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90話 昏睡2
しおりを挟むアルセはふと… 漆黒の暗闇の中で目覚めた。
「んんんっ……?」
白銀に輝く巨大な白いトカゲが、暗闇の中で動き… するどい爪がはえた手をアルセにのばし、語りかけてきた。
『グラーシア…ノ番… グラーシアノ子… 孕メ… 次ノ宿主… 孕メ…!』
「嫌…だ…!」
ああ、またティエーラの竜か…?! 僕はエスパーダ様との約束を、絶対に守るつもりだ! だから、こいつの思いどおりにさせる気はない!!
ティエーラの竜の金の眼を、アルセはジロリと睨みつけた。
『孕メッ……! 孕メッ……! 孕メッ……! 我ノ宿主… グラーシアノ子… 孕メ…』
金の眼をギラギラと光らせ、ティエーラの竜は大きな手でアルセの首をしめ脅し始めた。
「・・・ぐっ?!」
お前が何を言っても無駄だ! 僕が嫌だと言ったら、嫌なんだよ!! これ以上エスパーダ様を、苦しめることなんて出来ない!!
いくらアルセが拒絶しても、ティエーラの竜は引くことを知らない。
アルセの首をしめるのをやめると… 今度は足首をつかみ大きく左右に開き、普段は隠れているオメガの性器がさらされた。
「やめ… やめ…ろ…!!」
ああ、クソッ…! このトカゲ野郎! 僕を犯す気か?! 獣が…! コルティナ侯爵と言い… まったく…!! 止めろ!! クソッ…!! なんでこいつにまで、犯されなければいけないんだ?! クソッ…!!!
アルセは抵抗しようと手足を動かすが… まるで錘でもついているかのように重い。
そのうえ、なぜか身体じゅうが焼けるように痛く… アルセは動きをとめて、うめき声をあげた。
「ううっ…くっ…?!!」
少しでも動こうとすると、激痛で死にそうだ! 特にうなじの痛みが……?? ああ、そうか… コルティナ侯爵に噛まれたんだ! それに猟犬に襲われて…… クソッ…痛いよぉ…
痛みでピタリと動きをとめていたアルセに… ティエーラの竜は愛撫も何もなく、強引にオメガの性器をつらぬいた。
「痛っ…やめ… このトカゲ野郎! 何するんだ?! 獣めっ!! うわっ…やめろ!! 嫌だっ!! 嫌っ…… うわああぁぁぁ―――っ!!」
ティエーラの竜に犯され、アルセの下腹に新たな激痛が走るが… 不思議なことにすぐに痛みがなくなった。
コルティナ侯爵に噛まれた、うなじのひどい痛みも… 猟犬たちに襲われ身体中にあった、噛み傷の痛みも… すべてアルセから消え去った。
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