃま!」
レイラは母の姿を見ると手をのばす。
「レイラ。泣かないで。大丈夫よ。」
ユリアはレイラを抱き上げると優しく頭をなでた。
「皇后陛下!?」
医者を連れて戻ってきたシエナはその場に皇后ユリアがいることに気づき顔色を変えた。
「あら、貴女がレイラの侍女なのね。お医者様は?」
ユリアは振り返ると微笑んで医者を呼ぶ。
「先日ぶりです皇后陛下。レイラ皇女殿下はどこにいらっしゃいますか?」
シエナの後ろから若い医者がでてくる。
「こっちよ。本当にごめんなさいね。毎日のようにレイラったら怪我をして・・・。」
ユリアは申し訳なさそうに言う。
「いえいえ。私の仕事は人を治すことです。怪我人が誰もいなかったらこの職業はなくなってしまいますよ。」
医者は朗らかに笑う。
「皇后陛下は治癒術をお使いにはなられないのですか?」
確か精霊の愛し子でしたよね、と医者が言う。
「ええ。でもね、同じ血族の者は治せないのよ。」
あの時シオンの怪我を治せたのはユリアの血に皇族の血がほとんどまじっていなかったから。
「そうなのですね。」
医者は勉強になりますと言いながら手当をしていく。
「絆創膏を貼っておきました。一応化膿止めもつけておきました。1日1度貼りかえてください。」
医者はシエナに絆創膏と化膿止めを渡す。
「わかりました。」
医者は一礼すると去って行った。
「皇后陛下、レイラ様を置いてお医者様を探しに行ってしまい申し訳ありませんでした。主が怪我をしているときに離れるなど決してしてはいけないことと知ってはいました。」
医者がいなくなるやいなやシエナはユリアに土下座する。
「どうして謝るのかしら?」
「え?」
ユリアはシエナを立たせる。
「貴女は正しい判断をしたわ。あの時医者をすぐに呼びに行った判断は間違えていないわ。その行動こそ主のことを真に思う者の態度だわ。」
貴女がレイラつきの侍女で本当によかった、とユリアは言った。
「皇后陛下っ!」
シエナは涙を流した。
「シエナ、どうして泣いてるの?」
いつの間にか泣き止んでいたレイラが心配そうにシエナの服をつまみ、顔を見上げる。
「レイラも心配しているわ。」
「レイラ様、皇后陛下!ありがとうございます。」
シエナは涙をふくとレイラに微笑んだ。
「私は皇后陛下のやさしさがうれしくて泣いたのです。」
「おかあしゃまのやさしさ?悲しくて泣いていたのではないのならいいの。」
レイラはシエナに抱き着いた。
「シエナ大好き!」
「私よりも?」
ユリアが尋ねるとレイラは頬を膨らませた。
「おかあしゃまの意地悪!」
―――――――――――――――――――――――
これにて完結です。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。
『無能と称され婚約破棄された精霊の愛し子は国を見切ります』と関連のある話として『幽閉された元王妃の平民侍女ですが国王陛下に求婚されています』を明日から連載を始める予定です。
『幽閉された元王妃の平民侍女ですが国王陛下に求婚されています』も読んでくださると嬉しいです。
皇宮の中庭を駆けずり回る2人の皇子シェリオ・ルゥ・ラピスラズリとユリアン・ルゥ・ラピスラズリを追いかける1人の皇女レイラ・ルゥ・ラピスラズリは派手に転んだ。
「ふえーん!」
真ん丸な可愛らしい緑色の瞳から涙が零れ落ちた。
「「レイラ!」」
2人の皇子は慌ててレイラに駆け寄る。
「レイラ様!」
レイラが派手に転ぶのを見て血相を変えたのは少し離れたところで3人が遊んでいるのを見ていたレイラの専属侍女シエナだった。
「お医者様を呼んできますのでお待ちください!」
そう言って皇宮の中に駆け込んでいく。
「ふえーん!」
泣き続けるレイラに2人の皇子はどうしたらいいのかわからずおろおろするばかりだ。
「何があったのかしら?」
ちょうどその場を通りかかった皇后ユリアが3人に近づいた。
「まあ、転んでしまったのね。・・・侍女はどこに行ったのかしら?」
周りを見て、侍女がいないことを不審に思ったのだろう、ユリアは尋ねた。
「お医者様を呼びに行きました。」
ユリアンが答える。
「ふえーん!おかしゃま!」
レイラは母の姿を見ると手をのばす。
「レイラ。泣かないで。大丈夫よ。」
ユリアはレイラを抱き上げると優しく頭をなでた。
「皇后陛下!?」
医者を連れて戻ってきたシエナはその場に皇后ユリアがいることに気づき顔色を変えた。
「あら、貴女がレイラの侍女なのね。お医者様は?」
ユリアは振り返ると微笑んで医者を呼ぶ。
「先日ぶりです皇后陛下。レイラ皇女殿下はどこにいらっしゃいますか?」
シエナの後ろから若い医者がでてくる。
「こっちよ。本当にごめんなさいね。毎日のようにレイラったら怪我をして・・・。」
ユリアは申し訳なさそうに言う。
「いえいえ。私の仕事は人を治すことです。怪我人が誰もいなかったらこの職業はなくなってしまいますよ。」
医者は朗らかに笑う。
「皇后陛下は治癒術をお使いにはなられないのですか?」
確か精霊の愛し子でしたよね、と医者が言う。
「ええ。でもね、同じ血族の者は治せないのよ。」
あの時シオンの怪我を治せたのはユリアの血に皇族の血がほとんどまじっていなかったから。
「そうなのですね。」
医者は勉強になりますと言いながら手当をしていく。
「絆創膏を貼っておきました。一応化膿止めもつけておきました。1日1度貼りかえてください。」
医者はシエナに絆創膏と化膿止めを渡す。
「わかりました。」
医者は一礼すると去って行った。
「皇后陛下、レイラ様を置いてお医者様を探しに行ってしまい申し訳ありませんでした。主が怪我をしているときに離れるなど決してしてはいけないことと知ってはいました。」
医者がいなくなるやいなやシエナはユリアに土下座する。
「どうして謝るのかしら?」
「え?」
ユリアはシエナを立たせる。
「貴女は正しい判断をしたわ。あの時医者をすぐに呼びに行った判断は間違えていないわ。その行動こそ主のことを真に思う者の態度だわ。」
貴女がレイラつきの侍女で本当によかった、とユリアは言った。
「皇后陛下っ!」
シエナは涙を流した。
「シエナ、どうして泣いてるの?」
いつの間にか泣き止んでいたレイラが心配そうにシエナの服をつまみ、顔を見上げる。
「レイラも心配しているわ。」
「レイラ様、皇后陛下!ありがとうございます。」
シエナは涙をふくとレイラに微笑んだ。
「私は皇后陛下のやさしさがうれしくて泣いたのです。」
「おかあしゃまのやさしさ?悲しくて泣いていたのではないのならいいの。」
レイラはシエナに抱き着いた。
「シエナ大好き!」
「私よりも?」
ユリアが尋ねるとレイラは頬を膨らませた。
「おかあしゃまの意地悪!」
―――――――――――――――――――――――
これにて完結です。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。
『無能と称され婚約破棄された精霊の愛し子は国を見切ります』と関連のある話として『幽閉された元王妃の平民侍女ですが国王陛下に求婚されています』を明日から連載を始める予定です。
『幽閉された元王妃の平民侍女ですが国王陛下に求婚されています』も読んでくださると嬉しいです。
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