呟き

2021/01/06

 死にまつわる話。


 鯨の爆発、という言葉を知った。調べると、鯨の死体がひたすらに画面にあふれた。鯨の爆発という現象も気にはなるが、それ以上に、おびただしい数の鯨の死体に、私は息をつめた。
 死体を死体として見るのはいつぶりだろう。私の知っている死体は、ゴムのような弾力があった。しかし、画面にあらわれた死体は、内臓が出ていて、生き物であったことが伝わる。これが、死体か。
 ショベルカーで沖に向かって動かされる鯨を見て、こんな大きな生き物だったのかと、鯨を知った。

 今日、私は鯨を知って、死体を覚えた。