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#20 まさかの再会
しおりを挟む(表紙イラストキャラ:レイ)
「ミコト、緊張してる?」
「はいっ……」
今日は隣国の王子との晩餐会の日。到着する時間が近づいている。僕は王子達と一緒に出迎える準備をしていた。
「立ち振る舞いに関しては、アルムにお墨付きをもらったんだろう? それなら、あとは堂々としていれば問題ない」
シオンはそう言って僕に微笑みかけるが、その顔には(絶対にヘマをするなよ!)という強いプレッシャーを感じる。
「………」
出迎えの準備で慌ただしいホールを見回すと、カノキと目が合った。普段と違い、きちんとした執事服を着ている。
「あ、カノキ、なんだか久しぶりだね」
「あ、あぁ、そうだな……」
声をかけると、カノキは気まずそうに返事をする。
普段の僕ならここでびびって話をやめてしまうところだけど、今日は勇気を持って聞いてみる。
「あの……いつもと服が違うね」
「これか? 今日は隣国の王子を招いた正式な晩餐会だから、きちんとした服装が良いんだってさ」
「そうなんだ。似合ってるね、カノキ」
「そうか? ……俺はなんだか息苦しくて苦手だな」
カノキはちらりと僕の方を見ると、ぼそりとつぶやく。
「その……あんたもその服、結構似合ってるんじゃね?」
「あ、ありがとう……」
「今日の晩餐会、頑張れよ」
にかっと笑うカノキを見て、僕はほっとする。
「カノキ、あのさ──」
「アルテシア国のレイ王子が、到着されました!」
室内が一気に静かになる。そして入り口のドアが、ゆっくりと開かれた。
「この度はお招き頂き感謝する、シオン王子」
「これはこれはレイ王子、お久しぶりですね」
「シオン王子からのお誘いとは、珍しいです、ね……あれ?」
シオンのすぐ後ろにいた僕は、レイと目が合う。
僕はその凄く見覚えのある顔に、ハッとした。
「ミコト!!!」
レイは僕にかけ寄り抱きついた。
──!!!
周りの人たち(主にシオン、ヤナギ、カノキ、アルムだが……)がピシリと鋭い雰囲気になる。
「ね……姉ちゃん??」
「そうだよミコト! あぁ、やっと会えたぁ~」
レイは僕の肩元で泣き出す。雰囲気はだいぶ違うけれど、すぐに分かった。この人は元の世界の僕の姉、レイカだ。
「お姉ちゃん、ここで何して……?」
「ミコト、レイ王子と知り合いだったのか?」
シオンに聞かれ、なんと答えて良いか分からずうろたえる僕との間に、1人の男が割って入った。
「シオン王子、お久しぶりでございます。レイ王子の付き人として一緒に参りました、ナツキです」
「あぁ、ナツキか……これは一体どういうことだい?」
「すみません、後ほど全て説明いたしますので、少しミコト様とレイ王子、2人で話す時間をくださいませんか?」
涙でぐずぐずになったレイと、それに困っている僕を見て、シオンは不思議そうに答えた。
「よく分からないが、あとできちんと説明してくれるんだね」
「もちろんでございます!」
100点満点の笑顔で答えるナツキに、シオンは諦めたように首を縦に振った。
「晩餐会までまだ時間がある、遅れないようにしてくれれば問題ない。ヤナギ、部屋に案内してあげてくれ」
「……かしこまりました」
「ほ~ら、いきましょ! ふたりとも!」
ナツキに背中を押されながら、僕とレイは客室へと向かった。
「ミコト……本当にミコトだぁ~」
「そうだよ姉ちゃん」
僕は、なかなか泣き止まないレイの背中をさすっていた。客室に入って数分、ようやく落ち着いた頃、ナツキが僕とレイの間に割って入る。
「はいはい、レイ様。涙を拭いて差し上げます。感動の再会は、終わりましたか?」
「う、うん……ありがとナツキ」
「せっかく2人で話せるようにしたんですから、そろそろこれまでのレイ様のことをお話された方が良いのでは?」
「そうね……ミコトは、いつこの世界に来たの」
「え~っと……3ヶ月前くらいかな」
僕が指折り数えてそう言うと、レイは僕を見て真面目な表情で言った。
「私がこの世界に来たのはね。3年前なの──」
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