30 / 36
30話
しおりを挟む
~あいside~
元凶の王様の目の前にテレポートをすると、随分と焦った様子でこちらを見ていた。
「なぜ…追い出したはずのお前らがここに」
「そりゃ復讐しに来たからに決まってるでしょ」
そのあいの言葉を聞き、護衛が王とあいの間にきて構えた。
その様子を見て王は少し余裕を持ったのか、
「力のないお前らなんかにこの国最強の護衛を倒せるわけがないだろう」
と。
まったく、おかしなことを言う。
「早くそいつらを拘束しろ!」
王の命令にしたがって護衛が襲いかかってくるが、あい達にとっては弱すぎた。
一瞬で気絶させ、残ったのは王のみ。
「なぜだ、弱いはずのお前らがなぜ…」
すると扉が急に開き、恵太達勇者一行が入ってくる。
「おぉ勇者殿。こやつらが襲いかかってくるのです。どうかお助けください!」
すぐさま助けを求める王様。
もはや王の威厳といったものは一切感じられなかった。
「………」
入ってきたクラスメイトは何も話さない。
それもそのはず、全てはシナリオ通りだからである。
味方がいなくなり1度絶望に落ちる王に、救いの手が現れたと思ったらそれさえ敵だったと。
2度も絶望に落とせるなんて最高すぎる。
「残念だったね王様。もうあなたの味方はいないよ」
「なぜだ、なぜこんなことに」
自分のやってきたことをわかっていないのだろうか。
「全てはあなたの勘違いのせい」
「勘違いだと?」
「そう。まずはステータスの勘違い。星が何を意味しているか理解していなかったこと」
「どういうことだ?」
「星は強さじゃなくて使いやすさを表しているんだよ。あなたの人家達も星の数で判断してきたんでしょう?星が少ないからって才能のある人を無駄にしてしまった」
その事実に王は驚いていた。
「そして魔王に襲われているっていう勘違い。魔王はそんなこと全く考えていなかったのにねぇ、可哀想に。国民だって魔族に悪い印象は持っていなかったよ」
「そうだったのか…」
「まああなた達に少しは感謝してるよ。クラスの仲が良くなったからね。でも、勘違いは怖いね」
すると王様は最後の頼みと言って助けを求めてきた。
「お願いだ。何でもするから助けてくれ」
「なんでも?じゃあいい政治を行って国民から慕われる王様になったら?」
流石に王様もこの状況から脱することは難しいと思っているだろう。
顔は青ざめて死んだ目をしていた。
「そろそろ行くか」
「そうだね、王様さようなら」
そして王の前には誰もいなくなった。
━━━━━━━━━━━━
ざまぁになったか分からないけどタグ追加しました。
思っていたのと違うって時はすみません(><)
あいが悪役に見えた…
元凶の王様の目の前にテレポートをすると、随分と焦った様子でこちらを見ていた。
「なぜ…追い出したはずのお前らがここに」
「そりゃ復讐しに来たからに決まってるでしょ」
そのあいの言葉を聞き、護衛が王とあいの間にきて構えた。
その様子を見て王は少し余裕を持ったのか、
「力のないお前らなんかにこの国最強の護衛を倒せるわけがないだろう」
と。
まったく、おかしなことを言う。
「早くそいつらを拘束しろ!」
王の命令にしたがって護衛が襲いかかってくるが、あい達にとっては弱すぎた。
一瞬で気絶させ、残ったのは王のみ。
「なぜだ、弱いはずのお前らがなぜ…」
すると扉が急に開き、恵太達勇者一行が入ってくる。
「おぉ勇者殿。こやつらが襲いかかってくるのです。どうかお助けください!」
すぐさま助けを求める王様。
もはや王の威厳といったものは一切感じられなかった。
「………」
入ってきたクラスメイトは何も話さない。
それもそのはず、全てはシナリオ通りだからである。
味方がいなくなり1度絶望に落ちる王に、救いの手が現れたと思ったらそれさえ敵だったと。
2度も絶望に落とせるなんて最高すぎる。
「残念だったね王様。もうあなたの味方はいないよ」
「なぜだ、なぜこんなことに」
自分のやってきたことをわかっていないのだろうか。
「全てはあなたの勘違いのせい」
「勘違いだと?」
「そう。まずはステータスの勘違い。星が何を意味しているか理解していなかったこと」
「どういうことだ?」
「星は強さじゃなくて使いやすさを表しているんだよ。あなたの人家達も星の数で判断してきたんでしょう?星が少ないからって才能のある人を無駄にしてしまった」
その事実に王は驚いていた。
「そして魔王に襲われているっていう勘違い。魔王はそんなこと全く考えていなかったのにねぇ、可哀想に。国民だって魔族に悪い印象は持っていなかったよ」
「そうだったのか…」
「まああなた達に少しは感謝してるよ。クラスの仲が良くなったからね。でも、勘違いは怖いね」
すると王様は最後の頼みと言って助けを求めてきた。
「お願いだ。何でもするから助けてくれ」
「なんでも?じゃあいい政治を行って国民から慕われる王様になったら?」
流石に王様もこの状況から脱することは難しいと思っているだろう。
顔は青ざめて死んだ目をしていた。
「そろそろ行くか」
「そうだね、王様さようなら」
そして王の前には誰もいなくなった。
━━━━━━━━━━━━
ざまぁになったか分からないけどタグ追加しました。
思っていたのと違うって時はすみません(><)
あいが悪役に見えた…
475
あなたにおすすめの小説
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる