魅了魔法…?それで相思相愛ならいいんじゃないんですか。

iBuKi

文字の大きさ
11 / 26

11話 ツンデレの友達はいます。

しおりを挟む
 入学式典の開始時間は遅れたものの、始まってしまえば、混乱もなくスムーズに進行した。

 そもそも学園側も、何も考えずに入学式典の日を迎えた訳では無い。

 皇国一の人気を獲得しているであろう皇子が、茶会や視察等でしか見れぬお姿を拝見する事が出来るのだ。絵姿や遠目でしか拝見出来ない者は多く、この機会に期待するのは仕方の無いことだ。
 皇宮を離れ学園に通う姿が日々続けば、周りも馴れて熱も落ち着くだろうが、本日はその初日、警戒しすぎても足りないくらいである。

 皇子専属の護衛騎士達と皇国騎士団、それらと連携し、厳戒態勢を敷いている。

 入学式典に参加する際に起こりうるあらゆる可能性をシュミレーションしていた為、学園入口ね混乱も混雑も想定内であった。

 学園長の挨拶の後、新入生代表はクロード皇子、そして生徒会長のサフィリーンの兄のジャスティン・ル・オルペリウスが歓迎の挨拶をする。
 どの演説も大きく時間を取っている為、開始時間が遅くともそこで調整が出来るのだ。

 今は学園長が式典の壇上に立ち、新入生への歓迎と在校生の話、学園の学びの種類などを話していた。




 上位貴族専用席でサフィリーンはぼんやりと学園長の演説に耳を傾けている。


(どの世界も学園長が話す内容は似たり寄ったりよね。)

 サフィリーンの前世と似た光景に、ほんわりと気持ちが和む。

 身分関係ない交流を図ると学園長は語っているけれど、入学式典ですら上位貴族と下位貴族に席すら分けられている。
 クラス分けもS、A、B、C、Dに分けられているが、Sは上位貴族しか居らず、Aも半数は上位貴族である。
 サフィリーンもクロードもSである。
 上位貴族にはサフィリーンしか女の子が居ない。という事はSクラスには女の子はサフィリーンしか居ないのだ。
 学園で女の子のお友達が欲しかったサフィリーンはガッカリである。

 お茶会では常に皇子がべったりで、友達作りなど出来る雰囲気など皆無。
 友達作りというより縁繋ぎ目的の匂いがプンプンであるし、クロード皇子に取り入りあわよくば的な視線や態度しかない。
 ライバル視しかされてない茶会など楽しくもないのだ。

 そんな中でも奇跡的に友達になれた子が1人だけいる。
 ラミナ・ノ・メイオール伯爵令嬢だ。
 炎のうにオレンジがかった赤い巻き毛と、鮮やかな緑色の瞳の彼女は、つり目のせいかキツイ性格に見える。
 見た目に似合うツンデレな彼女は、最初はクロード皇子と仲良くなりたかったらしい。

 が、ツンデレな性格の為、好意的な雰囲気は微塵もない。

 挨拶を終え、クロード皇子からも儀礼的な挨拶とアルカイックスマイルを貰った後、他の令嬢のように場を退くかと思いきや、素っ気ない態度ながらもその場で皇子に話しかけ続ける。
 皇子は笑みを崩さず、しかし何も答えず。
 所謂、全スルーされた。

 サフィリーンがメイオール伯爵令嬢の気力に感心していると、隣に立つサフィリーンをチラとメイオール伯爵令嬢が見る。


 クロード皇子の隣に半ば強制的に立たされている私に、今気づいたという顔をささたメイオール伯爵令嬢は、
「どうしてもというなら、お友達になってあげてもよくってよ。」
 と言ってきた。

 私が答えるより前に皇子が「断る。」と一言。

 メイオール伯爵令嬢が縋るような視線で私を見つめるので、
「いいですよ。お友達になりましょう」
 と私は答えていたのだ。

 微笑む皇子の顔が何だか怖かった。


 とまあ、その時の流れでメイオール伯爵令嬢と友達になった私は、何度か文通をした。


 メイオール伯爵令嬢の手紙は丁寧な綺麗な字で綴られており、手紙の彼女はツンデレではなく普通の優しい女の子だった。
 すぐに文通が楽しくなった。

 その後、何度か皇子を含めた交流をして、私とメイオール伯爵令嬢は友人と呼べる程には親しくなった。
 お茶をしたり、街に互いの護衛を連れてお出かけを計画して遊びに行き、カフェや雑貨屋巡りをした。
 皇子もいる為、警護が凄い人数になったので、雑貨屋も少ししか行けなかったけれど。

(皇子は関係ないのに毎回参加してきて、正直、少し邪魔だった。)

 始まりはアレだけど、今ではとても仲良しなつもりなのだ。


 そんな彼女とはクラスは分かれてしまった。
 メイオール伯爵令嬢ラミナはAクラスだ。
 ラミナ以外のお友達を作り、ラミナを紹介して仲良しグループ作りたかったのに…残念。

 ラミナはツンデレな為、ラミナに新しく友人を作って貰うのは難しそうだしなー。

 そんな事を考えていたら、いつの間にか学園長の挨拶は終わっていた。

 次はクロードの出番である。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

アリーチェ・オランジュ夫人の幸せな政略結婚

里見しおん
恋愛
「私のジーナにした仕打ち、許し難い! 婚約破棄だ!」  なーんて抜かしやがった婚約者様と、本日結婚しました。  アリーチェ・オランジュ夫人の結婚生活のお話。

じゃない方の私が何故かヤンデレ騎士団長に囚われたのですが

カレイ
恋愛
 天使な妹。それに纏わりつく金魚のフンがこの私。  両親も妹にしか関心がなく兄からも無視される毎日だけれど、私は別に自分を慕ってくれる妹がいればそれで良かった。  でもある時、私に嫉妬する兄や婚約者に嵌められて、婚約破棄された上、実家を追い出されてしまう。しかしそのことを聞きつけた騎士団長が何故か私の前に現れた。 「ずっと好きでした、もう我慢しません!あぁ、貴方の匂いだけで私は……」  そうして、何故か最強騎士団長に囚われました。

婚約者を追いかけるのはやめました

カレイ
恋愛
 公爵令嬢クレアは婚約者に振り向いて欲しかった。だから頑張って可愛くなれるように努力した。  しかし、きつい縦巻きロール、ゴリゴリに巻いた髪、匂いの強い香水、婚約者に愛されたいがためにやったことは、全て侍女たちが嘘をついてクロアにやらせていることだった。  でも前世の記憶を取り戻した今は違う。髪もメイクもそのままで十分。今さら手のひら返しをしてきた婚約者にももう興味ありません。

断罪された公爵令嬢に手を差し伸べたのは、私の婚約者でした

カレイ
恋愛
 子爵令嬢に陥れられ第二王子から婚約破棄を告げられたアンジェリカ公爵令嬢。第二王子が断罪しようとするも、証拠を突きつけて見事彼女の冤罪を晴らす男が現れた。男は公爵令嬢に跪き…… 「この機会絶対に逃しません。ずっと前から貴方をお慕いしていましたんです。私と婚約して下さい!」     ええっ!あなた私の婚約者ですよね!?

もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません~死に戻った嫌われ令嬢は幸せになりたい~

桜百合
恋愛
旧題:もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません〜死に戻りの人生は別の誰かと〜 ★第18回恋愛小説大賞で大賞を受賞しました。応援・投票してくださり、本当にありがとうございました! 10/24にレジーナブックス様より書籍が発売されました。 現在コミカライズも進行中です。 「もしも人生をやり直せるのなら……もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません」 コルドー公爵夫妻であるフローラとエドガーは、大恋愛の末に結ばれた相思相愛の二人であった。 しかしナターシャという子爵令嬢が現れた途端にエドガーは彼女を愛人として迎え、フローラの方には見向きもしなくなってしまう。 愛を失った人生を悲観したフローラは、ナターシャに毒を飲ませようとするが、逆に自分が毒を盛られて命を落とすことに。 だが死んだはずのフローラが目を覚ますとそこは実家の侯爵家。 どうやらエドガーと知り合う前に死に戻ったらしい。 もう二度とあのような辛い思いはしたくないフローラは、一度目の人生の失敗を生かしてエドガーとの結婚を避けようとする。 ※完結したので感想欄を開けてます(お返事はゆっくりになるかもです…!) 独自の世界観ですので、設定など大目に見ていただけると助かります。 ※誤字脱字報告もありがとうございます! こちらでまとめてのお礼とさせていただきます。

十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!

翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。 「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。 そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。 死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。 どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。 その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない! そして死なない!! そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、 何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?! 「殿下!私、死にたくありません!」 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ ※他サイトより転載した作品です。

平凡令嬢は婚約者を完璧な妹に譲ることにした

カレイ
恋愛
 「平凡なお前ではなくカレンが姉だったらどんなに良かったか」  それが両親の口癖でした。  ええ、ええ、確かに私は容姿も学力も裁縫もダンスも全て人並み程度のただの凡人です。体は弱いが何でも器用にこなす美しい妹と比べるとその差は歴然。  ただ少しばかり先に生まれただけなのに、王太子の婚約者にもなってしまうし。彼も妹の方が良かったといつも嘆いております。  ですから私決めました!  王太子の婚約者という席を妹に譲ることを。  

無価値な私はいらないでしょう?

火野村志紀
恋愛
いっそのこと、手放してくださった方が楽でした。 だから、私から離れようと思うのです。

処理中です...