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一生
実感したい
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「しよう」
今週3度目の台詞。ちなみに今日は火曜日だ。毎日言っているのでは計算が合わない?毎日朝と夜に言っているのだ。誘っているのだ。
「はぁ?」
寝そべってスマホをいじっている彼は、呆れた顔で私を見ると、「おいで」と腕を伸ばした。
「い、や、だ」
「なんでぇ」
あっさりと腕を引っ込めると、再びスマホに向き合う。私は、スマホではなく私を見てほしいのだ。
「寂しい」
いじいじと服の裾を引っ張ると、ふぅーとため息をついてこちらを見た。
「こんだけくっついてるのに?」
「うん」
身体を前に倒し、全身を彼に押し付ける。騎乗位のような体勢なのに色気を感じないのは、彼にその気がないからだろう。騎乗位でいる私は嬌声ばかりあげ、「嫌だ嫌だ」と首を振る。私が拒めば拒むほど彼は嬉しそうに、楽しそうに腰を動かすのだ。
「もっと見て」
「充分見てるでしょ」
「んー、そうだけどさ」
私だけを見てほしい。私のことばかり考えてほしい。そうして、常に心も身体も私を求めてほしい。
そんなことを口にするのは違うと思い、何が「違う」のかよくわからないまま、私は決まってこう言う。
「ちゅーして」
今週3度目の台詞。ちなみに今日は火曜日だ。毎日言っているのでは計算が合わない?毎日朝と夜に言っているのだ。誘っているのだ。
「はぁ?」
寝そべってスマホをいじっている彼は、呆れた顔で私を見ると、「おいで」と腕を伸ばした。
「い、や、だ」
「なんでぇ」
あっさりと腕を引っ込めると、再びスマホに向き合う。私は、スマホではなく私を見てほしいのだ。
「寂しい」
いじいじと服の裾を引っ張ると、ふぅーとため息をついてこちらを見た。
「こんだけくっついてるのに?」
「うん」
身体を前に倒し、全身を彼に押し付ける。騎乗位のような体勢なのに色気を感じないのは、彼にその気がないからだろう。騎乗位でいる私は嬌声ばかりあげ、「嫌だ嫌だ」と首を振る。私が拒めば拒むほど彼は嬉しそうに、楽しそうに腰を動かすのだ。
「もっと見て」
「充分見てるでしょ」
「んー、そうだけどさ」
私だけを見てほしい。私のことばかり考えてほしい。そうして、常に心も身体も私を求めてほしい。
そんなことを口にするのは違うと思い、何が「違う」のかよくわからないまま、私は決まってこう言う。
「ちゅーして」
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