伯爵夫人Ωの攻防

金剛@キット

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38話 夜明け前 パセィオside




「クソッ…!! クソッ…!! クソッ…!!」  

 馬の手綱を握り、馬車を走らせながら…

 見晴らしの良い高い御者席に座り、パセィオは罵り声を、何度も上げた。



 王弟の、護衛任務で隣国から、帰国したばかりで、疲れているのに…

 騎士団本部に、報告をしに顔を出したら、団長に即刻、王都を去れと言われ、慌てて出て来たが…

 パセィオは、腹が立って仕方なかった。

<王太子殿下の、地方視察の護衛任務も、王弟殿下の外国訪問の護衛任務も、普通に考えると有り得ないほど、僕ダケこき使われた!! ソレは、最初から団長が、僕に嫌がらせをしていたからに違いない!!>


  ずっと、自分の剣の腕を、団長に買われて、忙しい護衛任務を、続けて任されたのだと…

 同僚からもそう言われ、パセィオはそう信じ込んでいた。



 実際は、ただ単に同僚たちは、不機嫌なパセィオの扱い方を、良く心得ていたダケなのだ。

 そのコトを、知らないのは、本人のパセィオだけだった。


 文句を言いつつもパセィオは、自分は特別扱いされているのだから、仕方ないと…

 密かにそのコトを、自慢にさえ思っていたのだから。


 パセィオは、自分が特別扱いされるのは、当たり前だと、傲慢にも、そう思っていた。

 フェーリアスとの結婚で、カルナヴァウ伯爵位の肩書を、前伯爵から引き継いだコトも…
 
 パセィオの傲慢な傾向を、増長させた原因の、1つとも言える。

 今はその伯爵位さえ、フェーリアスの手で、長男アスーカルへと引き継がれていて、パセィオはまだ、そのコトを知らない。



<もしかすると、近いうちに隊長へ、昇進するかもしれないと、期待していたのに!!>

「クソッ…! クソッ…! クソッ…!  ヴァーリの野郎!! アイツより僕の方が、腕は上なのに!! あんな奴!! あんな奴!!」


 期待を、裏切られたダケではなく、パセィオは団長にコケにされ…

 ようやくそのコトに気付き、パセィオは今頃、腹を立てているのだ。


 そして、同僚たちだけでなく…

 愛人たちもまた、パセィオの扱い方を心得ていた。



「薄情な奴らだ!! クソッ…!!」

<やっと外国から帰って来たのだから、オメガたちと、楽しめると思っていたのに!>

 当然、ヴァーリはパセィオと同じ、護衛任務には、オメガの騎士は、一人も同行させなかった。

「クソッ…!! 今は一度に2人を、相手にしても、足りないぐらいだ!!」

 ほんの少し、愛人たちとの情事を思い出したダケで、パセィオの性器は熱く猛り、下腹に痛みを感じていた。


<もうダメだ、我慢も限界だ!! 次の宿まではと思ったが… 痛くて堪らない!!>

「そうだ、今すぐアイツを躾けてやろう!! ココなら外でやっても、誰も気にしないさ」

 硬く張り詰め、下着の中で痛む性器を、パセィオは自分で撫でながら、何度も唇を嘗めると…

「お楽しみの時間だぞ、フェーリアス… クッ…クッ…ククッ…クッ… クッ…!」
 
 野卑な笑い声を上げた。


 馬車を停めておくのに丁度良い場所を、道の脇に見つけ、手綱を引き、馬をゆっくり歩かせて止まる。

「夜明けが近いからな… 早くヤラナイと朝になっちまう!」



 ニヤニヤと笑いながら、パセィオは高い御者席から飛び降りると…



 いそいそと、馬車の扉を開いた。










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