【書籍化予定】どこからが浮気になるんだ?と、旦那様はおっしゃいました。

iBuKi

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 リュック・コルトー室長の長い語りを聞かれた。

 “”のではなく、“”。室長の長い長い独白を。

 転生者だからといって囲われるのではなく、知識の価値云々で転生者と認めて貰えない場合もあるという事も分かった。
 前世の旦那であれば知識の価値はあるだろう。
 彼は使う側では無く、作る側だったから。
 私の様に転生者とバレると不味い事に早々に気付いて、上手く隠したのかもしれない。
 ただまだ出て来てないだけなのだとしたら、前世の旦那もこの世界に居たりするのかなと思った。

「詳しい説明有難うございます。転生者であるという事は、仰る通り封蝋で怪しまれてると思います。私の前世の記憶を話し王城に出向けば、即囲われるだろう事を想定していましたので、そこも概ね予想通りです。」

「そうだな、イルヴァの知識が明るみになれば、もう逃げられないと思った方がいい。」
 神妙に話すコルトー室長。

「室長は王宮でお仕事をされてるんですよね?それも、転生者管理の室長ですし。私に話してくれた詳細なお話だってそうです。それに私の前世の記憶を隠蔽する事は、国を裏切る事になりませんか?」

 ここに来るまでは、室長を丸め込む気満々で来たのに、室長が理解がある人過ぎて、逆に心配になった。

「そうだな…裏切りになるだろうな。「ですよね…!?」」
 室長の言葉に思わずかぶせ気味に返答してしまう。


「イルヴァの今世、そして前世を話して貰って確信したんだよ。イルヴァはこの国の四人目の転生者に確実になる。今の年齡十五歳の若さから考えても、間違いなく王家と婚姻を結ばされる。第一王子には婚約者が居るが、都合良くこの国の公爵家と結んでいる。他国なら拗れるかもしれないが、国内だ。この国の為なら解消するだろう。
 イルヴァがそれで良いと腹を括って王宮に来たんなら、それでもいいさ。
 だけど、違うよな?公爵家の旦那に気持ちを残してるんだろう?
 だからさ、イルヴァに旦那としっかり話し合って貰って、それで離縁するなら転生者として真実を話して貰うけど…離縁しないなら、愛し合っているなら、普通の転生者として暮らさせてあげてもいいんじゃないかって。
 素晴らしい知識を持っている転生者は全てを国に捧げなければいけないのか?全て諦めて?それはおかしいと誰も言わないし言えない世界がおかしいんだよ。
 だから、イルヴァに選択権くらい与えたい。
 ――――旦那と話し合って来い。
 それが終わったら、どうなったかまた連絡くれ。その時に話そう。」

 何て男前な室長なんでしょうか…ちょっと感動してしまう。
 前世の旦那とちょっと似てるなって思った。

「少し気になる程度なんですけど、いいですか?」
 最初から気になっていた事がある。

「なんだ?いいぞ何でも言え」

「室長、私室長と初対面ですし…何ならお互い貴族です。凄い気安い態度というか親身といいますか…何でですか?元からくだけた方でしたら、ごめんなさい。」

 呼び捨てに馴れ馴れしい会話、どこか前世とかで会ってるとか?

「前世は中世ヨーロッパだっていっただろ?イルヴァの日本?って国も知らないぞ。話し方が気に触ったか?」

「そですか……まぁ私も前世ではこんなに丁寧に話しませんし、気は楽なので。」
 そうだよね、中世ヨーロッパだって言ってたものね。

「では、一度公爵家に帰り、アンドレ様とお話してきます。今までの事これからの事。私の秘密もアンドレ様が話さなかった事情も全て話しますし聞いてきます。」

「うん、それがいい。今度は間違うなよ。イルヴァは想像だけで突っ走るな。旦那は言葉が少なすぎだ。」

「ふふっ、良くわかりますね。わかりました。」
 的確な指示に笑ってしまった。

「それでは、また」

 ――――現世で学んだカーテシーを披露して、私は転生者管理室を退室した。

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