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第7話 エピローグ
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あるところに、人と神と竜が生きる国がありました。
ある時罪を犯した竜に対して、神は罰を与える事になります。
決して許される罪ではありません。けれども、ただ罪を犯した竜を殺してしまったのでは、それは罰ではなくただの1つの命の終焉でしかありません。
どうしたものか、神は頭を悩ませます。
するとその時、神の内の1人が声をあげました。
〝贖罪の旅路を歩ませましょう〟
〝竜はいつも天を自由気ままに飛び回っているから、大地を歩かせ、そこに生きる者が居るのだと教えましょう〟
〝竜はいつも火を吐き出して回るだけだから、その口で他の事も出来るのだと教えましょう〟
〝しかし竜がそれで改心するだろうか?〟
その提案に、神は首をかしげます。
〝長い竜の命をもってしても、その命の終わりまで心を改めなければ?〟
〝例え竜の命が尽きても、その次の命も、その次も、贖罪の旅路を歩ませましょう。竜が学ぶまで。果たして彼が何をして、何をしてこなかったのか〟
神はいまだ牙を剥く竜に疑いの眼差しを向けます。
〝ならば私も贖罪の旅路に同行します。彼の傍で、彼が歩みを止める時はこれを諌め、心改めたと認めた時には貴方に報告に向かいます〟
〝報告に?竜と共に大地へ降りるのに、翼を持たぬお前はどうやって再びこの天へ?〟
〝もう一度竜に翼を与え、その背に乗って天へと参ります〟
いいだろう、と神は言いました。
更に神は続けます。
〝お前に竜の監督を任せよう。日々の行いも報告するように。竜が改心しないならば罰を与え続ける事とする〟
分かりましたと一言告げたその神は、傍らの竜に話し掛けます。
〝さあ、私と共に大地へ、貴方が焼いてしまった人の生きる地へと行きましょう。旅はとても、気が遠くなるほど長いものとなるでしょう。私は貴方の行いを、貴方をずっと見ています。そして私は、貴方が私を背に乗せてまたこの天へとかえって来る日を信じています〟
それは遠い遠い昔、1匹の竜と1人の神が大地へ降りたお話。
【愚か者のブルース】完
ある時罪を犯した竜に対して、神は罰を与える事になります。
決して許される罪ではありません。けれども、ただ罪を犯した竜を殺してしまったのでは、それは罰ではなくただの1つの命の終焉でしかありません。
どうしたものか、神は頭を悩ませます。
するとその時、神の内の1人が声をあげました。
〝贖罪の旅路を歩ませましょう〟
〝竜はいつも天を自由気ままに飛び回っているから、大地を歩かせ、そこに生きる者が居るのだと教えましょう〟
〝竜はいつも火を吐き出して回るだけだから、その口で他の事も出来るのだと教えましょう〟
〝しかし竜がそれで改心するだろうか?〟
その提案に、神は首をかしげます。
〝長い竜の命をもってしても、その命の終わりまで心を改めなければ?〟
〝例え竜の命が尽きても、その次の命も、その次も、贖罪の旅路を歩ませましょう。竜が学ぶまで。果たして彼が何をして、何をしてこなかったのか〟
神はいまだ牙を剥く竜に疑いの眼差しを向けます。
〝ならば私も贖罪の旅路に同行します。彼の傍で、彼が歩みを止める時はこれを諌め、心改めたと認めた時には貴方に報告に向かいます〟
〝報告に?竜と共に大地へ降りるのに、翼を持たぬお前はどうやって再びこの天へ?〟
〝もう一度竜に翼を与え、その背に乗って天へと参ります〟
いいだろう、と神は言いました。
更に神は続けます。
〝お前に竜の監督を任せよう。日々の行いも報告するように。竜が改心しないならば罰を与え続ける事とする〟
分かりましたと一言告げたその神は、傍らの竜に話し掛けます。
〝さあ、私と共に大地へ、貴方が焼いてしまった人の生きる地へと行きましょう。旅はとても、気が遠くなるほど長いものとなるでしょう。私は貴方の行いを、貴方をずっと見ています。そして私は、貴方が私を背に乗せてまたこの天へとかえって来る日を信じています〟
それは遠い遠い昔、1匹の竜と1人の神が大地へ降りたお話。
【愚か者のブルース】完
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