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第一章 出会いと修行と旅立ち

#4 タイツと修行と物作り

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ダンジョンから出てくるとテルさんがいた。
そしてミカさんは居なくなってた。

あの人いつの間に消えたんだ?

「タッチャンお疲れ様、大丈夫だった?」
「怪我は無いよ、つーか俺の身体どうなってるの?何したのか教えて?」
「そんなタッチャンに朗報です、この一週間でタッチャンの修業メニューが決まりました!」
「聞けよ俺の話!!」
「まず魔法関係は私テルミーナ!そして体術関係は執事のザウス!」
「おいっ!」
「さらに魔道具、鍛冶などはドワーフ、ジルベルト!さらに臨時講師に私のお友達を呼んじゃいます!」
「・・・・・・・(怒)」
「そして採取や採掘、森の探索などハンター的なことはグレイとクレアにお任せキャァァァァー、痛い痛い、頭割れちゃう」

思わずテル(もうこう呼ぶ)にアイアンクローしてた。

「話を聞け!」
「うぅぅ、ひどいよ女の子にこんなことするなんて」
「テルが話聞かないからだろ、つーか修業って何だ!」
「あのね、タッチャンがこの世界を旅するなら必要かなって思ったの、なのでスケジュール組みました」
「まぁ、ありがたいか、ダンジョンの魔物、厄介なのも居たからな」
「どんなの?」
「一番面倒なのはスライムかな?殴っても、斬っても元に戻る」
「スライムはコア潰すか、魔法で一発だよ!」
「でかくてコアまで届かなかったんだよ、最終的に石をひたすら投げ続けた」
「石でどうにかしたんだ、まぁそれなら魔法覚えよう、大丈夫これから修業すれば凄く強くなれるよ、目指せ最強!もっと覚えること増やす?」
「そこまでしないよ、最悪魔物から逃げられればいい」
「え~男の子でしょ、最強だよ、成りたく無いの?」
「成りたく無いよ、それに男の子って、俺は中身21だぞ」
「そんなに可愛い男の子なのに」
「可愛い言うな、何よりも服だよ、攻撃されて破れるとかなりきつい、身体は無傷でもかなり動きが悪くなる、絶対壊れないような防具を作れるようにしないとマジでまずい」
「じゃあまずはジルベルトの所に行こう、最初は魔道具、鍛冶と私の魔法、後ザウスに体術教えてもらおう」
「わかった、修業はありがたく受けるよ、でも最強は忘れろよ、マジで増やすなよ」
「分かったよ」

そして俺は身体のことは聞くの忘れて、テルとジルベルトさんの元に向かった。

「そういえばジルベルトさんとは話さないのか?」
「ずっと一緒だと話すこともあんまり無いし、タッチャンみたいに気安く話してくれないしね」
「そっか」

ジルベルトさんの部屋は屋敷の地下にあった。
そしてミカさんも居た。
ダンジョン出たらすぐに消えたからどうしたんだろうと思ったらこんなところに。

「ジル~、タッチャン連れてきたよ」
「今日からよろしくお願いします」
「よいよい、いい暇潰しじゃ、ワシのことはジルとでも呼んでくれ」
「ではジルさんと呼ばせてもらいますね、ミカさんは何を?」
「魔物の素材がかなり手に入ったので、食材以外はここに持ってきました」
「ずいぶん採ってきたの~、色々作れるぞ」
「じゃあジル、タッチャンお願いね、色々教えてあげてね」
「かしこまりましたぞ」
「じゃあタッチャン、後で迎えに来るね」

そういうとテルは部屋から出ていった。

「では始めようかの?」
「はい、まずは防具を作れるようにしないとまずいので」
「防具か、しかも『可愛い』防具か?」
「そう、可愛い防具なんですよ、どんな防具ですかね?」
「防具ではなく丈夫な素材で出来た服でいいのでは?私は服のデザインや、縫製はできますから」
「「それだ(じゃ)!」」

ミカさんの提案通り、丈夫な素材で服を作ることになった。
その後は素材の扱い方、魔道具の作り方など教わった。

ついでにタイツの素材も聞いてみた。

「伸縮性があって、凄く丈夫な細い糸ってありますか?」
「伸縮性と丈夫か、それならば蜘蛛糸がいいのぉ、ここにもあるが、森の奥には更に強力な糸が取れる魔物もおるぞ」
「その糸で薄い布織れますか?」
「そのまま使うよりは、付与魔法で強化したり、染めたりした方が丈夫になるぞ、まぁおいおいやっていこう」

その日は迎えが来るまでこれから作る服や魔道具の相談と、どんな魔道具があるのか色々聞いた。
魔道具は日常生活に使ったり、魔法の代わりに使うものもあり、数多くある。
そして魔言語という魔方陣に使う言葉を覚え、魔方陣を制御する魔術回路を覚えていけば、オリジナルの魔道具が作れるようになるらしい。
魔道具は何個か見せてもらったがこれは面白そうだ!

「タッチャンきたよ、お昼食べたら午後からはザウスに体術教えてもらおう」
「りょ~かい、ジルさん明日もよろしくお願いします」
「わかった、待っとるぞタツキ」

お昼はミカさんの魔物料理だった。
美味しいのだが醤油、味噌、米が欲しくなる。
後でミカさんに聞いてみよう。

ザウスさんは庭で待っていた。

「ザウスさんよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いいたします、少々厳しくいきますので頑張って下さいね」
「じゃあザウスお願いね」
「かしこまりました、お嬢様」

またテルが去って行った。

「ではタツキ様始めましょう」
「いえ、その前にその『様』付けを止めてもらっていいですか?」
「何故でしょう?」
「教えを乞う身で『様』付けで呼ばれるのはおかしいです、何より見た目12才の子供に『様』は無いです、出来れば『タツキ』と呼んで下さい」
「・・・・わかりました、ではいきますよタツキさん」

『さん』か、まあいっか。

「はい、お願いします」

ザウスさんとの修業はストレッチ、型、そして組み手だった。
ザウスさんは俺と比べるとかなり強い、そして寡黙だ。
ダンジョンでは余り疲れなかったが、ザウスさんとの組み手はかなり疲れた、そして触れない。
ザウスさんはそんなに早く動いて無いのだが、気がつくと避けられて、良いのをもらう。
ザウスさんの使う体術は相手の攻撃を避ける、もしくは逸らすのが基本らしい。
魔物の攻撃は1回当たるだけで致命傷になることが多いからだ。
なので組手でも寸止めはなく、当ててくる。

これがまぁ痛い。

ザウスさん曰く「耐えられる限界までやった方が体が早く覚える」らしい。

そんなこんなで夕方になり夕食後にテルと魔法の修業になった。

「じゃあ魔法の授業を始めます」
「はい、よろしくお願いします」
「まずはタッチャンの身体の説明です」
「はい」
「タッチャンは魔力総量はヤバいくらいあります、ですがそれを放出する力はとても小さいです、なのでさっき聞いた魔石の角が出るんだと思います、そして放出量は成長と訓練で今後伸ばしていきます」
「はい先生、質問です」
「後でまとめて聞きます」
「わかりました」
「魔法は身体から出した魔力で発動します、なのでまだタッチャンには覚えられない魔法が多いです、ですが関係ない魔法もあります、それが身体強化魔法や一部の時空間魔法です、身体強化魔法は身体の内部で行います、そして時空間魔法の亜空間収納は発動魔力は少なくてすみますが収納空間は魔力総量に比例します、ここ迄で質問は?」
「はい先生」
「はいタツキ君」
「時空間魔法とか字面が怖いんで、普通の空間魔法がいいです」
「ですがその場合収納空間で時間が経過しますので、素材が多少劣化します」
「そのくらいはいいと思います」
「そして時空間魔法であれば、熱々の料理がいつでも食べら「時空間魔法ってかっこいいよね」」
「・・・・・・・他には?」
「俺の魔力総量がヤバいのは何でですか?」
「それはタッチャンの身体の再生をしたからです」
「詳しくお願いします」
「・・・・赤い水槽の中で身体の再生をしていました、再生には多くの栄養素が必要です、なので近くにあった魔石や魔物素材などを入れました、ですがタッチャンはどんなに入れても吸収しました、それはそれは見事に入れた分吸収します、楽しくなってきてどんどん入れていきまキャァァァー、痛い痛い、だから頭割れちゃうからー!」

思わずアイアンクローをかます。

「テル、そのノリで行けば怒られないと思ったか?」
「だって凄い入るんだよ、普通は相性とかあって吸収出来ないのもあるのに」
「まぁ俺は好き嫌い無いし、良く食べるほうだったからな」
「そんな理由?普通はあんなに吸収出来ないよ」
「で?何入れた?」
「白いドラゴンの魔石から先は覚えて無いの」
「ドラゴンいるんだ・・・・まぁいっか、どうせ聞いてもわからんし」
「怒ってないの?」
「言ったろ、テルは命の恩人だって、今後は誰かに相談してからにしてくれればいいよ」
「うん、わかった、相談する、ごめんね」
「じゃあ続き頼む」
「えっと、魔法の練習はまず自分の魔力の感知と魔力操作だよ、まずはやっていこう」

そうして魔法の修業が始まった。
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