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2、お前もか

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「私ね私ね、シンお婆ちゃんみたいにいっぱい、いろんな忍術や忍法を使える立派な忍びになる!!」

「紅葉、立派な忍びってのは、使える忍術や体術、幻術の数で決まるもんじゃないさね」

「?、じゃあ立派な忍びってどんな人なの?」

「まぁ人によって主張は変わると思うが………私は忍び堪えることができる人だと思っとる」

「………忍び……耐える?」

「……………まだ紅葉には難しい話だったね」

………幼い頃の私は祖母の言ってる事は難しく、よく分からなかった…………。


~~~~~~~~~~~~~~~~~ーーーー

「………お婆ちゃん、私は立派な忍びにはなれなかったよ……」

………我慢すると決めたのに、最後の最後で我慢し切れなかった………。

「取り敢えずこれで運ぶか」

いつまでも死体を背負って移動するわけにもいかず、棺桶に入れ、背負うことにした私………ぶっちゃけこれでもかなり不審人物だが、死体を直で持ってるよりはマシと割り切る。

「………つい、きちゃったな…………」

義妹や義父に金をむしり取られる毎日だったが、良い事もあった、養子とはいえ貴族だったので、婚約者ができた、義父の凡ミスで祖母が死に、精神的に追い詰められた私の足は自然と婚約者の元へと向かった。

「………どっちにしろ、話は通しておかないといけないか」

義父をぶん殴ってしまったのだ……どうなるかわかったものではない………せめて婚約者として事前に話を通しておくべきだろう………。

「………先客がいるのかな?」

使用人に婚約者と説明すると快く、屋敷内に入れてくれた、彼の部屋に向かうと……何だか話し声が聞こえてくる。

「気持ちよかった♡」

「俺もだよ♡」

ドアの向こうから聞こえてきたのはアルフレッドと女の声だった……………。

「ーーーーーー!!!」

私は氷の手に心臓を鷲掴みされたような悪寒を感じ、絶句してしまう。

「でもよかったのかいマリアンヌ、家にいた老人が苦しんでいたよう見えたけど………」

「良いのよ、あんな老い先短い老人、未来ある若者の私達が愛を確かめる方がよっぽど大事だわ、悲しむのはきっと金金うるさいオバサンだけよ」

「~~~~巫山戯るなッッッッッッッ!!!!」

少し聞き覚えがある声と感じたが、どうやら声の主はマリアンヌのようだ、言動から察するにコイツも祖母が死にかけていたのを見てみぬフリをしてほったらかしにしたらしい、私から金を毟りとって、祖母を見殺しにして、そんでもってその孫の婚約者と男女の関係になる?、あまりに鬼畜な行為に思わず歯噛みをしながらドアを蹴破って部屋の中へ入る私。

「~ーーモミジ??!!」

「お姉さま??!!」

「………これは一体どういう事なの?、アルフレッド」

いきなり姿を現した私に驚愕する二人。

「あ、い、いやこれはその………」

油汗を浮かべ、言い訳しようとするが、裸で絡み合っている状態では何を言っても私を納得させる事は難しいと、口ごもるアルフレッド。

「あーーあ、バレちゃったか……あんたの想像通りよ、モミジ」

「……………」

謝罪でも反省する様子もない、開き直るマリアンヌ………彼女のその態度に自分の血管が切れたような幻聴が聞こえる。


「ちょ、マリアンヌ、何をーーー」

「何を言ったところで、この状況で言い逃れるのは無理よ…………モミジはただの養子、そんな奴に浮気がバレたところで実子の私の方が立場が上なんだから、そんなにビビる事はないじゃない………それにちょうど良い機会だし、直接言っておいた方がいいじゃないの?」

「な、なるほど……言われてみれば確かにそうか………」

「………?」

ちょうど良い機会とは一体……………。

「すまない、モミジ、俺は彼女との真実の愛に気づいてしまったんだ………だから君との婚約は破棄させてもらう………」

「…………はい???」

………純粋に意味がわからない、何を言っているんだコイツは、真実の愛?、ただお手軽に体を許してくれる、頭も股も緩い義妹との行為が気持ちよかっただけだろう?、私がいるのにという背徳感をスパイスにして、楽しんでいただけだろう?、そんな最低な行為をしておいて真実の愛?、婚約破棄?…………疑問はだんだん殺意に変わっていく、すぐさまコイツらを八つ裂きにしたい衝動を何とか抑える私。

「そういう事、私とアルフレッドは今から愛し合うから、さっさと出て行ってよ、

お次は私に見せつけるようにディープキスをかますマリアンヌ、蛇のように舌を絡み付かせ、ねっとりと数秒かけて口づけを味わい、口を離すと、ツゥっと唾の糸が垂れ落ちる。

「……………」

私は無言でその場を後にした。




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