(仮)婚約中!!

佐野三葉

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何時からが早寝早起きだろう?  その①  ~楓side~

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残念だけど、あれから妖精には会えていない。
何か特別な条件が揃ってて、偶然私にも見えたんだろうなあ。

・・・・。

課題初日に頑張ったから、出血大サービスのご褒美だったとか・・・?

楓はこたつの上に置いた携帯からストラップを外しそれを手に持ち、ため息をついた。

今は、22時。もうお風呂にも入ったし、今日の課題も終えた。いつもだったら、匠さんとの楽しい電話の時間だけど、今日匠さんは、聡兄さんと新兄さんと会うから電話は無しだ。明日は休日だから、今夜が1番ゆっくりできる。兄さんたちが、匠さんの課題の相談に乗ってくれるんじゃなかったら、きっと「兄さんたちズルい!」って拗ねてたところだろう。

「いいなあ。兄さんたちは、匠さんのマンションに行けて・・・。」

匠さんのマンションは賃貸じゃなくて、ローンを組んで購入したものらしい。だから、彼女の段階でマンションに呼ぶと別れた後に困るから、結婚して彼女からお嫁さんに昇格するまでは、マンションに呼ばないし、入れないと決めているのだそうだ。この話は、匠さんと私が付き合う前の友だちだった時に教えて貰った。匠さんは元カノさん(3人)と、マンションに呼ばないことが原因で別れたと寂しそうに話していた。

本当は、今夜お兄ちゃんたちに私もついて行きたかったけれど、あの匠さんの寂しそうな表情を思い出すと、お願いはできなくなってしまう。早く結婚したいなあ。


いけない、それより今は自分の課題だ。今日で課題が始まって1週間だ。楓のクリスタルはほんの少しだけ、色が付いている。楓は、クリスタルの変化を調べるために、達成度合いを確認することにした。


「クリスタルよ。「365日家事をする」の課題の達成度合いを示せ」

7/365
女の子パーツが、きらっと輝き、数字が浮かび上がる。家事は、朝食作りを任せてもらったのと、夕食の片づけを担当している。順調に毎日カウントしてもらえている。


「クリスタルよ。「早寝早起きを身に着ける」の達成度合いを示せ。」
今度は、三日月のパーツがきらっと輝き、数字が浮かびあがる。
4 0/100


達成度合い40パーセントかあ。
早寝早起きは、自分では頑張って0時過ぎには、この1週間眠るようにしたけど、まだ遅いみたい。厳しいなあ。
どう見ても、0時過ぎに眠ってたんじゃあ。合格は、無理そうだ。

「このクリスタル、一体、何時からを早寝早起きと認識してるんだろう。自分では頑張ってるつもりなんだけどなあ。匠さんとの夜の電話をこれ以上短くしたくないなあ。でも、しないといけないのかなあ。うーん。」

楓が、頭を悩ませていると、楓の好きな音楽のサビが携帯から流れる。

あ!奈央子さんからメールだ!

【明日、楓ちゃんお休みだよね?暇なら家でお茶しない?朱音さんもくるよ~。10時はどうかな?】

【行きます!話、聞いて欲しいことだらけです!】

【じゃあ、待ってるね。(^V^)たくさん、おしゃべりしようね(^^♪】

【はい!よろしくお願いします。<(_ _)>】

「やった。これで課題について相談できるし、女子会だ!」

楓は、悩みを一旦脇に置くことにした。

「よし!確か冷蔵庫に卵もたっぷりあったし、生クリームもあったよね。急いでプリンを作ろう。」

楓は、髪を結ぶと、1階の台所に降りて行った。

材料を調理台の上に出す。
生クリームと牛乳、卵、キビ砂糖、バニラエッセンス。
今日はなめらかタイプのプリンを作ろう。
「お父さんたちと匠さんとあと兄さんたちのも入れて、10個分作ろう。」

台所の隅に置いてあるレシピノートを開き、分量を見て、倍量で量った。
その作業が終わると、楓は、奈央子たちが喜んでくれるのを想像しながら、作り始めた。そうやって作ると美味しくなると母:文乃が楓が小学生だったころ教えてくれたのだ。


コンコンッ

卵を卵黄と卵白に分けて、卵黄をステンレスボウルに、卵白を大きめの器に入れる。

ザー

そこに量ったキビ砂糖を入れて混ぜる。

カチッ ボッ

牛乳と生クリームを鍋で弱火で温める。
温め過ぎないのがコツだ。
焦げ付かないように優しくゴムベラで、混ぜる。

カシャカシャカシャ

卵黄+キビ砂糖に程よく温めた牛乳+生クリームを少しずつ足しながら泡だて器で混ぜていく。

こし器でそれを濾(こ)していく。
そこに、バニラエッセンスを数滴足して、ゴムベラで全体になじむように軽く混ぜる。

「よし!あとは、焼くだけ」

プリンカップに、プリン液を1つ1つが同じくらいの量になるように、お玉ですくって注いでいく。

受け皿にプリンカップを乗せ、オーブンレンジに入れる。

ダイヤルを回し、お菓子の中の【プリン】に設定を合わせて、ボタンを押す。

ブーーーーーン。

オーブンレンジが、仕事を始めた。

時計を見上げると、23時19分だ。

「急いで片付けて寝なきゃ。」

カチャカチャ

ザー

楓は、使った調理器具を流しに移動させると、手早く片づけを始めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
カチャリ
文乃が寝室に入ってきた。

「母さん、楓は下で何をしていた?」

楓が1階に降りてからなかなか上がってこないので、様子を見にいったのだ。

「ふふふ。何か思いついたようにプリンを沢山作っていたわ。楽しそうに作っていたから大丈夫よ。」
文乃は楽しそうにそう答えた。

「そうか。」
ほっとしたように周作は答えた。周作は、睦月に楓の力のこと聞いてから以前よりも心配性になっているようだ。

「きっと周作さんのもありますよ。」
プリンは、周作の好きな食べ物でもある。

「・・・。そうかな。もう寝るよ。」
周作は少し照れてベッドに入り、背中を向けた。

「はい。お休みなさい。」
ー本当に、子煩悩なのよねえ。

文乃は周作に聞こえないように小さくクスっと笑うと、電気を消した。





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