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第二章〜ブラウン王国〜
5歳児相手ってこと忘れてない?
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扉の先は聞いていたような話し合いの席ではなく、どう考えても謁見するための場所だった。
目の前には階段があって、その上に王様が座っている。
そして下には真ん中のスペースを開けて、両脇に貴族が沢山立っていた。
その貴族達は私を興味深そうに見てくる。
そんなに見られたら緊張するに決まってんじゃん! こっちはこういうの初めてなんだから少しくらい気を使えよ! なんて思ったけどそれを顔に出さないように営業スマイルで歩いた。
そして定位置に着いたのか、オリバーさんが止まって礼をしたため、私もそれに続くようにカーテシーをする。
すると周りから「おお」という謎の声が。
私なんか変なことしたかな?
「そなたは貴族の子なのか?」
王様が話しかけてきたのを見てオリバーさんが顔をあげたので、私も姿勢を直した。
「違います」
そして問われたことに平然と答える。
「そうか、それにしても見事なカーテシーだな」
「ありがとうございます」
「陛下、早速本題に入りたいのですが」
「まぁそう焦るでない。カナといったか、キングゴブリンはどうやって倒したのだ? 報告では1人で倒したと聞いているが」
焦るなと言いつつ本題を聞いてくれる王様。わかってるなぁこの人。
「額にある魔石を取りました」
すると周りがザワザワ。
「そんなバカな」とか「キングゴブリンを舐めてるのか?」とか聞こえてきたけど、こっちはいたって真面目だ。
「魔石を取るだけでは倒せないだろう?」
他の貴族の疑問を王様が代表して聞いてくる。
「倒せますよ。魔石は結構簡単に取れましたし」
「ふむ……まあそれはいいとして、キングゴブリンを倒した報酬を渡してなかったな」
そう言って王様が合図を出すと何かが運ばれてきた。
それは金色のコイン5枚。
「それは白金貨だ」
横にいたオリバーさんが教えてくれたけどちょっと待って、白金貨って1枚100万円じゃなかったっけ?
それが5枚ってことは500万?!
「ちょっ、多すぎます! っていうか自分の身を守るために倒しただけなのでいりません!」
「とは言ってもそなたが倒さなければ街に被害がでていた。遠慮せずに受け取ってくれ」
こんな大金を5歳児に渡すってどういうことだよ! オリバーさん助けて! という視線を送ってみるが、帰ってきたのはとりあえず受け取ってくれ、という視線。
「……ありがとうございます」
仕方なく受け取っておくことにした。
これで話は終わりだよね、早く退出したいんだけど。
と思っていると王様が口を開く。
「それで本題なのだが、」
って、まだ本題じゃなかったのかよ!
どうやらまだ帰れないらしい。
──────────
もう1話続きます
目の前には階段があって、その上に王様が座っている。
そして下には真ん中のスペースを開けて、両脇に貴族が沢山立っていた。
その貴族達は私を興味深そうに見てくる。
そんなに見られたら緊張するに決まってんじゃん! こっちはこういうの初めてなんだから少しくらい気を使えよ! なんて思ったけどそれを顔に出さないように営業スマイルで歩いた。
そして定位置に着いたのか、オリバーさんが止まって礼をしたため、私もそれに続くようにカーテシーをする。
すると周りから「おお」という謎の声が。
私なんか変なことしたかな?
「そなたは貴族の子なのか?」
王様が話しかけてきたのを見てオリバーさんが顔をあげたので、私も姿勢を直した。
「違います」
そして問われたことに平然と答える。
「そうか、それにしても見事なカーテシーだな」
「ありがとうございます」
「陛下、早速本題に入りたいのですが」
「まぁそう焦るでない。カナといったか、キングゴブリンはどうやって倒したのだ? 報告では1人で倒したと聞いているが」
焦るなと言いつつ本題を聞いてくれる王様。わかってるなぁこの人。
「額にある魔石を取りました」
すると周りがザワザワ。
「そんなバカな」とか「キングゴブリンを舐めてるのか?」とか聞こえてきたけど、こっちはいたって真面目だ。
「魔石を取るだけでは倒せないだろう?」
他の貴族の疑問を王様が代表して聞いてくる。
「倒せますよ。魔石は結構簡単に取れましたし」
「ふむ……まあそれはいいとして、キングゴブリンを倒した報酬を渡してなかったな」
そう言って王様が合図を出すと何かが運ばれてきた。
それは金色のコイン5枚。
「それは白金貨だ」
横にいたオリバーさんが教えてくれたけどちょっと待って、白金貨って1枚100万円じゃなかったっけ?
それが5枚ってことは500万?!
「ちょっ、多すぎます! っていうか自分の身を守るために倒しただけなのでいりません!」
「とは言ってもそなたが倒さなければ街に被害がでていた。遠慮せずに受け取ってくれ」
こんな大金を5歳児に渡すってどういうことだよ! オリバーさん助けて! という視線を送ってみるが、帰ってきたのはとりあえず受け取ってくれ、という視線。
「……ありがとうございます」
仕方なく受け取っておくことにした。
これで話は終わりだよね、早く退出したいんだけど。
と思っていると王様が口を開く。
「それで本題なのだが、」
って、まだ本題じゃなかったのかよ!
どうやらまだ帰れないらしい。
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もう1話続きます
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