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52話 結婚式
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――――――結婚式当日。
デスチーノが自分たちの結婚式のために選んだ、第一騎士団本部の敷地内にある礼拝堂は、質素で素朴な石造りの建物で… 質実剛健が基本の騎士たちの精神性をあらわし、貴族的な華美で煌びやかな装飾が、一切排除されているのだ。
代わりに、祭壇の前に立てば自然と、背筋がピンッと伸びるような、厳かな空気がただよっていて…
デスチーノは勿論だが、普段はふんわり笑顔で、おっとりとしているアディも、緊張した表情でキリリと凛々しい雰囲気をまとっている。
アディが緊張する理由は、礼拝堂の空気以外にもう一つあった。
2人の結婚式を執り行う司祭が普通の司祭ではなく、この国でただ一人、剣聖の称号を持つ騎士だったからだ。
(国王と国教会から称号を与えられるため、剣聖は司祭の資格も同時に与えられている)
神を背にし両肩に金の房飾りを付けた、艶やかな漆黒の騎士服に身を包み、剣を腰に下げた司祭を務める、騎士の最高位に就く剣聖が威厳に満ちた声で2人に問う。
「共に歩むことを誓うか?」
「誓います!」
「誓います!」
アディとデスチーノは祭壇を背にして立つ、剣聖の前に手をつないで跪き…
2人は誓いを立てた。
デスチーノは腰の左側に騎士の象徴である剣を差し、純白にブルーの縁取り、金糸の刺繍を施された騎士の礼装姿だ。
アディの姿は、仕立て屋が提案した、フリルやリボンを付けず、すっきりとした印象を受ける騎士服風の花嫁衣裳を採用し…
トルセールは色白の肌がアディを病弱に見せないようにと、生地にこだわり、純白ではなく光沢のある黄みを帯びた白(クリーム色)にして、窓から差し込む淡い光がアディを照らした時だけ、光が反射しキラキラとパールホワイトに輝いた。
「天使だね…?」
「天使だな!」
礼拝堂の長椅子に座り、アディの清楚で可憐な姿を見て、オエスチ侯爵夫妻は仲良くぽつぽつとつぶやく。
スミレ色の瞳にじわりと滲んだ嬉し涙を、トルセールはちょんちょんとハンカチのはしでぬぐいながら、侯爵夫妻のつぶやきを聞き… 扇で唇を隠しニヤニヤと笑った。
参列者席にはオエスチ侯爵夫妻以外に、ちょうど時間が出来たデスチーノの部下たちが何人かと、ジェレンチ公爵邸の古株の使用人たち、従者のカディラとフェイラが座っていた。
社交界に向け、2人の結婚式を告知したわけではないので、参列者は身内だけである。
剣聖は神の前で宣言した。
「この2人の結婚を許可する―――!!」
琥珀色の瞳を潤ませて、アディは手を繋いだ夫を見あげると… デスチーノは感動で頬をバラ色に染めた新妻を見下ろし、満面の笑を浮かべる。
「2人とも、何をしている! さっさと最初のキスをしなさい!」
司祭を務めた剣聖は、ニヤリと笑いながら急かした。
デスチーノが自分たちの結婚式のために選んだ、第一騎士団本部の敷地内にある礼拝堂は、質素で素朴な石造りの建物で… 質実剛健が基本の騎士たちの精神性をあらわし、貴族的な華美で煌びやかな装飾が、一切排除されているのだ。
代わりに、祭壇の前に立てば自然と、背筋がピンッと伸びるような、厳かな空気がただよっていて…
デスチーノは勿論だが、普段はふんわり笑顔で、おっとりとしているアディも、緊張した表情でキリリと凛々しい雰囲気をまとっている。
アディが緊張する理由は、礼拝堂の空気以外にもう一つあった。
2人の結婚式を執り行う司祭が普通の司祭ではなく、この国でただ一人、剣聖の称号を持つ騎士だったからだ。
(国王と国教会から称号を与えられるため、剣聖は司祭の資格も同時に与えられている)
神を背にし両肩に金の房飾りを付けた、艶やかな漆黒の騎士服に身を包み、剣を腰に下げた司祭を務める、騎士の最高位に就く剣聖が威厳に満ちた声で2人に問う。
「共に歩むことを誓うか?」
「誓います!」
「誓います!」
アディとデスチーノは祭壇を背にして立つ、剣聖の前に手をつないで跪き…
2人は誓いを立てた。
デスチーノは腰の左側に騎士の象徴である剣を差し、純白にブルーの縁取り、金糸の刺繍を施された騎士の礼装姿だ。
アディの姿は、仕立て屋が提案した、フリルやリボンを付けず、すっきりとした印象を受ける騎士服風の花嫁衣裳を採用し…
トルセールは色白の肌がアディを病弱に見せないようにと、生地にこだわり、純白ではなく光沢のある黄みを帯びた白(クリーム色)にして、窓から差し込む淡い光がアディを照らした時だけ、光が反射しキラキラとパールホワイトに輝いた。
「天使だね…?」
「天使だな!」
礼拝堂の長椅子に座り、アディの清楚で可憐な姿を見て、オエスチ侯爵夫妻は仲良くぽつぽつとつぶやく。
スミレ色の瞳にじわりと滲んだ嬉し涙を、トルセールはちょんちょんとハンカチのはしでぬぐいながら、侯爵夫妻のつぶやきを聞き… 扇で唇を隠しニヤニヤと笑った。
参列者席にはオエスチ侯爵夫妻以外に、ちょうど時間が出来たデスチーノの部下たちが何人かと、ジェレンチ公爵邸の古株の使用人たち、従者のカディラとフェイラが座っていた。
社交界に向け、2人の結婚式を告知したわけではないので、参列者は身内だけである。
剣聖は神の前で宣言した。
「この2人の結婚を許可する―――!!」
琥珀色の瞳を潤ませて、アディは手を繋いだ夫を見あげると… デスチーノは感動で頬をバラ色に染めた新妻を見下ろし、満面の笑を浮かべる。
「2人とも、何をしている! さっさと最初のキスをしなさい!」
司祭を務めた剣聖は、ニヤリと笑いながら急かした。
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