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仮婚約の儀 その1
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「匠君、これは瀬戸家の家系図だ。楓は小さい時見たことがあると思うんだけど。」
こんな立派な掛け軸の巻物、見たことあっただろうか。私の両腕を伸ばした位の幅がある。装丁は、丈夫な和紙と紺色の光沢のある布地、軸は陶器。
「ほら、お前が何でも開けて確かめる遊びにはまって、この部屋に入って引っ張り出して父さんに怒られたことがあっただろ。」
この部屋に入って怒られた?・・・。あー5歳の時の、あの時の掛け軸!?思い出した。新兄さーん、おかげで思い出せたけど、匠さんの前で言わなくてもいいと思うんだけどなあ。はあ。
「そんなこともあったかも・・・。はは。」
ごまかしたいけど、ごまかしきれない。皆の小さい子を見るような視線が痛い。顔が熱くなってくる。
聡兄さんは、楓の反応は、受け流して話を続けた。
「それで、この家系図には直系の名前を残すようになっているんだ。僕たちの名前ががここで、父、祖父、曽祖父、高祖父、5代前の総一郎さん、6代前の総右衛門さん。仮婚約の儀は、この6代前の 瀬戸 総右衛門(せと そうえもん)からの伝統なんだ。」
「じゃあ、私たちが受ける仮婚約の儀は、兄さんたちもお父さんもお母さんも、取り組んだということ?でも、兄さんたちの結婚の挨拶は今日みたいじゃなくて、皆で食卓を囲んで楽しい時間だったよ。」
「仮婚約の儀は、結婚を決心した時に初めて教えてもらえるんだ。だから、僕たちや新たちの時には、楓は従妹のところに遊びに行ってもらってたんだよ。だから、楓がいた時のは、仮婚約の儀を無事に終わった後のお祝いだったんだ。」
「どうしてそんな風に、秘密にするかって疑問になるよね。」
その通りだ。どうしてそこまで隠す必要があるのだろう。
「それは、仮婚約の儀は、妖精の力を借りて契約する特別なものだからなんだ。」
思わず、咳き込む。妖精なんて、聡兄さんが、絵本を子供に読んであげる時以外に使いそうのない言葉。聞き間違い?
匠さんが、背中を優しくさすってくれる。振り向くと、匠さんも信じられないという顔をしている。
「妖精ですか?あの聡さん、それ本気ですか?もしかしてもう試験始まってますか?これって詐欺に合わないための試験ですか?」
ああ、そうだよね。聡兄さんが妖精がいると信じているはずがない。機械の開発に携わっている聡兄さんが、妖精を信じているなんて可愛い過ぎるもの。
「まあ、そういう反応になるわな。俺も初めて聞いたときは、父さんやおじさんの頭がおかしくなったのかと心配したくらいだからなあ。」
え。新兄さん、それって、新兄さんも妖精を信じているの。楓は、あんまりにもびっくりして新兄さんの顔を凝視した。新兄さんは、顔をぽりぽりとかいていった。
「楓、匠、妖精はまじでいるんだよ。瀬戸家と約束した縁結びの妖精がな。聡兄、なんだっけ、そうあれ、総右衛門じいさんの話をしてくれよ。」
聡兄さんは、頷いた。
「匠くん、楓、総右衛門おじいさんが、どうやって仮婚約の儀を始めたか話すよ。質問は後で聞くから、とりあえず終わりまで話させてね。いいかい?」
楓は、ぶんぶんと縦に頭を振った。
匠さんは、「ええ。」と半信半疑の表情で、頷いた。
こんな立派な掛け軸の巻物、見たことあっただろうか。私の両腕を伸ばした位の幅がある。装丁は、丈夫な和紙と紺色の光沢のある布地、軸は陶器。
「ほら、お前が何でも開けて確かめる遊びにはまって、この部屋に入って引っ張り出して父さんに怒られたことがあっただろ。」
この部屋に入って怒られた?・・・。あー5歳の時の、あの時の掛け軸!?思い出した。新兄さーん、おかげで思い出せたけど、匠さんの前で言わなくてもいいと思うんだけどなあ。はあ。
「そんなこともあったかも・・・。はは。」
ごまかしたいけど、ごまかしきれない。皆の小さい子を見るような視線が痛い。顔が熱くなってくる。
聡兄さんは、楓の反応は、受け流して話を続けた。
「それで、この家系図には直系の名前を残すようになっているんだ。僕たちの名前ががここで、父、祖父、曽祖父、高祖父、5代前の総一郎さん、6代前の総右衛門さん。仮婚約の儀は、この6代前の 瀬戸 総右衛門(せと そうえもん)からの伝統なんだ。」
「じゃあ、私たちが受ける仮婚約の儀は、兄さんたちもお父さんもお母さんも、取り組んだということ?でも、兄さんたちの結婚の挨拶は今日みたいじゃなくて、皆で食卓を囲んで楽しい時間だったよ。」
「仮婚約の儀は、結婚を決心した時に初めて教えてもらえるんだ。だから、僕たちや新たちの時には、楓は従妹のところに遊びに行ってもらってたんだよ。だから、楓がいた時のは、仮婚約の儀を無事に終わった後のお祝いだったんだ。」
「どうしてそんな風に、秘密にするかって疑問になるよね。」
その通りだ。どうしてそこまで隠す必要があるのだろう。
「それは、仮婚約の儀は、妖精の力を借りて契約する特別なものだからなんだ。」
思わず、咳き込む。妖精なんて、聡兄さんが、絵本を子供に読んであげる時以外に使いそうのない言葉。聞き間違い?
匠さんが、背中を優しくさすってくれる。振り向くと、匠さんも信じられないという顔をしている。
「妖精ですか?あの聡さん、それ本気ですか?もしかしてもう試験始まってますか?これって詐欺に合わないための試験ですか?」
ああ、そうだよね。聡兄さんが妖精がいると信じているはずがない。機械の開発に携わっている聡兄さんが、妖精を信じているなんて可愛い過ぎるもの。
「まあ、そういう反応になるわな。俺も初めて聞いたときは、父さんやおじさんの頭がおかしくなったのかと心配したくらいだからなあ。」
え。新兄さん、それって、新兄さんも妖精を信じているの。楓は、あんまりにもびっくりして新兄さんの顔を凝視した。新兄さんは、顔をぽりぽりとかいていった。
「楓、匠、妖精はまじでいるんだよ。瀬戸家と約束した縁結びの妖精がな。聡兄、なんだっけ、そうあれ、総右衛門じいさんの話をしてくれよ。」
聡兄さんは、頷いた。
「匠くん、楓、総右衛門おじいさんが、どうやって仮婚約の儀を始めたか話すよ。質問は後で聞くから、とりあえず終わりまで話させてね。いいかい?」
楓は、ぶんぶんと縦に頭を振った。
匠さんは、「ええ。」と半信半疑の表情で、頷いた。
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