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森
ローブとワニとワニの長
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MADE of アルミニウム
剣と聞いて、どんな剣を人は想像するだろうか。鉄か銅か銀か金か。クリスタルや、ダイヤモンド。アーサー王伝説に出てくる、エクスカリバーか。ピンからキリまで、数多くの剣があり、それを使うものがいるだろう。だが、この剣を使うのは俺くらいじゃないだろうか。この、アルミニウムの剣を。
「おいおい、青年よ。君は、魔法使いか何かかい?」
歩いていると、ローブを着た人に話しかけられた。
「違うよなぁ、その装備は剣士のそれだ。だが、その剣、それはなんだ」
俺の剣を訝しがるローブ。
「この剣は…なんだと思うローブさん」
質問に質問で返す。会話としては最低だけど、剣のことを聞かれたら、そう答えるようにしてる。
「銅じゃない、銀色だが銀でも鉄でもない、他の材質でもそんな剣にはならない。剣ってのは、見ればなんとなく強さがわかるもんだな、それからは全く感じない。もしかして、色を塗った木刀か」
「木刀か、それも面白いな…知りたきゃ、俺についてきなよ」
ローブは何かを考えている
「わかった。強さを感じない剣を持つお前を、一人で通すわけにはいかないからな」
この先は、獰猛な猛獣や、魔獣が住む森だった。
「いざとなったら、助けてやるよ」
ローブは、胸を張ってつぶやく。
木々が生い茂る森を進む、何かの鳴き声、遠吠え、羽ばたく音、虫の音。その数の多さが、この森の生態系の複雑さを教えてくれている。軽装の剣士と、ローブは歩いていた。
「しっかし、相変わらずこの森は広いよなー、気を抜いたら迷っちまうよ」
ローブはしゃべる。さっきから俺は、ローブと呼んでいるが、ローブとしか形容できないのだ。顔はローブで隠れていることは隠れている。だが、普通に見ればどんな顔かはわかる。しかし、このローブは特殊な魔法でも使っているのか、それができないのだ。だから、ローブと呼ぶ。
「なあ、ローブ」
「なんだ」
「やっぱ、ローブはローブだから。魔法使い的なアレなのか」
そこそこ気になっていたことを聞いた。いや、これで実は占い師とか言われても困るし。
「アレってなんだよ、見ての通り魔法使い…魔法使いでいいのかな」
「どういうことだ」
「いやあ、うーん…あっ、ちょうどいいや。こいつ、倒してみせるよ、説明が難しいんだ」
気づくと、目の前には二足歩行するワニがいた。手には剣を携えて。
ローブは、何かをつぶやいたかと思うとワニに突撃していった。ワニは剣を構える、ローブは正面から突っ込んでいるだけなので迎え撃つつもりだろう。さて、どうするのか。
ローブは突っ込んでいった。何の工夫なもく。そして、ローブはいつの間にかワニの向こうにいた。ワニの剣を砕き、ワニの腹に風穴を開けて。
「こんなものかな、魔法としては回復魔法の種類なんだけどさ。それを、拳とか足に集中させて攻撃するんだ。超活性化ってとこ、筋肉が異常伸縮して、爆発的な攻撃力を生む。筋繊維がそれで切れても、そのまま魔法で修復、修復」
あー、このローブ、脳筋だ。ローブ着ている理由も、返り血で服を汚したくないから、とがだろう。
「このローブは、半分魔法使いだからってのもあるけど、返り血で服とか、鎧とか汚さないためだな。ローブなら、別に構わないし」
まじだった。想像通りの脳筋だ。
「さあ、次はお前の番だぜ」
今度は10匹ほど、二足歩行のワニがいた。なんか、群のボスみたいな強そうなのもいる。ねえ、ローブさん、なんで見てもないのにいるってわかるの、野生の感なの、第六感なの。脳筋にもほどがあるよ。
「じゃあ、まあ。いまから、俺の剣見せるよ」
剣を抜く、ローブの言った通り、一見して剣と呼べるものではない。紙のように、薄っぺらく一振りすれば、いかにもなバインバインと音がする。
俺は、ワニに向かって走る。
「暑さ0.5ミリ。融点660℃。熱伝導性、電気伝導性、ともに良好。原子番号13、原子量約27!この剣の材質は!アルミニウムダァァァァァ!」
剣を一振り、ワニの剣を持っている方の腕を切り落とす。ワニが痛みを感じるより早く、刃を返し、もう一本腕を落とす。やっと、ワニに動揺が見えたところで、首を斬る。この間約1秒。同様にして、8匹のワニを仕留めていく、アルミであるが故の軽さと速さを武器にする。速さ、それすなわち切れ味だ。超速度ならば、水でさえ強力な刃物になる。薄く、早く、風圧を受ければ剣がしなり、遠心力を強力にする。受け太刀などを考慮せず、ただ、切ることのみを追求した剣。それがこのアルミニウムの剣だ。
「さあ、あとはお前だな大将」
群のボスは、油断など微塵たりとも感じぬほど、研ぎ澄まされていた。
「見た目の若さとは裏腹に、良い太刀筋だ。そちらのローブも、大味ながら、その実は細かい魔力コントロールがいる戦い方であろう」
ローブと俺は、唖然とした。
「えっ、ワニさん喋れるの?」
ローブは聞く。どうでもいいが、魔獣にさんをつけるのか。少し意外。
「そういう魔獣もいる、群の長ともなればそれなりの知能もつく。それよりも、仇、取らせてもらうぞ」
ワニの長のだした闘気に、俺は震えた。怯えや怯みの震えではない、武者震いでだ。
ワニは、闘気の大きさから見れば意外なほど、ゆっくりと静かに近づいてくる。一つ一つの動きが洗練されたものだ、一歩でもその場から動いたら切る、そう言っているかのようだった。しかし、
「ふふ、ふはは。いいね、ワニの長!それでこそ、戦いがいがあるってもんだ」
俺は、カウンター覚悟で、切り込む。大事なのは、お互い剣の間合いに相手が入った後ではない、剣の間合いに入るまで間にどこまで準備を施せるかだ。相手の、剣が振られる前に相手を切る、それが俺の戦い方。速さこそ正義だ。先手必勝。
「ならば私は、後手必殺だな」
ワニの長は、俺の剣を最小限で受け、俺を蹴り飛ばした。
「ぐっ…!」
やばい、結構深く入った。口の中に鉄の味が広がってくる。
「痛みを、味わっている時間なぞあるのか」
剣を振り下ろす。
俺は、とっさに剣を傾け、相手の方向をそらす。
「受け太刀は、できないって言ってるだろ」
一度体制を崩してしまったせいで、なかなか反撃のチャンスを見出せなくなる。剣を流すので精一杯だ。
「なー、助けたほうがいいー?」
ローブは、のんびりと木陰に腰をかけながら言う。確かに、二体一なら圧倒的にやりやすい。だが、
「大丈夫だ、まあ見てろって」
俺は少しだけ強がる。実際、秘策はあるしまだまだ、やりようはあるのだ。ただ、この環境がいけない。タイミングを合わせなければ、ここら一帯が消し飛ぶことになる。もうちょっとなんだ。
ワニの長は、攻めるのをやめない。それが、彼なりの流儀なのか、けれど、俺には好都合だ。少しずつ、少しずつ後ろに下がっていく。安全な距離まで離れるために。
「どうした!お前はそんなものか!」
ワニの長は、少しずつ苛立ってきている。最初の冷静さを失い始めてるのだ、冷静さを失うこととは、隙を見せること。俺は距離をとった。一つの予想外は、さらに動揺を誘う。彼は、俺がもう逃げられないものだと思っていたようだ。だから、揺れた。攻めに出れる状況もできた。さあ、見せてあげよう。
「待たせて悪かったね、俺はまだまだこれからさ」
アルミニウムが、プラズマとなり輝き出す。
「この薄さのおかげで、よく電気が通る」
電気系統の魔法を剣に流すことで、アルミニウムは次のステージへいく。プラズマ化、超高電圧で電気を流し、温度を上げていく。この薄さゆえ、熱伝導をさらに促し、本来なら難しいプラズマ化を引き起こす。少しでも、厚くなれば俺の魔力が限界になる。剣に魔法を流す発想はあっても、剣をプラズマ化する発想はあまりないだろう。普段から、薄いアルミニウムの剣を使いこなす、俺だけの技だ。
ワニの長も、自然界の生物だ。プラズマの剣には恐怖を覚える。逃げるかと思った、しかし彼は正面から俺を見据えた。
「見事」
そう言い残し、ワニの長はプラズマと一体になった。
「どうして、もっと早く使わなかったんだ」
ローブは俺に尋ねる
「どうしてって、言われても…ほら、あっちに水場があるだろう。プラズマをあそこで使うのはちょっとな」
「なるほど、よく、あの戦闘の中でそんなことを…」
「いや、普通だろ。つねに全体を見て、冷静にやるのが戦闘ってものだ」
ローブは、静かにうなづいていた。
剣と聞いて、どんな剣を人は想像するだろうか。鉄か銅か銀か金か。クリスタルや、ダイヤモンド。アーサー王伝説に出てくる、エクスカリバーか。ピンからキリまで、数多くの剣があり、それを使うものがいるだろう。だが、この剣を使うのは俺くらいじゃないだろうか。この、アルミニウムの剣を。
「おいおい、青年よ。君は、魔法使いか何かかい?」
歩いていると、ローブを着た人に話しかけられた。
「違うよなぁ、その装備は剣士のそれだ。だが、その剣、それはなんだ」
俺の剣を訝しがるローブ。
「この剣は…なんだと思うローブさん」
質問に質問で返す。会話としては最低だけど、剣のことを聞かれたら、そう答えるようにしてる。
「銅じゃない、銀色だが銀でも鉄でもない、他の材質でもそんな剣にはならない。剣ってのは、見ればなんとなく強さがわかるもんだな、それからは全く感じない。もしかして、色を塗った木刀か」
「木刀か、それも面白いな…知りたきゃ、俺についてきなよ」
ローブは何かを考えている
「わかった。強さを感じない剣を持つお前を、一人で通すわけにはいかないからな」
この先は、獰猛な猛獣や、魔獣が住む森だった。
「いざとなったら、助けてやるよ」
ローブは、胸を張ってつぶやく。
木々が生い茂る森を進む、何かの鳴き声、遠吠え、羽ばたく音、虫の音。その数の多さが、この森の生態系の複雑さを教えてくれている。軽装の剣士と、ローブは歩いていた。
「しっかし、相変わらずこの森は広いよなー、気を抜いたら迷っちまうよ」
ローブはしゃべる。さっきから俺は、ローブと呼んでいるが、ローブとしか形容できないのだ。顔はローブで隠れていることは隠れている。だが、普通に見ればどんな顔かはわかる。しかし、このローブは特殊な魔法でも使っているのか、それができないのだ。だから、ローブと呼ぶ。
「なあ、ローブ」
「なんだ」
「やっぱ、ローブはローブだから。魔法使い的なアレなのか」
そこそこ気になっていたことを聞いた。いや、これで実は占い師とか言われても困るし。
「アレってなんだよ、見ての通り魔法使い…魔法使いでいいのかな」
「どういうことだ」
「いやあ、うーん…あっ、ちょうどいいや。こいつ、倒してみせるよ、説明が難しいんだ」
気づくと、目の前には二足歩行するワニがいた。手には剣を携えて。
ローブは、何かをつぶやいたかと思うとワニに突撃していった。ワニは剣を構える、ローブは正面から突っ込んでいるだけなので迎え撃つつもりだろう。さて、どうするのか。
ローブは突っ込んでいった。何の工夫なもく。そして、ローブはいつの間にかワニの向こうにいた。ワニの剣を砕き、ワニの腹に風穴を開けて。
「こんなものかな、魔法としては回復魔法の種類なんだけどさ。それを、拳とか足に集中させて攻撃するんだ。超活性化ってとこ、筋肉が異常伸縮して、爆発的な攻撃力を生む。筋繊維がそれで切れても、そのまま魔法で修復、修復」
あー、このローブ、脳筋だ。ローブ着ている理由も、返り血で服を汚したくないから、とがだろう。
「このローブは、半分魔法使いだからってのもあるけど、返り血で服とか、鎧とか汚さないためだな。ローブなら、別に構わないし」
まじだった。想像通りの脳筋だ。
「さあ、次はお前の番だぜ」
今度は10匹ほど、二足歩行のワニがいた。なんか、群のボスみたいな強そうなのもいる。ねえ、ローブさん、なんで見てもないのにいるってわかるの、野生の感なの、第六感なの。脳筋にもほどがあるよ。
「じゃあ、まあ。いまから、俺の剣見せるよ」
剣を抜く、ローブの言った通り、一見して剣と呼べるものではない。紙のように、薄っぺらく一振りすれば、いかにもなバインバインと音がする。
俺は、ワニに向かって走る。
「暑さ0.5ミリ。融点660℃。熱伝導性、電気伝導性、ともに良好。原子番号13、原子量約27!この剣の材質は!アルミニウムダァァァァァ!」
剣を一振り、ワニの剣を持っている方の腕を切り落とす。ワニが痛みを感じるより早く、刃を返し、もう一本腕を落とす。やっと、ワニに動揺が見えたところで、首を斬る。この間約1秒。同様にして、8匹のワニを仕留めていく、アルミであるが故の軽さと速さを武器にする。速さ、それすなわち切れ味だ。超速度ならば、水でさえ強力な刃物になる。薄く、早く、風圧を受ければ剣がしなり、遠心力を強力にする。受け太刀などを考慮せず、ただ、切ることのみを追求した剣。それがこのアルミニウムの剣だ。
「さあ、あとはお前だな大将」
群のボスは、油断など微塵たりとも感じぬほど、研ぎ澄まされていた。
「見た目の若さとは裏腹に、良い太刀筋だ。そちらのローブも、大味ながら、その実は細かい魔力コントロールがいる戦い方であろう」
ローブと俺は、唖然とした。
「えっ、ワニさん喋れるの?」
ローブは聞く。どうでもいいが、魔獣にさんをつけるのか。少し意外。
「そういう魔獣もいる、群の長ともなればそれなりの知能もつく。それよりも、仇、取らせてもらうぞ」
ワニの長のだした闘気に、俺は震えた。怯えや怯みの震えではない、武者震いでだ。
ワニは、闘気の大きさから見れば意外なほど、ゆっくりと静かに近づいてくる。一つ一つの動きが洗練されたものだ、一歩でもその場から動いたら切る、そう言っているかのようだった。しかし、
「ふふ、ふはは。いいね、ワニの長!それでこそ、戦いがいがあるってもんだ」
俺は、カウンター覚悟で、切り込む。大事なのは、お互い剣の間合いに相手が入った後ではない、剣の間合いに入るまで間にどこまで準備を施せるかだ。相手の、剣が振られる前に相手を切る、それが俺の戦い方。速さこそ正義だ。先手必勝。
「ならば私は、後手必殺だな」
ワニの長は、俺の剣を最小限で受け、俺を蹴り飛ばした。
「ぐっ…!」
やばい、結構深く入った。口の中に鉄の味が広がってくる。
「痛みを、味わっている時間なぞあるのか」
剣を振り下ろす。
俺は、とっさに剣を傾け、相手の方向をそらす。
「受け太刀は、できないって言ってるだろ」
一度体制を崩してしまったせいで、なかなか反撃のチャンスを見出せなくなる。剣を流すので精一杯だ。
「なー、助けたほうがいいー?」
ローブは、のんびりと木陰に腰をかけながら言う。確かに、二体一なら圧倒的にやりやすい。だが、
「大丈夫だ、まあ見てろって」
俺は少しだけ強がる。実際、秘策はあるしまだまだ、やりようはあるのだ。ただ、この環境がいけない。タイミングを合わせなければ、ここら一帯が消し飛ぶことになる。もうちょっとなんだ。
ワニの長は、攻めるのをやめない。それが、彼なりの流儀なのか、けれど、俺には好都合だ。少しずつ、少しずつ後ろに下がっていく。安全な距離まで離れるために。
「どうした!お前はそんなものか!」
ワニの長は、少しずつ苛立ってきている。最初の冷静さを失い始めてるのだ、冷静さを失うこととは、隙を見せること。俺は距離をとった。一つの予想外は、さらに動揺を誘う。彼は、俺がもう逃げられないものだと思っていたようだ。だから、揺れた。攻めに出れる状況もできた。さあ、見せてあげよう。
「待たせて悪かったね、俺はまだまだこれからさ」
アルミニウムが、プラズマとなり輝き出す。
「この薄さのおかげで、よく電気が通る」
電気系統の魔法を剣に流すことで、アルミニウムは次のステージへいく。プラズマ化、超高電圧で電気を流し、温度を上げていく。この薄さゆえ、熱伝導をさらに促し、本来なら難しいプラズマ化を引き起こす。少しでも、厚くなれば俺の魔力が限界になる。剣に魔法を流す発想はあっても、剣をプラズマ化する発想はあまりないだろう。普段から、薄いアルミニウムの剣を使いこなす、俺だけの技だ。
ワニの長も、自然界の生物だ。プラズマの剣には恐怖を覚える。逃げるかと思った、しかし彼は正面から俺を見据えた。
「見事」
そう言い残し、ワニの長はプラズマと一体になった。
「どうして、もっと早く使わなかったんだ」
ローブは俺に尋ねる
「どうしてって、言われても…ほら、あっちに水場があるだろう。プラズマをあそこで使うのはちょっとな」
「なるほど、よく、あの戦闘の中でそんなことを…」
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