竜血公爵はオメガの膝で眠る~たとえ契約結婚でも…

金剛@キット

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45話 腕の中 ※R18

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 あたたかくて気持ちの良いベッドで、アルセは浅い眠りと深い眠りを、行ったり来たりしていると… うっとりとするような、良いにおいがして、アルセは匂いの元にスリスリと鼻をすり寄せる。
 そして、スゥ―――ッ… ハァ―――ッ… と深く… 深く… 呼吸をして、胸を大きくふくらませ、アルセはその匂いを、たっぷりと吸い込んだ。

「んんん~…」
 身体がポカポカして気持ち良い… でもお腹の奥が、なんかムズムズする…? それに、お尻の奥も… なんかジクジクしてうずく…ような? …んんん?!

 眠りから目覚めつつあるアルセの唇に、あたたかい何かが触れ… チュウッ… と吸われる。
 閉じていたまぶたをゆっくり開くと… アルセの唇からエスパーダが離れ、顔をあげた。

「……あ」
 エスパーダ様…?

 ドキッ…! とするほどつやっぽく、頬をうっすらと赤く染めたエスパーダが、かすれた声でアルセの耳元でささやいた。 

「すまない、アルセ… 我慢がまんできなくて…!」

 エスパーダはふたたびアルセの唇にキスをする。
 ヂュッ… と強く吸われて、アルセが唇を開くと… エスパーダのしたがアルセの舌にからみつく。

「んんっ…?!」
 わぁ…?! エスパーダ様にいっぱいキスのしかたを、教えてもらったけど… こんなキスは初めてする! ドキドキする! わぁっ……?! ああ… それに、うなじからお尻の奥まで、ゾクゾクする… 何で?!
 …というか、僕は今までエスパーダ様のベッドで眠っていたの?! うわあっ!! 僕はまた、やらかしたぁ?! 迷惑めいわくかけちゃった?

「…アルセ…! クソッ…もうダメだ!」
 唇を離したエスパーダが、ハァッ… ハァッ… ハァッ… ハァッ… と熱い息をはきながら、アルセの耳をキュッ… と甘噛あまがみする。

「あっ… んんっ?!」
 敏感びんかんな耳を刺激され、アルセがブルッ… と身体を震わせると、眠りの中で感じていた、あの良いにおいにフワリと包まれる。
 それも… 何倍も濃くて強い匂いだ。
 カァ―――ッ… と身体の中から急激に熱くなり、アルセもハァッ… ハァッ… ハァッ… ハァッ… と熱い息をはき出す。 

「この匂い… じゃない!! フェロモン?!」
 アルファのフェロモン?! エスパーダ様のフェロモンだったの?! ああ… こんなにびたら発情しちゃうよぉ…?!
 いや、もう発情してる?! だって、眠りながら僕は、ずっと気持ちが良くて… クンクンしていたし!!
 
 自分はすでに発情していると、自覚すると… トロトロと体内からあふれだしたみつで、アルセは自分の下着が、ぐっしょりと濡れていることにも気がついた。


「たぶん、私の隣で眠ってしまったから… 私の存在に、刺激されたのだろう… 君が眠っている間に… 君から放たれた、オメガのフェロモンで…… 私も我慢出来なくて… アルセ、すまない!」

 エスパーダは説明をしながら、本当に我慢できないらしく、アルセの首筋にキスをおとす。

「はっ…! 抑制剤飲んでない!」
 普段、夜の寝ている時間は、誰にも会わないから… 抑制剤は朝になってから飲むようにしている… だから、エスパーダ様のケガにばかり気を取られて、抑制剤のことを忘れていた! 

「アルセ…  アルセ…! クソッ… 君から離れられない!」

「エスパーダ様… どうしよう?! どうしよう?! どうしよう……っ…」

 どうしよう?! …と言いながら、アルセは目の前にあるエスパーダの、美味おいおいしそうな唇から目が離せなくなり… そのまま吸い寄せられるように、夢中でキスをした。
 



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