11 / 29
閑話~睦月との会話 ~
しおりを挟む
仮婚約の儀 その4の藤棚の場面での睦月と周作の会話
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「よお。順調か?」
睦月がひょっこりと姿を現した。妖精だからなのか、睦月は、周作が初めて会った時から同じ若さだ。けれど、彼の放つ空気からは、確かに長い時を生きてきた者の持つ余裕が感じられる。
「睦月か。ああ、今までの所、問題はない。」
楓の父ー周作は驚くこともなく、返事をした。藤棚に着いた時に、周作は「そろそろ睦月と話せるだろう」そんな予感がしていたのだ。
睦月は匠と楓をじっと観察すると頷いて、周作の方に顔を向けた。
「上出来だ。あの2人には、仮婚約の儀を受ける覚悟がある。よく見極めたな。」
「そう言ってもらえるとほっとするよ。」
大事な娘だ。好きな相手と幸せになってもらいたい気持ちと仮婚約の儀の試験は、受けてもらいたい気持ちの間で、周作も葛藤していた。
当主としての荷が重く感じられる今、頼りにできる相手がいてくれる。ありがたいものだ。肩の荷が軽くなるようにさえ感じる。周作は、瞼を閉じて、ひと呼吸ついた。
「それで、睦月にはどう見える。あの2人の絆は。」
匠君がしっかりしているのに比べて、楓はまだまだ子供っぽいところがある。足を引っ張らないといいが・・・。
「相性はいい方だな。若々しい色の縁で結びついているよ。まだ緩いし細いけどな。仮婚約の儀を合格するためには、そうだな、楓のことは、鍛えまくれば大丈夫だ。瀬戸家の家系だけあって、楓も打たれ強い。どう成長するか楽しみだ。匠の方は、心配だな。穏やかで決断力もあって一見、楓より、バランスがいいように見えるが、かなり脆い(もろい)ところがある。最後の課題が合格できるか五分五分といったところだ。」
睦月は、淡々と分析した。
周作は、相性がいいと聞いてほっとしたのも、つかの間、最後の課題を合格できる可能性が、五分五分と聞いて胸の奥が重くなるのを感じた。可能性が、聡や新の時より低い。
「やはり脆いところへの課題が出るわけだな」
周作は、分かってはいながらも、思わず質問してしまった。
「毎回そうだしな。」
睦月は、さらっと答えた。
「分かってはいるんだが・・・。」
藤棚の方に目をやる。匠君と楓は、それぞれに分かれて自分の花を取りに動いたようだ。
2人は、最終課題までに成長が間に合うだろうかー。周作の瞳に憂いが浮かんだ。
「聡や新の時よりも、周作の中で、楓が試験で辛い思いをすることについて、複雑な思いがあるようだな。」
睦月が、周作の心を見抜いた。
「すまない。息子を鍛えるには、抵抗がなかったのだが、娘だと護ってやりたいと思ってしまってな・・・。」
周作は、苦笑いした。
「気にするな。総右衛門の時から、父親はみんな似たりよったりだったぞ。お前も立派な父親になったというわけだ。めでたいことじゃないか。」
睦月は、ポンと周作の肩に手を置いて言った。
「ああ。娘がいなければ、分からなかっただろうな。こういう気持ちは。」
独身の頃は、自分が、娘のことでこんなに心配するなんて想像もできなかった。
「まあ、お前はまだいい方だよ。匠のことを歓迎しているんだから。 総一郎の時は、大変だったぞ。「俺の目の黒い内は、娘との結婚は許さん!」って言ってな。周りが説得しようにも聞く耳を持たなくてな。」
「その時はどうしたんだ?」
家系が続いているから、仮婚約の儀は、無事に済ませたということなんだが・・・。
「仕方ないから、結婚した長男の友一(ともいち)にお前がしている役割をしてもらったよ。ついでに、総一郎のクリスタルを2個元に戻して、1年の間に、結婚を認めることと、娘婿候補のいいところを見つけることを課題として出したよ。あんまり頑固だったから、妖精の傷の治りにも影響が出てきてたした。あの時は、総一郎が青ざめて、面白かったな。妻のサキに、「クリスタルを1年で変化させることができなかったら、私はあなたと別居します」て言われて、必死に娘婿候補のいいところを見つけるのを頑張ってたぞ。1年で、間に合ったし、それからは、娘婿とも仲がよくなって、釣り仲間になって丸く収まったから、逆に先に膿(うみ)が出てよかったな。」
睦月は、懐かしそうに話してくれた。
「そんなことがあったのか。知らなかった。」
先祖の父親としての葛藤を聞いて、「少し気持ちが分かるな」と周作は思った。2人の中を反対をしたいわけじゃないが、娘を嫁に出すというのは寂しいものなのだ。
「ああ。これは、記録に残ってないから。ここだけの話な。」
睦月がニヤリと笑って言った。
「分かった。」
周作は頷いた。睦月が、総一郎に口止めされたであろう話をしてくれたのは、周作が気負い過ぎているのに気がついてくれたからだろう。先祖の親バカぶりを聞いて、思いの外気持ちが楽になった。周作は、睦月の優しさに心の中で感謝した。
「それと、仮婚約の儀の始まりの儀は今日中に終わらせた方がいい。間を空けすぎると、匠の脆い部分が決断を鈍らせて、結婚について躊躇する(ちゅうちょする)可能性が高い。」
睦月がアドバイスをくれた。
「分かった。」
「みんなには、俺の勘だとでも言っておけ。」
「助かる。」
複雑な説明よりも、睦月の勘と言った方が説得力があるだろう。
「お!選んだな。ーーー。そうかあれを選んだのか。」
楓の手の中には、花からクリスタルに変化したものがあるようだ。周りの明るさに反射して、キラキラっと小さな光が見えた。
「クリスタルとの相性はよさそうか?」
相性がよければ、どんな試験にも立ち向かえると総右衛門の日記に書いてあった。
「ああ。2人を十分に成長させてくれるよ。あれは。」
睦月は、いつになくしんみりした口調で言った。
「俺は、そろそろ行くよ。あの2人に合う妖精を、助っ人に選ばなきゃいけないからな。助っ人妖精は頃合いを見て行かせる。」
楓と匠君にはまだ伝えてないが、課題が3つ目か4つ目あたりに、妖精が助っ人として来てくれることになっている。課題が進むに連れて難易度も上がる。妖精の助っ人にしかできないアドバイスを出してくれるので、欠かせない存在だ。
「そうか。裏でいつも見守ってくれているんだな。いろいろありがとう。今回もよろしく頼む。」
周作は、睦月に軽く頭を下げて、お礼を言った。
「気にするな。総右衛門の家系を見守るのは、俺の楽しみの1つだからな。
困った時は、俺の名前を呼べよ。」
そういうと、睦月はすうっと姿を消した。睦月のいた場所には、桜の花びらがひらひらと舞った。
「さて、私も、もう一頑張りしよう。」
周作は、睦月が影で支えてくれるのを感じられたおかげで、心配が減ったのを実感した。任された役割をきちんと果たそう。そう心に決め、周作は宝物のようにクリスタルを持っている娘のところへ歩いて行った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「よお。順調か?」
睦月がひょっこりと姿を現した。妖精だからなのか、睦月は、周作が初めて会った時から同じ若さだ。けれど、彼の放つ空気からは、確かに長い時を生きてきた者の持つ余裕が感じられる。
「睦月か。ああ、今までの所、問題はない。」
楓の父ー周作は驚くこともなく、返事をした。藤棚に着いた時に、周作は「そろそろ睦月と話せるだろう」そんな予感がしていたのだ。
睦月は匠と楓をじっと観察すると頷いて、周作の方に顔を向けた。
「上出来だ。あの2人には、仮婚約の儀を受ける覚悟がある。よく見極めたな。」
「そう言ってもらえるとほっとするよ。」
大事な娘だ。好きな相手と幸せになってもらいたい気持ちと仮婚約の儀の試験は、受けてもらいたい気持ちの間で、周作も葛藤していた。
当主としての荷が重く感じられる今、頼りにできる相手がいてくれる。ありがたいものだ。肩の荷が軽くなるようにさえ感じる。周作は、瞼を閉じて、ひと呼吸ついた。
「それで、睦月にはどう見える。あの2人の絆は。」
匠君がしっかりしているのに比べて、楓はまだまだ子供っぽいところがある。足を引っ張らないといいが・・・。
「相性はいい方だな。若々しい色の縁で結びついているよ。まだ緩いし細いけどな。仮婚約の儀を合格するためには、そうだな、楓のことは、鍛えまくれば大丈夫だ。瀬戸家の家系だけあって、楓も打たれ強い。どう成長するか楽しみだ。匠の方は、心配だな。穏やかで決断力もあって一見、楓より、バランスがいいように見えるが、かなり脆い(もろい)ところがある。最後の課題が合格できるか五分五分といったところだ。」
睦月は、淡々と分析した。
周作は、相性がいいと聞いてほっとしたのも、つかの間、最後の課題を合格できる可能性が、五分五分と聞いて胸の奥が重くなるのを感じた。可能性が、聡や新の時より低い。
「やはり脆いところへの課題が出るわけだな」
周作は、分かってはいながらも、思わず質問してしまった。
「毎回そうだしな。」
睦月は、さらっと答えた。
「分かってはいるんだが・・・。」
藤棚の方に目をやる。匠君と楓は、それぞれに分かれて自分の花を取りに動いたようだ。
2人は、最終課題までに成長が間に合うだろうかー。周作の瞳に憂いが浮かんだ。
「聡や新の時よりも、周作の中で、楓が試験で辛い思いをすることについて、複雑な思いがあるようだな。」
睦月が、周作の心を見抜いた。
「すまない。息子を鍛えるには、抵抗がなかったのだが、娘だと護ってやりたいと思ってしまってな・・・。」
周作は、苦笑いした。
「気にするな。総右衛門の時から、父親はみんな似たりよったりだったぞ。お前も立派な父親になったというわけだ。めでたいことじゃないか。」
睦月は、ポンと周作の肩に手を置いて言った。
「ああ。娘がいなければ、分からなかっただろうな。こういう気持ちは。」
独身の頃は、自分が、娘のことでこんなに心配するなんて想像もできなかった。
「まあ、お前はまだいい方だよ。匠のことを歓迎しているんだから。 総一郎の時は、大変だったぞ。「俺の目の黒い内は、娘との結婚は許さん!」って言ってな。周りが説得しようにも聞く耳を持たなくてな。」
「その時はどうしたんだ?」
家系が続いているから、仮婚約の儀は、無事に済ませたということなんだが・・・。
「仕方ないから、結婚した長男の友一(ともいち)にお前がしている役割をしてもらったよ。ついでに、総一郎のクリスタルを2個元に戻して、1年の間に、結婚を認めることと、娘婿候補のいいところを見つけることを課題として出したよ。あんまり頑固だったから、妖精の傷の治りにも影響が出てきてたした。あの時は、総一郎が青ざめて、面白かったな。妻のサキに、「クリスタルを1年で変化させることができなかったら、私はあなたと別居します」て言われて、必死に娘婿候補のいいところを見つけるのを頑張ってたぞ。1年で、間に合ったし、それからは、娘婿とも仲がよくなって、釣り仲間になって丸く収まったから、逆に先に膿(うみ)が出てよかったな。」
睦月は、懐かしそうに話してくれた。
「そんなことがあったのか。知らなかった。」
先祖の父親としての葛藤を聞いて、「少し気持ちが分かるな」と周作は思った。2人の中を反対をしたいわけじゃないが、娘を嫁に出すというのは寂しいものなのだ。
「ああ。これは、記録に残ってないから。ここだけの話な。」
睦月がニヤリと笑って言った。
「分かった。」
周作は頷いた。睦月が、総一郎に口止めされたであろう話をしてくれたのは、周作が気負い過ぎているのに気がついてくれたからだろう。先祖の親バカぶりを聞いて、思いの外気持ちが楽になった。周作は、睦月の優しさに心の中で感謝した。
「それと、仮婚約の儀の始まりの儀は今日中に終わらせた方がいい。間を空けすぎると、匠の脆い部分が決断を鈍らせて、結婚について躊躇する(ちゅうちょする)可能性が高い。」
睦月がアドバイスをくれた。
「分かった。」
「みんなには、俺の勘だとでも言っておけ。」
「助かる。」
複雑な説明よりも、睦月の勘と言った方が説得力があるだろう。
「お!選んだな。ーーー。そうかあれを選んだのか。」
楓の手の中には、花からクリスタルに変化したものがあるようだ。周りの明るさに反射して、キラキラっと小さな光が見えた。
「クリスタルとの相性はよさそうか?」
相性がよければ、どんな試験にも立ち向かえると総右衛門の日記に書いてあった。
「ああ。2人を十分に成長させてくれるよ。あれは。」
睦月は、いつになくしんみりした口調で言った。
「俺は、そろそろ行くよ。あの2人に合う妖精を、助っ人に選ばなきゃいけないからな。助っ人妖精は頃合いを見て行かせる。」
楓と匠君にはまだ伝えてないが、課題が3つ目か4つ目あたりに、妖精が助っ人として来てくれることになっている。課題が進むに連れて難易度も上がる。妖精の助っ人にしかできないアドバイスを出してくれるので、欠かせない存在だ。
「そうか。裏でいつも見守ってくれているんだな。いろいろありがとう。今回もよろしく頼む。」
周作は、睦月に軽く頭を下げて、お礼を言った。
「気にするな。総右衛門の家系を見守るのは、俺の楽しみの1つだからな。
困った時は、俺の名前を呼べよ。」
そういうと、睦月はすうっと姿を消した。睦月のいた場所には、桜の花びらがひらひらと舞った。
「さて、私も、もう一頑張りしよう。」
周作は、睦月が影で支えてくれるのを感じられたおかげで、心配が減ったのを実感した。任された役割をきちんと果たそう。そう心に決め、周作は宝物のようにクリスタルを持っている娘のところへ歩いて行った。
0
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。
そこで待っていたのは、最悪の出来事――
けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。
でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
【完結】公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
『紅茶の香りが消えた午後に』
柴田はつみ
恋愛
穏やかで控えめな公爵令嬢リディアの唯一の楽しみは、幼なじみの公爵アーヴィンと過ごす午後の茶会だった。
けれど、近隣に越してきた伯爵令嬢ミレーユが明るく距離を詰めてくるたび、二人の時間は少しずつ失われていく。
誤解と沈黙、そして抑えた想いの裏で、すれ違う恋の行方は——。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる