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1、プロローグ
しおりを挟む「ねぇ、お姉様、お金を貸して欲しいんだけど……」
「…………」
私の名前はモミジ・フラメル………故郷でとある化け物が暴れ、戦いの余波で海に吹っ飛ばされ、気づいたら異郷の地に流れ着いてた私と祖母……………外国の子供と年寄りが仕事が欲しいと言っても、そう簡単にもらえるわけがない………途方に暮れた私達は各地を転々と歩いた………ある日、盗賊に襲われている婦人を助けた、幸いな事に私たちが故郷で習得した体術や特技はこっちでは珍しく、盗賊程度なら軽くあしらえることができた…………彼女、アネモネ・フラメルはどうやら貴族だったらしく、とある条件を飲めば、私たちの衣食住を保障してくれると、これ幸いと私達はその条件を飲み、私は養子という扱いでフラメル家にお邪魔することになったのだが………彼女の旦那ロバートと義妹のマリアンヌがこれまた最悪の人種だった…………流石に何もしないのは嫌だったので、親に仕事を紹介してもらい、酒場でウェイトレスとして働いていたのだが……事あるごとに金をせびってくる義妹……アネモネがいるときは猫を被っているのが非常にタチが悪い。
「ねぇ、黙ってれば大丈夫とか頭の悪い犯罪者みたいな事考えてない?、とっとと金よこしなさいよ」
………仕事から帰ってくると、金遣いが荒いのか、金を貸すという名目で奪ってくる。
「………前に貸した金返すの先ーーー」
「何生意気なこと言ってんだよmギオウェンくぃお05q4h三位0hg09クェwj90ghjwび90sじ09grj890wjgh80qwhj〇位味0rgjqt0j0g8じゃお〇位hんつ0おq84h809tjqh80あhjzぬおmんkpMIO3T2180OQJNG350JH0G8QWHT35IOPGNAEHIOUESJNGOTEWJ0TGHJW08YHJw8053jt80gwj08t45j0q8tuj0t8qj040!!!!」
「……………………一万ゴールドあれば良いかしら?」
「そうそう、口答えせずにとっとと渡せばそれで良いのよ」
もうすでに数十万は貸したが、鐚一文たりとも返ってこないので、一応返済をお願いするが、その瞬間奇声を上げ出したマリアンヌ……………こうなるともう手に負えない……ひったくるように私の手元から抜き取り、スキップしながら夜の街へ消えていった………。
「………………はぁ………ただいま………」
呆れながら帰宅した私、とりあえずバックを置こうと、自室へと直行する…………。
「ああ~スゥぅぅぅぅぅ~~金がねぇ~スゥぅぅぅぅゥゥ~~なぁぁ~スゥゥ~~」
「………何……やってるんですか?」
…………私の部屋がこれでもかと荒らされていた、服や私物が床に散乱し、タンスは全開………それでもまだ物足りないと言わんばかりにチェストを乱暴に引き抜き、中を荒らしている人影がいた。
一瞬強盗かと思ったが、違った、その人物は私の義理の父親だった………もしかしたら強盗の方がまだマシだったかもしれない。
「ああ?、スゥゥゥゥゥゥ~~タバコ切れそうだから金探してたんだけどよぉぉぉ~~スゥぅぅゥゥゥゥッゥゥ~~~見つかんなくてよ、早く寄越せよ~~」
「………………これで足りますか?」
「ったくヨォ~隠しやがって~~スゥゥッゥゥゥッゥっぅ~~~~」
義理の父親ロバートはタバコが無くなりかけると私に金をせびってくるのだ………さっきと似たような会話に辟易した私は手っ取り早く財布から金を出す………義妹のマリアンヌと似たような仕草で私から金をひったくるロバート。
(…………嫌なところ似てるな………この親子…………)
…………取り敢えず荷物を置いて、私の祖母が寝ている部屋へと移動する。
「………ただいまお婆ちゃん………」
「……………」
私の祖母、葉月シンに帰りの挨拶をする………。
「………お婆ちゃん、私、紅葉だよ、帰ってきたよ」
「………………」
「?」
………おかしい、いつもだったらこの時間は起きてるはず………寝ているのだろうか?。
「これ………今日の薬………」
不思議に思った私は祖母が寝ているベットへと少し近づく、そして気づく、気づいてしまう、今日飲んだはずの薬がなぜか近くのテーブルに無造作に置いてある。
「ーーー!!、し………ん……で………る?」
悪寒が走り、私は急いで祖母の脈を取ったが……動いておらず、瞳孔も開いていた………寝ていたのではない、返事をしなかったのではない………もう既に物言わぬ骸と化していたのだ………。
「お婆ちゃん!!!、目を覚まして!!…………お願いだから………」
「どうしたんだよ?すぅぅぅゥゥゥゥ~ウルセェな~フゥゥゥゥゥ~」
「ーーー!!………ロバートさん………」
「何だなんだ?、もしかしてくたばちまったのか?、その老いぼれ?」
「…………ロバートさん………今日のお昼の分の薬、なんで飲ませてないんですか?、あの条件を守るのと、タバコ代を渡したら、祖母の面倒も見てくれる約束でしたよね?」
私が思わず泣きながらお婆ちゃんに呼びかけていると、後ろからタバコを吸いながら現れるロバート………取り敢えず、なぜ薬が残っているのか聞く。
「ああ?、悪りぃわりぃ、でもその老いぼれ、もう金出てこなかったからどうでも良くなっちまってよ」
「ーー!!お、おまえ………」
私は一応、祖母に月に数万ほどお小遣いを渡している、たまの散歩などで金があった方がいいと思ったからだ…………まさかその金すら奪っていたとは………その上、面倒を見ることすら放棄………。
「まぁ死んじまったもんはしょうがねぇよ、確かお前の国では、葬式で火のついた棒と灰を使うんだっけ?ほらちょうど吸い終わるからよ」
「~ーーッッッッッ!!!」
ロバートは祖母の遺体に近づくと、事もあろうに腕にタバコの火を押し付け、鎮火させた後、吸い殻を祖母にぶっかけた。
「まぁこれで許してーーー痛ッッッッッッッ??!!!」
「………その汚ねぇ口を今すぐ閉じろ」
もう我慢の限界をこえた私はロバートを殴り飛ばす…………私の一撃で気を失ったのか、白目を剥いてた床に転がるロバート。
「…………ごめんねお婆ちゃん…………」
私は自分の荷物を纏め、祖母の遺体を背中に抱えて、家を出る。
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