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35話 蜜月の後は濃密に2 ボルカンside ※R18

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「そうだな… それよりカナル、何か必要なものはあるか? 困ったことは無いか? 使用人に意地悪な奴はいないか?」

「いえ、ですから陛っ… んんっ…!」

<私の寝室を出て、初めての場所で暮らすことに不安を感じてはいないかと、補佐官のベンタナを振り切って様子を見に来たというのに… カナルめ!! 私を追い返そうとするとは…っ! どんなお仕置きをしてやろうか?!>

 ボルカンに執務室へ戻り仕事をしろと、生真面目に諭す年下の美しい番のことが、急に憎らしくなり…
 いつも微笑んで見える、ほんの少し口角が上がり気味の薄い唇を塞ぎ、話を遮った。


 チュクチュク… チュッ… チュチュ…ッ… とボルカンが唇を吸うと…

「んんん~…ううん~… んん~っ…」
 満足そうにうめきながら、カナルの唇がゆるゆると開きボルカンの舌を、嬉々としながら招き入れた。

<キスで目覚めさせた私を見た時、あんなに嬉しそうな顔をして笑っていたのに… そのまま素直に私を欲しがれば良いのだ…! まったく、憎い奴め!!>
 
 唇を重ねたままボルカンはニヤリと笑い、一層深くカナルを味わう。


 体温が低く、いつもヒヤリッ… と冷たいカナルの手が、ボルカンの顎から首筋まで愛撫した後…
 ぐぐっ… と伸び上がりボルカンの首に腕を回す。

 唇を離して、ボルカンは小さな顔を見下ろすと…
 濃紺の瞳をカナルは欲望で潤ませて、ボルカンを挑発するように濡れた唇をぺろりと嘗めた。

「ボルカン様ぁ…?」
 キスを一方的に中断され、物足りなさそうにボルカンの名を呼び…
 カナルはチュウゥ――… とボルカンの耳に吸い付いてから、甘噛みをして、ふわりと芳純なオメガの誘惑フェロモンを放つ。

 ボルカンの番となったカナルは、抑制剤の服用を止めているため、ボルカンが刺激すれば、すぐに発情の徴候ちょうこうがあらわれてしまうのだ。

(本格的な発情期を終えたばかりのカナルの身体は、さすがに兆候が出ても一時的な発情で終わってしまう)


 オメガの一番の性感帯である、歯形が残る白い項を揉みながら、ボルカンは細い首筋をチュッ… チュクッ… チュチュッ… と吸い、唇をすべらせた。

「はあっ… ボルカン様… んんっ… ボルカン様ぁ…!」
 淫らなおねだりをする時は、名前を呼ぶようにと… ボルカンに言われた通り、カナルはもっと淫らな刺激を求めて、何度も名前を呼ぶ。

「どこに何が欲しい… カナル?」
 カナルに煽られ熱くなった身体を冷ますように… ハァッ… ハァッ… とボルカンは荒い息を吐きながらたずねた。

「全部… ボルカン様が全部欲しい!」
 ブルブルと震える手でカナルは、ボルカンが贈った最高級の絹で仕立てた光沢のある上着を脱ぎ、手編みのレースで飾られた、ブラウスのボタンを1つずつ外す。

 恥かしそうに顔だけでなく、いつもは青白い胸まで真っ赤に染めているが… カナルはボタンを外す手を、止めることは無かった。

 ボルカンのヒザの上から下りて、しゅるっ… しゅるっ… と衣擦れの音を立てて、カナルは着ていた服を脱ぐと、絨毯の上へ順番に落としてゆく。


<本当は顔から火が出そうなほど、恥かしがっているくせに… ふふふっ… カナル、背中まで真っ赤になっているぞ? なんて可愛い奴なんだ!!>



 ニヤニヤ笑いが止まらなくなったボルカンは、優美なカナルの背中を堪能しつつ、自分も上着の留め具を順番に外した。





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