MADE of アルミニウム

ハム成

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脳筋の見解、古代の話

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「ところでさ、お前ならあのワニ、どう戦った」
俺は少し気になり、脳筋に尋ねる。
「…難しいね。まず、こっちの戦闘スタイルがあそこまで研ぎ澄まされている状態で効果があったかどうか、おそらく突撃じゃカウンターを食らって五分五分ってとこ。後半、冷静さを失ったのは、お前のアルミくらい小回りがきかなきゃ、誘い出せなかったかな。」
「だよなー…あいつ相当だった」
ローブは面食らう。いや、面は見えないんだけどそんな感じ。
「いや、お前結構余裕そうだったじゃん」
「秘策を使わされてる時点で、余裕なんてないよ。そっちこそ、余裕そうに手かそうか、とか聞いてきただろ」
「なっ…あれは、あれだよ二人なら余裕かなーって思ったからだよ!決して、カッコつけたりしたわけじゃないからな」
慌てふためいていう、ローブはメッサ動いとる。
「じゃあ、ここからは真剣な話な」
俺は正面から、ローブを見据えて話す
「結構考えてみたんだけどさ、やっぱ喋るワニがいるなんて、普通じゃない。群れとはいえ、魔獣があそこまで統率されるのもな」
「そうだな」
「この森…何かがあるんじゃないか」
「何かって…」
風が吹き、森がざわめく。
「魔獣を進化させる、古代のナニカだよ」

古代、この世界の魔獣は先のワニの長のように人間と同じように言語を用いて。文明を築いていたという。人間はつねに、魔獣の軍勢と争っていた。戦況は一進一退、いや人間がやや押され気味だった。人間はチカラでは勝てないことを知り、ある物の開発にいそしんだ。それが、魔獣を退化させる、正確には魔獣の言語能力を後退させる薬品。人間はそれの開発の成功により、魔獣を退け。生態系の頂点に立った。魔獣を退化させる薬を作った、それすなわち、それを元に戻す薬も作っていたことを指す。なにかの失敗に備えて、けれどそれの出番は来ず、お蔵入りとなった。人間は、どこかにそれを隠した。絶対に、この世に出てくることがないように。
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