悪役令嬢ですが、前世で乙女ゲームは未プレイなもので!

席ゆづる

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▼▼5時おき(お嬢様は支度に時間がかかる)

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次の日の起床は早かった。

なぜなら昨日の話は、悪役令嬢の私がおねだりした途端にとんとん拍子に話が進み、スカイを本来ないポジションであった副担任として、「例年になく高貴な人が集まるクラスを担任1人でまとめるのは困難」という理由で据えてしまったのだ。

そうなれば、違和感なく溶け込むために善は急げだと翌日からの雇用と相なったわけである。

そこでまだ担任すら会ったことのない2人と引き合わせるためと、「一緒にいる」を実行するために朝早く訪れるという担任の時間にあわせて早起きをしたというわけだ。

連絡はすべて水盆で魔力を流してテレビ電話のようにして行った。三箇所同時だから、ZOOMみたいなものだ。お嬢様で良かった。部屋はいつも侍女のおかげで誰に見られても恥ずかしくない。多分。


「アリシアちゃん、おはよう。早すぎない?」


朝稽古を終えたらしいアレクシスとすれ違ったので昨日の決着が思ったより早く着いたため早く出る旨を伝える。


「アリシアちゃん、区別するって昨日言ってたよね。早速これってどうなのかな。」


ムッとしたような顔をするアレクシスを見て、昨日の話がきちんと伝わっていなかった事に気づいた。まぁ、いきなりモブがとか村人Aがとか言われて理解し切ってしまったとしても恐ろしいが。


「1日もこられなかった平民にまで優しくされてちゃ、学校に行き出して世界をどんどん広げてさ、僕の分のアリシアちゃんはどれだけが残るの?」


しかし、時間も迫っている。

こう言う時の解決策を、私は二つしか知らない。


「アレクシス、今日の予定は飛ばす事ができる?」


「アリシアちゃんがいない間は暇でしか無いよ。」


「よろしい。では、一緒にいらっしゃい。一緒に昨日話した綺麗な庭園で私の作った何かのタルトを食べましょう。」


「アリシアちゃん!?」


「さぁ、急いでアレクシス!」


出て来たところの自分の衣装部屋にとって返して、アレクシスの侍女に予備の制服を渡してしまう。


「アリシアちゃん!これは…」


「アレク。来るの?来ないの??」


「…絶対、置いていかないでね。」


「あら、当たり前じゃない!」


反抗期にでも入りかけているのか、アレクシスは恨めしそうな視線を残しながら衣装部屋へと消えた。

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