40 / 66
▼死亡フラグ
しおりを挟む
私は出られないまでも、それまでアレクシスともエイベル様は交流が多分似合った方だ。当然ディオン家ともアレクシス自身が親交がある。
そんなアレクシスが行くのなら、多少無理でもなんとかなるし、信用もあるし、信頼もあるし、なにより表立った理由もあるのだ。
私に無い物づくしである。
勿論、両親の回答はYESだ。
アレクシスはアレクシスで動いてくれるのだから、私は私で出来ることをするために裏庭に出た。
新月を映す大きな水盆を置いて、魔力を中心に集めるようにチカラを込めていくと、水面に映っていた星々が回転し、軌跡を残して光を増していく。幾重にも残された軌跡で描かれた線が重なり、1枚の織物になった。
魔力を固定して、円盤型の薄く発光する布状のものを取り出して一息ついた。
薄く、透けるてしまうハンカチ大の布、のようなもの。
これでミッチェルと契約する魔力の核になっているものを包めば、ミッチェルに赦された自由の範囲から見て、恐らく契約が阻害されて解けるのではないかと思われる。確証はないし、その核がなになのかは分からないけれど。
ミッチェルに許されていないのは、言葉の範囲と、容姿の固定、行動範囲ではないかとアレクシスと話していた。
確かめようにも、ミッチェルは基本的に答えるつもりがないのかな?というワードはオウム返ししかしない。
ミッチェルの意思が確認できないのだ。
そこで。
そもそも論、ミッチェルを縛る核を潰してしまえばお話はミッチェルからスムーズにきけるんでは?という暴論が遂行される運びとなり、私はこの様なものをつくっている。
ようは、ディオン家の謎の答え合わせが早急にしたい。私は推理小説は、気合と根性で徹夜してでも読み始めたら一気に片付ける派なのだ。
月夜と星々の煌めきをギュッと集めたような、実質私の魔力の結晶でしかない布を畳んで明日ディオン家に行くアレクシスに持って行ってもらう。
私が居なくても、多分2人は、喋れると…おもう。
そこで、核の場所をミッチェルに教えてもらい、アレクシスが包んで効力を無力化させて、ミッチェルの契約が緩む様に仕向ける。
そこまですれば、大精霊ミッチェルさまなら契約を自力で解けないかな~という期待もある。し、そこまで出来なくとも、私の目的である事の真相くらい喋ってもらえると思ったのだ。
事の粗ましはミッチェル本人から聞きたかったが、アレクシスでもきちんと教えてくれるだろう。大精霊が捕まるに至った時の捕物帖噺、非常に楽しみです!
用意も済んだので、一応作った軽い防御壁の出るまじない具とさっきの包む布をアレクシスに渡しに行く。
「アレクシス、入ってもいいかしら。」
「どうぞ、アリシアちゃん。」
解呪が出来たらいいのにな作戦の概要は織り込み済みだったので、あの布、といって渡し、ついでにお守り、と言ってまじない具を渡した。
秘蔵の非売品を渡されたファンみたいな反応をされた。
「必ず、必ず、生きて帰ってくるから!」
まるで戦争映画の一場面のようにアレクシスは感無量の面持ちで抱きついてきたけれど、それは死亡フラグと言うやつじゃなかっただろうか。
攻略本によるとアレクシスもまだ死なないはずなので大丈夫だとは思うけれど。
そんなアレクシスが行くのなら、多少無理でもなんとかなるし、信用もあるし、信頼もあるし、なにより表立った理由もあるのだ。
私に無い物づくしである。
勿論、両親の回答はYESだ。
アレクシスはアレクシスで動いてくれるのだから、私は私で出来ることをするために裏庭に出た。
新月を映す大きな水盆を置いて、魔力を中心に集めるようにチカラを込めていくと、水面に映っていた星々が回転し、軌跡を残して光を増していく。幾重にも残された軌跡で描かれた線が重なり、1枚の織物になった。
魔力を固定して、円盤型の薄く発光する布状のものを取り出して一息ついた。
薄く、透けるてしまうハンカチ大の布、のようなもの。
これでミッチェルと契約する魔力の核になっているものを包めば、ミッチェルに赦された自由の範囲から見て、恐らく契約が阻害されて解けるのではないかと思われる。確証はないし、その核がなになのかは分からないけれど。
ミッチェルに許されていないのは、言葉の範囲と、容姿の固定、行動範囲ではないかとアレクシスと話していた。
確かめようにも、ミッチェルは基本的に答えるつもりがないのかな?というワードはオウム返ししかしない。
ミッチェルの意思が確認できないのだ。
そこで。
そもそも論、ミッチェルを縛る核を潰してしまえばお話はミッチェルからスムーズにきけるんでは?という暴論が遂行される運びとなり、私はこの様なものをつくっている。
ようは、ディオン家の謎の答え合わせが早急にしたい。私は推理小説は、気合と根性で徹夜してでも読み始めたら一気に片付ける派なのだ。
月夜と星々の煌めきをギュッと集めたような、実質私の魔力の結晶でしかない布を畳んで明日ディオン家に行くアレクシスに持って行ってもらう。
私が居なくても、多分2人は、喋れると…おもう。
そこで、核の場所をミッチェルに教えてもらい、アレクシスが包んで効力を無力化させて、ミッチェルの契約が緩む様に仕向ける。
そこまですれば、大精霊ミッチェルさまなら契約を自力で解けないかな~という期待もある。し、そこまで出来なくとも、私の目的である事の真相くらい喋ってもらえると思ったのだ。
事の粗ましはミッチェル本人から聞きたかったが、アレクシスでもきちんと教えてくれるだろう。大精霊が捕まるに至った時の捕物帖噺、非常に楽しみです!
用意も済んだので、一応作った軽い防御壁の出るまじない具とさっきの包む布をアレクシスに渡しに行く。
「アレクシス、入ってもいいかしら。」
「どうぞ、アリシアちゃん。」
解呪が出来たらいいのにな作戦の概要は織り込み済みだったので、あの布、といって渡し、ついでにお守り、と言ってまじない具を渡した。
秘蔵の非売品を渡されたファンみたいな反応をされた。
「必ず、必ず、生きて帰ってくるから!」
まるで戦争映画の一場面のようにアレクシスは感無量の面持ちで抱きついてきたけれど、それは死亡フラグと言うやつじゃなかっただろうか。
攻略本によるとアレクシスもまだ死なないはずなので大丈夫だとは思うけれど。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
嫁ぎ先は悪役令嬢推しの転生者一家でした〜攻略対象者のはずの夫がヒロインそっちのけで溺愛してくるのですが、私が悪役令嬢って本当ですか?〜
As-me.com
恋愛
事業の失敗により借金で没落寸前のルーゼルク侯爵家。その侯爵家の一人娘であるエトランゼは侯爵家を救うお金の為に格下のセノーデン伯爵家に嫁入りすることになってしまった。
金で買われた花嫁。政略結婚は貴族の常とはいえ、侯爵令嬢が伯爵家に買われた事実はすぐに社交界にも知れ渡ってしまう。
「きっと、辛い生活が待っているわ」
これまでルーゼルク侯爵家は周りの下位貴族にかなりの尊大な態度をとってきた。もちろん、自分たちより下であるセノーデン伯爵にもだ。そんな伯爵家がわざわざ借金の肩代わりを申し出てまでエトランゼの嫁入りを望むなんて、裏があるに決まっている。エトランゼは、覚悟を決めて伯爵家にやってきたのだが────。
義母「まぁぁあ!やっぱり本物は違うわぁ!」
義妹「素敵、素敵、素敵!!最推しが生きて動いてるなんてぇっ!美しすぎて眼福ものですわぁ!」
義父「アクスタを集めるためにコンビニをはしごしたのが昨日のことのようだ……!(感涙)」
なぜか私を大歓喜で迎え入れてくれる伯爵家の面々。混乱する私に優しく微笑んだのは夫となる人物だった。
「うちの家族は、みんな君の大ファンなんです。悪役令嬢エトランゼのね────」
実はこの世界が乙女ゲームの世界で、私が悪役令嬢ですって?!
────えーと、まず、悪役令嬢ってなんなんですか……?
【完結】悪役令嬢の妹に転生しちゃったけど推しはお姉様だから全力で断罪破滅から守らせていただきます!
くま
恋愛
え?死ぬ間際に前世の記憶が戻った、マリア。
ここは前世でハマった乙女ゲームの世界だった。
マリアが一番好きなキャラクターは悪役令嬢のマリエ!
悪役令嬢マリエの妹として転生したマリアは、姉マリエを守ろうと空回り。王子や執事、騎士などはマリアにアプローチするものの、まったく鈍感でアホな主人公に周りは振り回されるばかり。
少しずつ成長をしていくなか、残念ヒロインちゃんが現る!!
ほんの少しシリアスもある!かもです。
気ままに書いてますので誤字脱字ありましたら、すいませんっ。
月に一回、二回ほどゆっくりペースで更新です(*≧∀≦*)
乙女ゲームのヒロインに転生したのに、ストーリーが始まる前になぜかウチの従者が全部終わらせてたんですが
侑子
恋愛
十歳の時、自分が乙女ゲームのヒロインに転生していたと気づいたアリス。幼なじみで従者のジェイドと準備をしながら、ハッピーエンドを目指してゲームスタートの魔法学園入学までの日々を過ごす。
しかし、いざ入学してみれば、攻略対象たちはなぜか皆他の令嬢たちとラブラブで、アリスの入る隙間はこれっぽっちもない。
「どうして!? 一体どうしてなの~!?」
いつの間にか従者に外堀を埋められ、乙女ゲームが始まらないようにされていたヒロインのお話。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる