侯爵に買われた妻Ωの愛と葛藤

金剛@キット

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37話 アルファの恋バナ アーヴィside

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 第二騎士団、副団長の執務室に、オウロ公爵が珍しく剣を腰に下げて現れた。



「公爵… 珍しいですね? アナタがココに来るなんて!」

 アーヴィは首を捻りながら椅子から立ち上がり、執務机に両手をつく。


「私もアルファの男だ、魅力的なオメガに出会った時、自分がどうなったかは今もよく覚えている」

 ニヤリと笑うオウロ公爵に、アーヴィは苦笑いを浮かべる。

「ソレは公爵夫人の話ですよね? 違うのなら私の前では口に出さないで下さい! 奥様に嘘は付けませんから」

「もちろん妻のコトだ! 弟のクリステルに一度紹介されたきり、7年後に再会したら、私はその場で結婚を申し込んだからな」

「へえぇ~ソレは初耳です… 出会って2度目で結婚したと?」

「ああ、結婚を申し込んだ2時間後には教会で結婚していた」

「何ですって?!」


「お前はどうだ? トーリアを教会に連れて行きたいか?」


 アーヴィはハッと息を呑む。

「…アイツが話したのですか?」

<まさか… ヴィトーリアはそんな奴ではないはずだ!!>


「下の義弟に盗み聞きされて、また醜聞騒ぎになると、先にこちらへ打ち明けたのだ」

 オウロ公爵は腕組みして、興味津々でアーヴィを観察する。


「盗み聞き? アイツが私との話を… 誰に話したというのですか?」

「上の義弟だそうだ」

「何故、そんなコトを?!」

「さあ、ソレは本人に確認してみろ! ソレでお前はどうする気だ?」

「アイツと話し合います」


「ソレでは遅い!」

 ジロリとオウロ公爵に睨まれた。


「・・・・・・っ!」

 眉をひそめるアーヴィ。


「トーリアは愛人で良いと… ソレが嫌ならお前に会わず王都を出ると、荷物をまとめている」

「愛人!? アイツは一体、何を考えてそんな…っ!」

「当然、お前のコトを考えてだろうな… アレは良い子だ! 賢くて根性もある、ソレに情も深い」

「…ああ、そうか! そうですね… 確かに!」

「さぁ、どうするアーヴィ?」
 

 大きな身体で威圧するように、前のめりになり尋ねるオウロ公爵。


「結婚します!」


「ヨシ!!」


 満足そうに笑い、上着の内側を探りオウロ公爵はアーヴィの執務机に、勢いよく書類をバンッと置く。


「結婚許可証だ!」


「コレはまたズイブン用意が良いですね?」
 さすがに笑うアーヴィ。


「ココへ来る前に寄り道をして役人を説得して(脅して)即、取得した」


「私に結婚する気が無かったらどうする気だったのですか?」

 ニヤニヤ笑いのアーヴィに、オウロ公爵は少し怖い顔をして、剣の柄をトントンと叩く。



「お前は右手に別れの挨拶をするコトになっただろう」


「・・・・・・」




 アーヴィが知る中でオウロ公爵ほど、有言実行の人はいない。








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