氷結の正義〜少女は悪を許さない〜

大吉祭り

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風呂屋でのミッション

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 「これだけ広い風呂は、なんだか久しぶりだな」


 冒険の疲れを癒すのにも、効果があるだろう。
 シェルもたまにはいい提案をする。

 この町には複数の風呂屋があるらしいが、どこも繁盛しているらしい。
 王都を目指す者、そこを発つ者、多くの人に愛用されていると、店主は言っていた。


 ギルドがいらない町か……ならば、よほど平和なのだろう。
 本についてこの町へ来たのは失敗か? 


 「あの、すみません」


 考え事をしていた私の横から、小さな声で。


 「あなた魔法使えますよね? 実はお願いしたいことが」

 「えっと、なんでしょう」


 あまりに申し訳なさそうにするので、こちらまでかしこまってしまう。


 「えっとですね? 私達のいる、この女性風呂から妙な魔力を感じるんです。……それも男性の」


 なんという事だ。
 もし本当なら、泣いて謝っても許すことはできない。

 でも、この人の言うことを信じてもいいのだろうか。


 「あなた、どうしてそんなことが?」

 「私には、ある程度近くにいる人の気配というか、魔力を察知できる力があるんです。あなたが魔法使いなのもそれで」


 どうやら、信じてみてもいいようね。


 「わかった、あなたは本物みたい。で? その妙な気配はどこから?」

 「えっとですね、大体の位置はわかっているので、発見次第逃さないようにしなくては」

 「そう、それなら私の魔法が適任ね。意地でも凍らせてあげる!」


 だいたい、覗きなんて卑劣な行為!
 どう隠れているのかは知らないが、見つけたらボコボコにしてやる。


 「た、頼もしいです! 私はあくまでもサポートしかできませんから、残りはお願いします」

 「わかった。それで、作戦はあるのかしら?」

 「はい。私の魔法で、妙な魔力のあたりへ一時的に魔力を無効化させます。その隙に、あなたの氷魔法をお願いします」

 「オッケー、任せといて」


 作戦を確認し終わった後、私は大切なことを思い出す。


 「そう言えば、あなたの名前は?」

 「あっ、自己紹介してませんでしたね。私の名前はシルフィーです」

 「そっか、私はフィオーラ。これから私たちはチームだ、よろしく頼む」


 そう言うとシルフィーは少し恥ずかしそうに返事をした。



 私とシルフィーは、怪しまれないよう少し距離をとっている。
 彼女の魔法を確認後、速やかに犯人を探す。

 そして確認後は……どうしてやろうかしら。
 二度と悪さできないよう、教育してやろうかしらね。

 そんなことを考えていると、シルフィーが小さく合図を送ってくる。
 いよいよ、ミッションスタート!

 彼女は目を瞑り、小さく詠唱を始める。
 そして。


 「……キャンス」


 彼女が魔法を唱えた。
 チャンスは今しかない!
 彼女から事前に聞いていたポイントを探っていくと、小さくうずくまる男が。

 この町には、王都近くということもあり魔力が十分ある。
 つまり、研究所の時と違い、フルパワーで戦える。
 この距離なら届く!

 私は素早く詠唱し。


 「コルド!」


 男に向けて全力の魔法をぶつけてやった。
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