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第17章 背中を預けるということ
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「……ぅ、うわ────!?」
ツバキとラーハルトはドタバタと家の中を靴のまま駆け抜け、庭へと続く縁側へと抜ける。
と、途端に目に入ってきた光景に、2人は呆気に取られて口を大きく開いた。
「……」
ブウウン、ブウウン、という羽根の震える音がもはや騒音となって耳を打つ。
狂ったように暴れて飛び回っているフェアリービー達は、あまりの大群にまるで黒い雲のようになっている。
「……」
遥か彼方へ旅立っていた2人の意識をなんとか現実に引き戻したのは、かわいそうにキュ~ン、キュ~ンと鼻で鳴くグレートウルフ達の声だった。
「だっ、とっ、とりあえず庭に居る従魔達を家の中なりどこかへ避難っっ!!」
「はっ、はいっ!」
ツバキの号令にラーハルトは庭へと降りると、従魔達に大声で呼びかける。
「おおい!! みんな!! こっちだー!! 家の中に入れーっ!!」
『!!』
が、ラーハルトに意識を向けるのは従魔達だけではなかった。
当然、暴れ飛び回っているフェアリービー達も一斉にラーハルトへ振り返る。
「んげっ!?」
──ブブブブブブッッ!!
雲のように広がっていた影が、一箇所に集まり竜巻のようにうねうねと渦を巻いて空へ伸び上がる。と、思った次の瞬間、真上へ向かって飛び上がっていたそれが矛先をラーハルト目掛けて飛びかかる。
「ひっ、うわ────っ!?」
一体一体は小さく力の弱い魔物でも、こうも群れて襲い掛かられては無傷ではいられない。けれど咄嗟のことに何の対処も出来ず、せめてもの抵抗でラーハルトは目と閉じる。
果たして、次の瞬間ラーハルトに襲い掛かった感覚は、痛みではなく熱風だった。
『こら──っ!! 妾が気持ちよく寝ておったというに、ブンブンブンブンうるさいのじゃあああああ!!』
「っあっづうううう!?」
ラーハルトの後方から飛び出した熱を伴った突風がフェアリービーの大群へ直撃する。
バサバサと空中で羽ばたきながら、苛立ちからカチカチと嘴を鳴らしたシシーが目尻を釣り上げている。
「……な、ナイスっ! シシー!」
『はあん?』
シシーの熱風をくらったフェアリービー達は、みんな目を回してバタバタと地面へ落ちていく。
その光景を見たツバキは、今がチャンス! とフェアリービー達を捕獲していく。
「サザンカ! 箱箱! いや、蓋があるなら、なんの容器でもいいからとにかく持ってきてちょうだい!」
『お、おうっ!』
フェアリービー達が目を覚まさない内に急げ急げと、ツバキとラーハルトはそれからしばらく地面に這いつくばって回収へ全力をそそいだ。
ツバキとラーハルトはドタバタと家の中を靴のまま駆け抜け、庭へと続く縁側へと抜ける。
と、途端に目に入ってきた光景に、2人は呆気に取られて口を大きく開いた。
「……」
ブウウン、ブウウン、という羽根の震える音がもはや騒音となって耳を打つ。
狂ったように暴れて飛び回っているフェアリービー達は、あまりの大群にまるで黒い雲のようになっている。
「……」
遥か彼方へ旅立っていた2人の意識をなんとか現実に引き戻したのは、かわいそうにキュ~ン、キュ~ンと鼻で鳴くグレートウルフ達の声だった。
「だっ、とっ、とりあえず庭に居る従魔達を家の中なりどこかへ避難っっ!!」
「はっ、はいっ!」
ツバキの号令にラーハルトは庭へと降りると、従魔達に大声で呼びかける。
「おおい!! みんな!! こっちだー!! 家の中に入れーっ!!」
『!!』
が、ラーハルトに意識を向けるのは従魔達だけではなかった。
当然、暴れ飛び回っているフェアリービー達も一斉にラーハルトへ振り返る。
「んげっ!?」
──ブブブブブブッッ!!
雲のように広がっていた影が、一箇所に集まり竜巻のようにうねうねと渦を巻いて空へ伸び上がる。と、思った次の瞬間、真上へ向かって飛び上がっていたそれが矛先をラーハルト目掛けて飛びかかる。
「ひっ、うわ────っ!?」
一体一体は小さく力の弱い魔物でも、こうも群れて襲い掛かられては無傷ではいられない。けれど咄嗟のことに何の対処も出来ず、せめてもの抵抗でラーハルトは目と閉じる。
果たして、次の瞬間ラーハルトに襲い掛かった感覚は、痛みではなく熱風だった。
『こら──っ!! 妾が気持ちよく寝ておったというに、ブンブンブンブンうるさいのじゃあああああ!!』
「っあっづうううう!?」
ラーハルトの後方から飛び出した熱を伴った突風がフェアリービーの大群へ直撃する。
バサバサと空中で羽ばたきながら、苛立ちからカチカチと嘴を鳴らしたシシーが目尻を釣り上げている。
「……な、ナイスっ! シシー!」
『はあん?』
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その光景を見たツバキは、今がチャンス! とフェアリービー達を捕獲していく。
「サザンカ! 箱箱! いや、蓋があるなら、なんの容器でもいいからとにかく持ってきてちょうだい!」
『お、おうっ!』
フェアリービー達が目を覚まさない内に急げ急げと、ツバキとラーハルトはそれからしばらく地面に這いつくばって回収へ全力をそそいだ。
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